こまきちのスケッチブック

ジャッジ達が、各エレメンツごとに＋３から－３まで７段階で評価する点数がＧＯＥです。
プロトコルを見て、ＧＯＥで色々数字が並んでいるけれど、どうしてこの得点になるのだろうと、疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
ＧＯＥは、各ジャッジが出した数字の最高点と最低点をカットし、残りの数字を平均して出されますが、大抵の大会では、数名のジャッジが『予備ジャッジ』という扱いになり、集計に加算されなくなります。
高橋選手のファイナルＳＰのスコアを見てみましょう。



まず、ジャンプを見てみましょう。
２段目の３Ａを計算してみます。
下の表も参考にしてみて下さい。
ジャッジは９名、この中で、２名のジャッジは『予備ジャッジ』でした。
ＧＯＥは、1 2 1 1 1 2 2 1 2 でした。
３Ａはプラスの数字はそのままの数で計算されますので、計算してみると、１が３つ・２が１つカットされている事が分かります。このうち２つの１は『予備ジャッジ』が出した数字で、ＧＯＥの計算には加算されません。残りの数字の中から最低点である１と、最高点である２がカットされ、残った数字を平均して、1.60というＧＯＥが算出されました。

もうひとつ、５段目のストレートラインステップを見てみましょう。
ＧＯＥは、2 2 2 1 2 2 3 1 3 でした。
レベル３のステップは+３は+1.5、+２は+１、+１は+0.5で計算する事になっています。
それぞれのＧＯＥと置き換えると、1 1 1 0.5 1 1 1.5 0.5 1.5 となります。
計算してみると、１（0.5）が２つ、２（１）が１つ、３（1.5）が１つカットされている事が分かります。
このうち１と２が『予備ジャッジ』が出した数字でした。これが計算から外れ、残りの数字の最低点の１（0.5）と、最高点の３（1.5）がカットされ、残りを平均して1.10というＧＯＥが算出されました。

下の表を見て分かるように、ステップとスパイラルは、レベルの取りこぼしがＧＯＥにも影響します。
全日本選手権ＳＰで、高橋選手がストレートラインステップでレベル４、ＧＯＥ加点３で、6.90という驚異の点数を叩き出しましたが、同大会のＦＰのストレートラインステップを見て分かるように、同じように+３が７つ、+２が１つという各ジャッジのＧＯＥ評価が出ても、レベル３の加点の最高値は1.5になり、4.80の点数になります。
レベルの取りこぼしをなくしていくというのは、こういう風に得点に影響していきます。
僅差の戦いになっていけば、この僅かと思える点数が勝利に結びつく場合もあります。