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石橋文化センターかいわい2012年09月08日
西鉄久留米駅から東に徒歩15分。車が国道をひっきりなしに行き交う。市街地にある石橋文化センター周辺は、大人も子どもも一日楽しめる見どころが満載です。 八尋 今日は味覚も芸術も科学も生き物もぜーんぶ楽しみますよ! ウーコ 欲張りですね。一日で足りるかな。 かつてレンコン畑だったという約6万平方メートルの敷地は今、バラが香り、モミジが色づき、絵画や音楽を楽しめる街中のオアシスになっている。 石橋文化センターは久留米出身でブリヂストンの創業者、石橋正二郎(1889〜1976)が私財を投じて美術館や音楽堂を建設し、1956年に市に寄贈した。 池を囲む庭園は歩を進めるごとに表情を変える。西洋風のバラ園を過ぎると、滝やあずま屋を配しモミジに囲まれた日本庭園。奥には、壁いっぱいに作られたガラス窓からたっぷりの日差しが吹き抜けの室内に降り注ぐ2階建ての古い家が現れる。 久留米出身の洋画家坂本繁二郎(1882〜1969)のアトリエを移築したものだ。坂本は代用教員として小学生だった石橋に絵を教えた人物。28歳で亡くなった同級生の洋画家青木繁の作品を散逸させないように坂本が石橋に頼んだことがきっかけで、センターの中核施設「石橋美術館」は誕生したとされる。 センターは開園時、スポーツ施設も充実していた。日本初の水中照明付きで世界記録も出た50メートルプールは1993年に閉場。跡に立つ石橋美術館別館横に残る飛び込み台が当時を伝える。体育館もあったが、久留米市立中央図書館になっている。 クスやケヤキが茂り、芝生の上ではのんびりした時間が流れる。子どもが走り回ったり、家族でお弁当を囲んだり、友だち同士でおしゃべりしたり。正門脇に立つ碑に刻まれる石橋の「世の人々の楽しみと幸福の為(ため)に」というセンターの思いは、しっかりと根付いているようだ。 ウーコ 石橋文化センターだけで一日過ごせちゃいますね。 八尋 何度も足を運んで満喫してください。 文・八尋紀子 ■記者から 「なんてぜいたくなの!」と、心の中で何度叫んだことだろうか。 緩い勾配が景色の変化と歩く楽しさを教えてくれる石橋文化センターは入園無料。青少年科学館の隣には広い芝生と大きな噴水が涼しげな中央公園。どこもかしこもゆったりしていて、空の広さを感じられる。 一帯には好奇心を刺激する施設が多く、じっくり回るとあっという間に時間が過ぎてしまう。しかし実は、シートとお弁当と本を持って一日のんびりするのにもぴったり。少し足をのばせば筑後川沿いには「久留米百年公園」がある。こちらも美しい芝生が広がり、ごろごろするのにおすすめです。 ■牟田食堂 まずは味覚! 今秋開設50周年を迎える久留米市中央卸売市場が扱うのは野菜と果物、魚。市場内に一般の人は入れないが、3軒ある食堂と軽食の店は自由に利用できる。牟田食堂は、市場開設と同時に開店し、店主の牟田俊治さん(61)は3代目。自慢は毎朝市場で仕入れる刺し身(320円)。ショーケースに並ぶポテトサラダや酢の物などの一品(200円〜)から好きなものを取って自分流定食に。丼も人気だ。営業は午前5時半〜午後1時半。 ■石橋美術館 石橋正二郎のコレクションは、石橋美術館に日本近代洋画が、東京駅近くのブリヂストン美術館に印象派など西洋近代美術が収蔵されている。両館の作品を題材やジャンル別に一緒に展示する「あなたに見せたい絵があります。」が10月14日まで開催中。ふだんは久留米で見られないピカソやセザンヌ、ルノワールなどを鑑賞できる。学芸課長の森山秀子さんは「庭園を眺める休憩スペースがあるなど、ゆっくり鑑賞できるのが好評です」。 ■コスモシアター 県青少年科学館には日本最大級の23メートルドームを持つプラネタリウム「コスモシアター」がある。光学式投影機からうまれるキラキラした星とライブの星空解説が人気だ。秋は明るい星が少なく、観察が難しい。天文担当の専門員市川やす代さん(46)は「プラネタリウムで星空を楽しんで」。飛行機の飛行や着陸が体験できる「フライトシミュレーター」や水の循環を表す「ボールプール」など科学のおもしろさを体感できる。土曜は高校生以下は入館無料。 ■市鳥類センター クジャクやタンチョウ、リスザルなどに癒やされる久留米市鳥類センター。しかし、飼育員の西坂繁男さん(30)によると凶暴な鳥もいる。えさやりの時などで西坂さんが最も警戒するのは、「世界一危険な鳥」と言われるヒクイドリ。鋭い爪を持ち、ヘルメットをかぶっていたり、走ったりする人をなぜか猛スピードで追いかけて蹴ろうとする。小さな遊園地も併設されていて懐かしさが漂う。直径30メートルの観覧車は予想外の絶景で思わず大興奮。
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