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消えた「食料自給率」の語 - TPP交渉参加表明の政治
疾風怒濤の反動政治が勢いよく進行している。自民党が衆院選に勝利した昨年12月、岸井成格などマスコミ論者は、安倍晋三は半年間は「安全運転」に徹し、経済政策だけに専念するだろうと言い、TPP参加も夏の参院選以降だろうと予想を述べていた。ところが、わずか3か月でTPP交渉参加に踏み切り、4月には「主権回復の日」の式典強行を決めていて、残るのは原発再稼働と憲法改定だけとなった。7月下旬の投票日まで4か月も時間があり、このままでは参院選の争点は改憲の是非になるのが必至だ。内田樹は、選挙後に安倍晋三の支持率は急落するだろうと予測したが、これも大きく外れ、時間の経過とともに逆に支持率は上がっている。日米首脳会談時の
記事
で論じたが、このTPP交渉参加表明は、米国の円安容認と交換取引の外交所産で、時期が前倒しになったのはオバマの強い要求によるものだ。当初、安倍晋三は最初の訪問先を米国にすると明言、1月にも気楽に訪米する構えだった。ところが、米側からTPP交渉参加を土産に持参するよう求められ、夏以降表明の
予定
が狂い、調整に手間取った結果、訪米日程を延ばさざるを得なくなったのである。が、安倍晋三はもともと強烈な新自由主義者で、TPPについても橋下徹と同じく積極論者だった。右翼の一部に勘違いがあるが、安倍晋三がどれほどTPPに猪突猛進だったか、今日の朝日の2面に
記事
がある。
マスコミは、NHKも、テレ朝も、朝日新聞も、全社が奉祝報道一色で染まっている。消費税増税のときと同じだ。週末に世論調査し、「支持が過半数」の数字を出すだろう。ネットでは、日本政府はすでに水面下で農産物の関税全撤廃を合意していて、聖域など最初からなく、密約を国内に隠しているだけだという情報が出回っている。事実だろう。昨夕(3/15)の
官邸会見
で、安倍晋三は、「すでに合意されたルールをひっくり返すのが難しいのは厳然たる事実だ」という言葉を発した。この指摘は、TPPに反対する立場の論者から警戒的に言われていたものだが、当事者で責任者の政府の長がこう断言したのは初めてで、少し驚かされる。つまり、安倍晋三と政府は、何らか「すでに合意されたルール」の存在と詳細を知っているのであり、利害関係者(特に農業者)に対して「覚悟しとけよ」と暗示しているのである。これまで、政治家やマスコミ論者は、早くTPPに入らないとルール作りに参加できなくなるとか、経済規模の大きい日本がTPPに入ることでルール作りを主導できるとか言っていた。しかし、年内の妥結を予定するTPP交渉に、日本が参加国から認められて入るのは早くて9月であり、日本がルール策定に何らか関与できる余地は全くと言っていいほどない。米国は最初からそういう戦略でTPPを動かしていて、TPPの協定締結の納期は、2011年末だったのが2012年末になり、さらに2013年末に延びている。
2011年11月のホノルルでのAPECで、オバマは苛立ちながらTPP協定の先延ばしをコミットした。1年ずつ先延ばししながら、加盟国を増やし、それでも協定文書をフィックスさせないのは、日本の参加を待っているためである。日本が加盟しないTPPなど何の意味もなく、アジア諸国に迫れる国際標準ルールにならず、経済圏と呼ぶべき実質を得ないからだ。米国の作戦は、ターミネートの刻限を1年ずつ延長しながら、会合を重ねてルールの中身を埋めて既成事実を固め、日本が入ったときに変更できないようにしつつ、日本に早く入れと圧力をかけることだった。もし、日米首脳会談で日本のTPP交渉参加を確実にしなければ、夏の参院選で波乱が起きた場合、再び(三たび)米国はTPPの締結発効を先延ばししなければならなくなる。米国からすれば限界点に来ていた。アジアの経済圏全体(特に東南アジア)を米国の秩序の下に置き、知財も投資も金融も、全ての法制度と運用を専制的に支配しようと目論む米国にとって、日本のTPP参加は今年がタイムリミットだったのだ。1989年に始まったAPECというのは、日本のわれわれから見れば、この地域の首脳が年に一回集まって記念撮影する形式的なお祭り行事だが、米国にとっては、躍進するアジア経済圏全体をTPP(的なもの)で植民地化して統制下に置くための、長い長い戦略的な道程だったと言える。米国は狡猾でストラテジックであり、「泣くまで待とう」の長期戦を遂行する。
昨日(3/15)発表された
試算
、GDPが10年後に3.2兆円拡大するという数字は経産省のものだ。農産物の国内生産額が7.1兆円から4.1兆円に落ち込み、3兆円減るという試算は農水省のものだ。農業生産は40%も減り、輸入農産物に置き換わる。昨夕の会見でも、安倍晋三が生出演したNW9でも、食料自給率という言葉は一度も出なかった。3年前(2010年)、菅直人が首相のときにTPPが突如降って湧いたように大問題になったが、そのとき以来ずっと言われてきたのは、食料自給率が40%から13%に激減するという
問題
であり、TPPが日本の食料安全保障にとって重大な危機だという点だった。今回、2月の日米首脳会談でTPP交渉参加に踏み切るという報道があってからも、食料自給率の議論が全くマスコミに登場しない。消えてしまった。3日前(3/13)の朝日の紙面(1面と7面)に、この件に関する
記事
が載っていて、少なからず衝撃を受けた。見出しに「食料、自給率より生産力」「農水省検討、TPPにらみ政策転換」とある。つまり、これまでTPP参加に抵抗を続けてきた農水省がギブアップし、経産省の軍門に下り、食料自給率の指標と概念もろとも政策を棄てると書いているのだ。カロリーベースの自給率計算をやめ、その数値に基づく政策立案をやめる。今後は金額ベースしか指標にしない。この決定があり、安倍晋三の会見も、昨夜と今日のマスコミ報道も、「食料自給率」をオミットした。食料安全保障という概念も消え、政策目標も消えるだろう。
国民の食料自給を安全保障の課題にせず、政府の政策目標としないという決定がされた。これが主権の放棄でなくて何であろう。まさに植民地従属の自己選択そのものだ。この政策転換は、農水省が独立した行政部署でなくなったことを意味する。経産省に従属する下部機関となり、経産省の通商政策の下請け(米国・TPPの孫請け)として農政事務を調整する機関となったという意味だ。農業政策は、今後はTPP(米国)から経産省に基本方針がダウンロードされ、それを経産省が農水省にダウンロードしという構造になる。農水省が独自に外国と通商交渉する権限と基盤はなくなる。3兆円という数字は、今後、関税撤廃で廃業を強いていく農家に対して、補償をしてゆく見せ金という意味のもので、これを農水省が配るから安心して廃業せよというメッセージだ。リストラした者に支給する早期退職金みたいなものだろうか。それを配り終わったら、農水省自身も用済みで、仕事がなくなる。日本の農業は、外資を含めた大企業が事業主体になり、外国人や日本人を低労賃の小作で雇用し、耕作と収穫を作業させる形態に転換する。農家が消える。家族の小経営ではなく資本による大経営になる。農協ではなく経団連の範疇になる。だから、経産官僚が所管するのだ。JA全中は解体されるだろう。農家を束ねる協同組合ではなくなり、株式会社化され、外資が入り、日本の大資本も入り、日本の消費者のために食料を供給するのではなく、金儲けのため、株価のために商品作物を生産するようになる。
さて、TPP参加を阻止することができるか。それはきわめて困難だと思う。少し前の私なら、こうやって阻止するという政治の設計や提案を具体的に記事にしたが、今はその意欲が起きず、このままだとこうなるという悲観を言うしかできない。観照しか書けない。1年半前、2011年の秋がTPPの政治の大きなヤマ場だった。私は輿石東の事務所に電話をかけ、加藤紘一の事務所に電話をかけ、TPP反対に動いてくれるよう秘書に請願し、その首尾子細をブログに上げた。読者にも同じ行動で続いて欲しいと訴えた。「TPPを考える国民会議」の事務局にも電話し、応対した事務局長を名乗る男に向かって、これをしろ、あれが足りないと説教と提案を言いまくった。あの「TPPを考える国民会議」は、山田正彦を顔に据えていたように、どうも農水官僚関連の筋ではなかったかと私は疑っている。電話での応答の口調を聞くかぎり、本気でTPPを阻止する気概を持っているようには感じなかった。今、ネットを見ても、当時と同じく、TPP反対派の声が圧倒的に多い。そして、今のネットも、流れている情報は1年半前とほとんど同じだ。「TPPは農業だけじゃない」、「恐いのはISD条項だ」、「ラチェット規定がある」、同じ情報が何度も何度もループしている。昨日(3/15)、議員会館前で何人かの議員が
抗議行動
をして、それをテレビが撮っていたが、1年半前以上に弱々しく、嘘くさく、選挙用のパフォーマンスに見えた。
徳永エリ
は参院議員で7月に選挙だ。この議員は野田・前原系(反小沢系)で、1年半前は真面目に反対運動などしていなかった。
一つだけ言っておくと、マスコミなどによく登場する「農家の中でもTPPに賛成派」というのがあり、果実やコメなどを作り輸出で成功したり、販路を広げて事業を拡大している農業法人が紹介される。こういう事例を出し、農家の中でも既得権益にしがみつかず、新しい挑戦をして成功している者もいるなどと言って褒め称えられる。その裏返しで、日比谷公園で反対集会をやっている農民たちが、マスコミに愚弄されたり罵倒されたりしている。竹中平蔵の子分だった、古賀茂明や高橋洋一などの、ネオリベ原理主義の元官僚に叩かれている。バカな視聴者向けの洗脳プロパガンダだ。しかし、現実に農地法が改定され、JAが解体され、農業生産に大資本が入り、それが常態化した暁には、彼らこそが真っ先に駆逐され陶太される運命になるのだ。今だからこそ、その知恵と工夫はモデルケースとして言い張れるのである。大資本が農業経営の主体になったとき、彼らは単なる中小零細企業である。先駆者ではあるが、競争力のない、資本力のない零細企業にすぎない。
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by
thessalonike5
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2013-03-16 23:30
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暴走する安倍晋三と右翼日本 -... >>
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カプリコン
at 2013-03-16 20:17
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農業をしている知人にあった時に「原発の保証金だか何だかで、金を積まれて農業をやめていくやつ近くでも増えてきているんだ。俺は選挙、自民党に入れなかった。民主も信用できないけど、自民はもっと信用できない」と話していました。彼は別に政治的にどちらかに偏っている訳でもなく、「TPPやられたら農業やってられね。終わりだ。」と会うたびに話をしています。
今日の日報のトップも「TPP交渉参加首相表明」と言う見出しで、「農林水 試算3兆円減」と書かれています。安倍晋三「日本の農業、食を守ることを約束する」と言っていますが,今日のブログにあるように嘘っぱちでしょうね。
小学校の社会科、5年生では食料生産を扱う単元もあります。石川遼が日本の「食料自給率をあげよう」という農林水産省が作成したCMを使った授業を見た記憶があります。
南京大虐殺の問題もですが、地理までも全く子どもたちに教えていることと真逆なことを平気で今の政権はしています。筋の通らないことばっかり。
『日本は、太平洋戦争で敗北ののちは、(狡猾な)アメリカによる傀儡政権が立てられ、中国との無謀な戦争に負けて・・。』
となるのでしょうか。悪夢ですね。
Commented by
ろうのう
at 2013-03-17 00:38
x
三橋貴明と在特会は旧自民穏健派の正当性を安倍晋三にかぶせようとしてるんだろうけど、安倍晋三と旧自民穏健派はこれっぽっちも関係ないだろう。もう縁もゆかりもないだろう。
もう理屈はいいや
あの顔をみよ あの顔を
あの顔が旧自民穏健派みたいな大人の政治家の顔か
同じようなことばっかり繰り返してすいませんでした。
Commented by
長坂
at 2013-03-17 03:15
x
10年間でGDPをわずか0.66%上げる為に、農林水産物の40%を消滅させるってことは、、、失業した4割の人達は、福島での被曝作業、海外出稼ぎ、国防軍。Viva "真の右翼” !
Commented by
トロッチー
at 2013-03-17 13:11
x
TPPはアジアをアメリカ基準にしようとする米国の
戦略で、その上の戦略を構想できる人間が官僚にも
今の与野党にも居ないということだ。
自民党は国益が損なわれるなら加盟しないとしてるが、
アメリカの言いなりになるのが、保守政党の歴史だった
ことを考えればアメリカの経済戦略下に組込まれるだろう。
しかし、TPPに加盟してから不平等条約への反発世論と、
アメリカのTPP戦略を超える構想が出てこないとは言えず、
それらが出てくることに期待してもよいだろう。
Commented by
十二歳少年精神
at 2013-03-17 14:31
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信無くば立たず、の逆だ。人に真言が無い。嘘言ばかり。ウソ公約でウソ選挙、ウソ反対でウソ報道。ウソ裁判もある。なぜ何時から如何してそうなっているのか。私達はそれを許しているのか。誰と誰の妄動を許しているのか。私達は止めないのだろうか。
アベは、ウツ向きながら、心無い作文をぺらぺらをしゃべ繰った。TPP参加表明会見で「わがくにはいつしかキムチシコウがぁー・・・」と言っている。「日本をトリモロス」?、確かに日本を獲り戻したのはあの国のあの勢力だろう。アベの猪突猛進の立役者「スタッフのメムバー」は、粗忽“盲信”の教徒、ネットウヨの安倍信者とマスコミとを操縦成功しているかに見える。彼等にとって「日本国家」であるよりも自分達が日本属領の御代官様であることの方が大事なのだ。幕末明治期に創られた「日本精神」
Commented by
十二歳少年精神
at 2013-03-17 14:33
x
創られた「日本精神」という「共同性」は奪胎されている。これから核汚染と経済混乱とで何百万人死のうがカンケーネーの「精神」が彼ら内部で腐蝕共有しているだろう。海外仕込みの洗脳装置か?「国賊「売国奴」この語は戦前の「国家主義右翼」が造った語だろうが、それに対応するような語が「左翼」や「リベラル」にあるだろうか思いつかない。今「右翼」と「保守」が国を売っている(一部に過ぎないとの批判も承知)。日本人の精神史として解明できるだろうか。
丸山や司馬なら何と分析したろうか。
敗戦後とはそういう進行過程であったと結論仮定しておこう。つまり、「日本人」なるものの感情意識精神が馴致改造されつつある過程。「国民国家」が虚構であるよと(彼ら多国籍企業支配)によって否定される到達点の今日と、死屍累々の未来。
ではその否定、腐敗を突き抜けるうましあしかびひこちは何如にして可能か。
そのための前提、嘘言政治と嘘言‘思想’、嘘言テクニックは何でありどう日本人に対して施術適用されたのかの分析が必要だ私も取り組もうと、拝読して感想を抱きました。
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