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036 月刊誌編集長 古賀義章さん (10年1月18日)

多様な視点で発信し続ける

企画斬新、世界市場へ自信

古賀義章さん(45)

■月刊誌編集長

 写真

こが・よしあき 1964年生まれ。神埼市(旧三田川町)育ち。佐大付属中―佐賀西高―明治大卒。89年講談社入社。週刊誌で阪神大震災、イラク戦争などを取材。2004年12月から現職。報道ステーションのコメンテーターも務める。東京都練馬区在住。

 昨年10月下旬。講談社の月刊誌「クーリエ・ジャポン」編集長の古賀義章(45)=旧三田川町出身=は米国・ニューヨークにいた。写真界のアカデミー賞といわれる米財団のルーシー賞授賞式。オバマ米大統領就任の日に世界の写真家が希望をテーマに撮影した写真集『ディス・デイ「希望の一日」』を企画出版し、ノミネートされたのだ。受賞は逃したが、古賀の表情は晴れやかだった。


 「言葉の壁を超えて、世界へ出ていくことができた」。素直にその名誉を喜び、世界市場への挑戦に自信を抱いた。


 中学は陸上、高校はラグビーに汗を流した。予備校に2年通い、明治大へ。机上の勉強を好まず、社会体験を求めてアルバイトに明け暮れた。しかし、1年生の冬、過労がたたり急性肺炎で入院。「苦労してお金を貯めても仕方がない」。旅が青春となった。


 車で全国縦断後、バックパッカーでインド、ネパール、韓国などアジアを巡り多様な価値観に出合った。講談社入社後は週刊誌編集者として事件取材で全国を駆け回り、災害の現場や社会のひずみを目の当たりにした。


 91年、雲仙普賢岳取材でルポライター鎌田慧らと立ち入り禁止の警戒区域に入り、書類送検(不起訴)されたことも。多忙な中でも「誰もやらないこと、やっていないこと」を追いかけた。個人で普賢岳に7年間通い、「真っ白な灰の世界」を撮り続けた。オウムの教団施設も3年間シャッターを切り、それぞれ写真集を出した。


 「商業ジャーナリズムではうまく表現できないジレンマがあり、自分が疲弊していた。個人でやりたいことをやることでバランスを取っていた」


 2001年、社内留学制度で1年間、フランスに渡り、ヨーロッパの価値観を知る。滞在中に起きた米国同時多発テロ「9・11」。そこで世界のメディアの記事を翻訳し掲載した雑誌を目にした。世界中の「9・11」に対する視点。日本で伝えられているアメリカとは違う見方に接し、多様性の大事さを痛感した。


 同時に「新メディアの可能性」を感じ、帰国後、講談社100周年事業の社内公募でアイデアを提案し、新雑誌の編集長のイスに就いた。


 「日本にない情報、伝えられていても別の視点でとらえた記事」を届け、現在7万部を発行。中田英寿、坂本龍一、勝間和代ら著名人の目で編集特集を組むなど斬新な企画で発信し続ける。「他にない雑誌だから付加価値をつけブランド戦略ができる。信頼性が重要で、中身を磨きたい」


 昨年末、十数年ぶりに佐賀へ。自転車を借りて駅周辺を回った。「地方の景気の深刻さが目についた。格差が激しく、悲しい半面、変わらない姿にもほっとする。自然を生かしたエコ都市が佐賀らしい」。広がる空に、喧騒を離れた心地よさを感じた。(敬称略)


【写真】読者は20代が4割を占める。厳しい出版業界だが「内容がいいものには若い人もお金を出す」とクオリティーを追求する古賀義章=東京・音羽の講談社

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