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夫婦強盗殺人に死刑判決 裁判員裁判で県内初 地裁郡山

 会津美里町の病院職員遠藤信広さん=当時(55)=と看護師で妻の幸代さん=同(56)=を殺害し金品を奪ったとして、強盗殺人などの罪に問われた本籍東京都、住所不定、無職高橋(旧姓・横倉)明彦被告(46)の裁判員裁判の判決公判は14日、地裁郡山支部で開かれた。有賀貞博裁判長は「執拗(しつよう)で冷酷かつ残虐。死刑で臨むのが相当」として求刑通り死刑を言い渡した。平成21年5月開始の裁判員裁判で、本県で死刑判決が出たのは初めて。判決後、裁判員6人、補充裁判員2人のうち、5人が会見し心境を語った。
 有賀裁判長は判決理由で「他人の生命をないがしろにした犯行は極めて悪質性が高い。いかなる理由を考慮しても2人の死を招いた結果は重大」と述べた。
 犯行状況については、「金銭目的で夫婦をペティナイフで何度も執拗(しつよう)に突き刺し、(幸代さんが)救急車を呼ぶよう懇願するのも聞き入れず、ためらうこともなく致命傷を負わせている。執拗にして冷酷、かつ残虐というほかない」と指弾した。
 争点となった殺意の発生時点は、高橋被告が鉢合わせした信広さんに刺した首の傷の深さが約10センチだったことを挙げ「確定的までとはいえないが、殺意があった」とし、金品要求の時点で既に殺意を抱いていたとした検察側の主張を支持。刺した時点で殺意はなかった-とする弁護側の主張を退けた。
 計画性は具体的に認めがたいとしたが「抵抗された場合は殺害行為に出ることは想定していた」と一定程度の計画性を認めた。
 その上で更生の余地が全くないとはいえないことなどの事情を考慮しても「刑事責任は極めて重大で、死刑をもって臨むのが相当」と結論付けた。

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公判中、裁判員を前に被告人質問に答える高橋被告
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