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【プロ野球】

内川、痛恨の走塁ミス 1球で暗転

2013年3月19日 紙面から

8回1死一、二塁、打者阿部の時、飛び出した一走内川がタッチアウトになる。左端は二走井端(共同)

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◇WBC準決勝 プエルトリコ3−1日本

 三塁打の鳥谷を井端がかえし、内川が続く。8回、2点差に迫ってなお1死一、二塁。その瞬間まで、侍たちの背を大歓声が押していた。だが、1球で暗転した。絶叫に変わり、最後はため息に…。

 4番・阿部への2球目だった。受けた捕手のY・モリーナが二塁に向かって走っていく。ベース手前では一塁走者の内川が立ち往生していた。二塁ベース上には二塁走者の井端がおり、かといって一塁へも戻れない。なすすべもなくタッチされた内川は、敗退の全責任を負い、試合後は悔し涙を流して、わびた。

 「僕のワンプレーで終わらせてしまって本当に申し訳ない気持ちでいっぱい。(原因は)全部言い訳になるんで言ってはいけないこと。飛び出した自分がすべて悪い」

 ベンチのサインは盗塁だった。ただ、必ずスタートを切る『ジス・ボール』ではなく、あくまでも走者の判断に委ねられる『グリーンライト』。2次ラウンド・台湾戦の9回に同点を呼び込んだ鳥谷の二盗と同じ策で劣勢をはね返そうとしたが…。

 「行けたら行け、ということだったので止まった」。スタートを切りかけたが止まった井端はこう言った。先の走者についていくべき内川は、井端が走ったと思い込んでいたのだろう。気付いたときには手遅れだった。目の前にいる井端の姿に、立ちすくんでいた。

 このプレーに関して、会見では山本監督に外国メディアを含めて質問が集中した。

 「ダブルスチール。行ってもいい、というサインだった。井端のスタートが遅れた。あの投手のモーションが大きいというのはビデオで分かっていた。チャンスがあれば、と思っていた。一つでも先の塁へ、ということ。悔いはありません」

 モリーナの強肩はわかっていたが、ロメロがクイックモーションをできない情報も、事前に入手していた。勝負の一手の根拠を、山本監督は毅然(きぜん)とした表情で振り返った。

 ブラジル戦も、台湾戦もそうだった。内川と井端の2人で起こしてきた8回の奇跡。3度目はならず。痛恨というにはあまりに痛い逸機となった。

 ▽日本代表・高代内野守備走塁コーチ(内川の走塁の場面に関して)「井端がスタートを切って止まって、後ろのランナー(内川)は難しい。(井端も内川も)責められない。そういう野球をずっとやってきたから」

 

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