1、身の回りの物質
1)物質
物質とは物体をつくる材料(成分)である。
例)
物体 |
物質 |
コップ |
ガラス |
缶 |
アルミニウム |
2)物質の分類
→ 2通りの分類のしかたがある。
分類その1 金属と非金属(金属でないもの)
金属 |
鉄,銅,銀,金,マグネシウム,アルミニウム など |
非金属 |
木,ガラス,ゴム,プラスチック など |
分類その2 有機物と無機物
有機物 |
主に炭素から構成される物質 。 → 燃やすとこげて炭になる。 。 |
無機物 |
炭素を含まない物質。 。 ただし、二酸化炭素は炭素をが含まれているが例外的に無機物に入れる。 。 |
3)物質の区別のしかた
@ 金属と非金属を見分ける
金属の特徴
・特有の光沢がある(金属光沢という)。 ・熱、電気を通す(伝導性という) 。 。 ・たたくと広がる(展性という),曲がる(延性という)。。 |
黒鉛・ケイ素は展性・延性以外の2つをもっているが3つないので、非金属になる。
A 金属を種類で見分ける
・磁石につける → 鉄はつくがその他の金属はつかない
磁石は鉄かどうかを見分けることができるが、金属か非金属かを見分けることはできない。
・特有の色をもつ金属 → 銅(赤色),金(黄金色)
・各種の金属を見分けるには ・・・ 密度(単位はグラムg毎立方センチcm3)で比べる
密度[g/cm3] |
= |
質量[g] |
|
体積[cm3] |
|
密度は物質によって値が決まっている
例)鉄 7.9 g/cm3 銅 9.0 g/cm3
☆ 非金属でも、固体や液体であれば、密度で比べられる。
☆ 密度4g/cm3以上の金属を重金属という。
問題1 ある物質の質量は32gであった。またこの物質の体積を測定したところ40cm3であった。この物質の密度はいくらか。
密度[g/cm3] |
= |
32[g] |
=0.8[g/cm3] |
40[cm3] |
問題2 ある金属のかたまりを調べるために、次のような実験を行った。この金属は何であると考えられるか。また、いくつかの金属の密度を下に示した。
ア) てんびんで質量を測ったところ、54gであった。
イ) 底面積が10cm2の容器に水を5cmの高さまで入れ、そこに、この金属を入れたところ、水面の高さが7cmになった。
金属 |
鉄 |
銅 |
アルミニウム |
マグネシウム |
密度 g/cm3 |
7.9 |
9.0 |
2.7 |
1.7 |
物質の体積を求める:
物質を水に入れると、底面積10cmの容器の液面の高さが5cmから7cmになった(2cm上昇した)ので、物質の体積は、「底面積×高さ」より、
体積=10×2=20cm3
密度を求める:
質量は54gなので密度は、「質量/体積」より、
密度[g/cm3] |
= |
54[g] |
=2.7[g/cm3] |
20[cm3] |
密度は物質によって決まっているので、この物質は表よりアルミニウムである。
B 白い粉末の区別をする
例)白砂糖,デンプン,食塩,重曹(じゅうそう)など
粉末は体積を正確に測定できない … 密度で区別できない。
白い粉末を区別するには、次のような方法で調べる。
・粒の形を観察する → 食塩は小さな結晶状になっている。 。 |
・燃やす → 有機物か無機物かが分かる(有機物は燃やすと炭になる)。 |
・水に溶かす → デンプンは水に溶けにくい。 |
・試薬を使う → デンプンはヨウ素溶液で青紫色になる。 |
C 気体を区別する
例)酸素,二酸化炭素,窒素,水素,アンモニア
気体は質量を正確に測定できない … 密度で区別できない。
色,臭い,水に溶けるか溶けないか などによって調べる。次の4)を参照。
4)気体の性質
@気体の捕集方法 ポイント 気体の性質によって捕集方法が異なる。
|
捕集できる気体の性質 |
水上置換 |
水に溶けにくい気体 |
上方置換 |
空気より軽く、水に溶けやすい気体 |
下方置換 |
空気より重く、水に溶けやすい気体 |
A 気体の発生方法と性質
二酸化炭素 (下方置換で捕集)
・製法 石灰石または炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸。
|
・性質 @水にやや溶ける(水上置換でも集められる) A空気より重い B無色,無臭
C水溶液は酸性を示す。(酸性:リトマス紙が青→赤、BTB溶液が緑→黄色)
D石灰水に吹き込むと白くにごる(検出に使える)
酸素 (水上置換で捕集)
・製法 二酸化マンガンに過酸化水素水を加える。
水素 (水上置換で捕集)
・製法 金属(鉄,亜鉛,アルミニウムなど)にうすい塩酸または硫酸
・性質 @水に溶けにくい A空気より軽い B無色,無臭
C酸素と混合し点火すると、爆発し、水になる。
アンモニア (上方置換で捕集)
・製法 塩化アンモニウムに水酸化カルシウム
・性質 @水に溶けやすい A空気より軽い B無色,刺激臭
C水溶液はアルカリ性を示す
(アルカリ性:リトマス紙が赤→青、BTB溶液が緑→青色、フェノールフタレイン溶液が無色→赤)
D 発生したアンモニアに、濃い塩酸をつけたガラス棒を近づけると、白煙が生じる(検出に使える)。
5)純物質と混合物
純物質 |
その物質を構成する成分が、1種類の場合この物質 |
混合物 |
2種類以上の純物質が混ざっている物質 |
問題3 次の(a)〜(e)を純物質・混合物に分類せよ。
(a) 氷 (b) 空気 (c) 鉄 (d) 水素 (e) 海水 (f)牛乳 (g)塩酸 (h)過酸化水素水
それぞれ「何と何が混ざっている」かを考えるとよい。思いつかなければ純物質。
(a)
純物質 氷は水の固体で、水は水(H2O)のみでできている。
(b) 混合物 空気は主に酸素(20%)と窒素(80%)の混合物である。
(c) 純物質 鉄は鉄のみでできている。
(d) 純物質 水素は水素のみでできている。
(e) 混合物 海水は水にミネラル等が溶けたものである。
(f)混合物 牛乳は水に糖、タンパク質、脂肪が混ざっている。
(g)混合物 塩酸は水に塩化水素が溶けたものである。
(h)混合物 過酸化水素水は水に過酸化水素が溶けたものである。
(過酸化水素といった場合は純物質。同様にアンモニア水は混合物、
アンモニアは純物質になるので注意)