多摩大学で非常勤講師をやるにあたって、3年ぶりくらいに履歴書を書いています。
ぼくはこの手の書類作成が本気で嫌いで、もう憂鬱で仕方がありません。結局後回しにした挙げ句、いつも奥さんに泣きついて書いてもらってます。21世紀になったっていうのに、これ、なんとかならないものですかね。
時間とカネの無駄
まず、手書きの履歴書は、すさまじく時間とカネの無駄です。
・コピペできないので、書く側に負担が掛かる(ぼくの場合、手書きはデジタル入力の10倍近い時間が掛かります)
・字が読みにくいことがある、誤字・脱字、整理しにくいなどの点で、読む側に負担が掛かる
・送付する手間、金銭的コストが掛かる
・書類を管理するコストが掛かる(倉庫、書架が必要)
・書類を検索するコストが掛かる(デジタルなら一瞬で検索できる)
などのデメリットがあります。履歴書・エントリーシートが手書きであるために発生している時間的・経済的損失は、相当なレベルだと思います。もっと効率化して、人間らしい暮らしをしましょうよ。
手書きの履歴書を廃止することのデメリットは、文字からその人の人となりを類推することがむずかしくなる点でしょう。文字ってけっこう人を表しますからね。
が、そんなものは個人情報が公開されていなかった20世紀の話であって、今となっては応募者のFacebookなりTwitterなりLinkedinを見れば、すぐに人となりを詳しく知ることができてしまいます。その人がどんな文字を書くかなんてことは、なんら問題になりません。
手書きの履歴書がなくならない理由
ではなぜ、手書きの履歴書は無くならないのか。
その理由のひとつは、履歴書を書かせている側が、あまりにも鈍感なためだと思います。これまでの慣習を変えるということに、頭が働いていないのでしょう。デメリットがあるということにすら、気付いていないと思われます。自分以外の大多数が手書きの履歴書をやめたら、ようやくデジタルに移行するのでしょう。
「パソコン入力は不誠実だ」という、信じられない理屈を唱える人もいるようです。小町にはこんな回答が。
手書き以外考えられませんね。私ならたとえどんなに優秀な履歴を飾られても採用しません。
まずは誠意。ぴぴっとプリントアウトして出しました見たいナ軽い気持ちで受けられているという印象を会社に与えます。
次に字面。普段から字を書いていない人間にロクな人はいません。そのあたりを見たい。いまどき履歴書を書く程度のPCスキルは誰でも持っています。わざわざそういうことをアピールする人は、あーその程度の人間なんだなと思われます。
履歴書ってなんで手書きなんだろ・・・ (4) : キャリア・職場 : 発言小町 : 大手小町 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
いやー、唖然としますね。3年前の書き込みなので、もう価値観は変わっているかもしれませんが…。こういう会社には絶対に入りたくないです。Excelのマクロで仕事を効率化したら怒られそうなレベル。
手書きの履歴書に憤る人材になろう
手書きの美しい履歴書を20分掛けて拵えて「ふー、よく頑張った!」と満足する人よりも、「なんでこんな無駄なことやらなきゃいけないんだ…デジタルでよくね?」と怒りを覚える人の方が、これからの時代にふさわしい人材です。
前者は「問題意識を持たず慣習に従う鈍感な人材」、後者は「常に問題を探し、常識を破ってでも、能動的に問題を解決しようする人材」ともいえるでしょう。ぼくは間違いなく後者と一緒に仕事がしたいです。
というわけで、いい加減やめましょうよ。みなさんのご意見お待ちしております。