定期的に注目を集めるこの手の話題。
久しぶりに見たので私が思うことなどをちょっと書いてみたいと思います。
(続きはこちら)
1.RSSは最も効率的な情報収集デバイスである
個人的には、多くの人がいっているように、
RSSリーダーは情報収集方法として現時点で最も効率のいいデバイスである
というのは、間違いがないだろうと思います。
自分で、興味のある、購読したい情報を取捨選択することができ、しかもそれを自動的にとって来てくれるのですからね。これはTwitterやFBには代替できない素晴らしいシステム・機能です。
では、何故RSSリーダーははやらないのか。
結論から言えば、私は
RSSリーダーを使いこなすのが非常に難しいし面倒だからだ
という一点に尽きると思います。
RSSリーダーを使いこなすのは非常に難しいし面倒くさい。これがRSSリーダーが流行らない理由の最も大きな要因だと思います。今回はその理由など書いてみたいと思います。
2.RSSリーダーの最初に突き当たる壁
まあ、まずそもそも論として、RSSリーダーが流行らない理由の一つとして、RSSがどういう仕組みなのかがよく分からないという人も多いということが上げられます。でも、これはちょっと勉強すれば分かることなので、この点はさほどたいした問題ではないと思っています。
※個人的には、RSSリーダーの使い方などを書いた記事が定期的に上がるのは不思議に思いますけど。RSSリーダーにお気に入りのブログなどのRSSやATOMを登録するだけなのですから。
本当に難しいのは、このようなRSSリーダーの使い方それ自体ではなくて、そのコンテンツの取捨選択です。
ここで、自分の趣味にあったもの・有名どころを片っ端から登録していけばいいだけだ、深く考える必要はないという考え方もありますが、これでいくとすぐに詰みます。未読が多くて挫折する。いわゆる、未読地獄というやつですね。
つまり、RSSリーダーを使うために抑えておかなければならない最初の原則は、
RSSを配信しているコンテンツは人の処理能力をはるかに超える量なので、その中から自分で取捨選択をしなければならない
という点です。
このコンテンツの取捨選択が実は非常に難しいし、しかも、それはいつまでたっても完成することはない、終わりはないものなわけです。この点が非常に難しいし面倒くさいところです。
しかも、これは誰かのものをそのまま真似すればいいというのではなく、(人によって興味の対象が違うわけですから)パーソナライズしなくてはならないので、自分自身で行うしかなくないのです。つまり、それがまずもって最初の非常に大きな壁となるというわけですね。これを二つめの原則としていうのならこういう事です。
RSSリーダーに登録するRSSはパーソナライズされなければならない
3.RSSの加工の難しさ
まあ、以上の点は、興味の対象は人それぞれですから、それ以上のことは他人の私から言えませんけれども、ここでは仮にその取捨選択が終わったとしましょう。
これで終わったわけではなくて次に問題になるのは、RSS自体の内容の取捨選択です。
つまり、RSSで配信される特定のコンテンツは自分が興味があると思って選択したわけですけど、その全てが自分の興味の対象になるわけではありませんよね。
つまり、RSSリーダーは常に情報過多だという原則からいうと、(この段階では多くの人が処理能力を超えたRSSのチャンネルを選択していると思われますが)すでに登録の時点で自分の処理能力を超えているので、それを処理可能にするためにはそこから不純物を取り除かないといけないわけです。要するにフィルタリングが必要なわけですね。
この点について分かりやすいのがニュースサイトです。
新聞社のニュースサイトなどをRSS登録した場合、この問題が顕著になります。
ニュースサイトもRSSを配信しているところも多いですが、それはかなり大雑把ですよね。ひどいところは一つのRSSフィードに何でもかんでも詰め込みます。ニュースでいえば、社会、国際、経済、人事などいろいろなカテゴリーがあるわけですけど、それが一つになっている。そうするとなかには経済に興味がある人で社会に興味がない人もいるわけですよね。また、経済に興味があっても特定の分野にしか興味がない人もいるわけで、それは(自分にとって)不要なコンテンツとなります。それが情報過多だという条件がなければ、それくらいのことはいいのですけど、現実はそうではなく、自分が読みたい記事の方が少ない。仮に素直にニュースサイトなどのオリジナルのRSSを登録すると一日に大量のRSSが送られ、その時点で既に詰んでしまうわけです。未読が多すぎて有効に機能しないわけですね。
要するに、RSS配信とはつまり配信側に主導権があって、受け手にはそれがないわけで、情報過多なRSSリーダーを有効に機能させるためにはその主導権を取り戻さないといけないわけです。まあ、情報過多な時代でなければ別にそんなことは大して気にすることはないのですけれども、現在のように情報過多になると、いかにフィルタリングするかがRSSの選別と同じくらい重要になってきます。
となると、オリジナルRSSを登録するのでは不十分でそれを加工するサービスが必要となってくるわけです。
有名どころだとYahoo!Pipesなどがそれにあたりますが、これをつかいこなすのは非常に難しいわけです。難しいといっても、私がある程度まで使いこなせるわけですから、プログラマーなどの素養がある人にとっては簡単ですぐにマスターできるわけですけど、それが普通の人一般に汎用的なサービスかといえばそうは言えません。
しかも、サービスの出たてはいろいろと新しいもの好きな人が作っていたんですけど、いまはほとんどの人が使っていないのが現状で、お手本として真似するにしても作っているものが2007年頃でほとんど止まっていますし、またそのまま使うにしろページ構成が変わっているため動いていないものもたくさんあって非常に使い勝手が悪いわけです。(いま最も作っているのは私ではないかと思うくらい活気がない(私は一つも公開はしていませんけど))
個人的には、Pipesというのは神ツールであり、RSSのパーソナライズ化は不可欠であることを考えれば、これなくしてRSSリーダーを使うなどあり得ないと思うのですけど、それはさておき、こういう面倒なことをしなければ情報過多なRSSリーダーを有効に機能させられないというのがRSSリーダーが流行らない理由だと思うのです。
ちなみに、Pipesは非常に優れたサービスだと思いますけど、先ほど書いたように、RSSリーダーというのは極めてパーソナルなサービスですので、他人の作ったPipesを毎回そのまま使うというわけにもいかないので、結局、ある程度は、どうしてもマスターしないといけません。しかも、それにはメンテナンスが必要です。一度作れば、まあ数年はもつでしょうけど、なかには頻繁にページ構成を変えるところがありまして、タグでとってくるところを変えないといけないなど色々ありますので。
その点で、もういろいろと流行らなさそうなオーラが出てきますね。
RSSリーダーは常にメンテナンスを要する
4.RSSの本領とは
こんな感じで、こういう手間暇をかけると、RSSリーダーが本領を発揮します。
私の場合、すべてパーソナライズ化してフィルタリングして全文吐かしているので、1時間くらいで飛ばしながら自分の興味のある分野だけの記事を1000くらい読むことが出来ますし(Google Readerの記事数が正確であれば私だとだいたいこれくらい)、RSSリーダーのみで全て完結します。イメージ的には、一部の人がやっているTumblrのJKPTをRSSリーダーでやるという感じですね(Tumblr使ったことないですけど)。
おまけに、GoogleReaderならiftttとかで気に入った記事をEvernoteに飛ばしたりとかSBMに投げたりとかまあいろいろあるわけです。
ただ、こういうことをするためには、ここまでのRSSリーダーの構築と、常日頃のメンテナンス(つまり、ブログなどはみずものですから常に登録削除を繰り返さないといけないわけですし、Pipesも動かなくなるのでそのメンテナンスも必要なわけです。一度作ったら終わりというものではなくて、日々メンテナンスをしながら使うという感じです。車とかと同じですね。)が必要なわけでして、非常に手のかかることは否定できません。
まあ、こんな感じで、私はRSSリーダーが現時点で最も効率のいい情報収集デバイスだと思っていますけど、以上のことから、それを自分に合わせたパーソナルなものにするまでが非常に難しく、そのメンテナンスも非常にめんどくさいから、RSSリーダーは一般には流行らないのだと思います。
Tweet【まとめ】私が思うRSSリーダーの難しい点
・RSSを配信しているコンテンツは人の処理能力をはるかに超える量なので、その中から自分で取捨選択をしなければならない
・RSSリーダーに登録するRSSはパーソナライズされなければならない
・RSSリーダーは常にメンテナンスを要する
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