渋谷駅「迷宮」にも「隠れた秩序」3月16日 19時27分
東京の渋谷駅では、半世紀にわたり親しまれてきた東急東横線の駅が営業を終えて地下の新しい駅への引っ越しが行われ、16日の始発から地下鉄・副都心線との間で直通運転が始まっています。
渋谷駅は、その複雑な構造から「迷宮」とも呼ばれていますが、実は、人の流れに「隠れた秩序」が存在してきたとする研究もあり、専門家は、今回の駅の移転などで人の流れがどう変化するのかも興味深いポイントだと指摘しています。
昭和女子大学環境デザイン学科の田村圭介准教授は、イタリアのローマやアメリカのシカゴの人口に匹敵する300万人もの人が、毎日、渋谷駅をどのように利用しているのか解明しようと、駅内部の模型を作り、人の流れを分析してきました。
田村さんによりますと、地上3階から地下5階に及ぶ渋谷駅では、従来、乗り換えルートが、最短のものだけで128通りに上りますが、それらをすべて重ね合わせると、2つのリング状の動線が浮かび上がってくるということです。
ひとつは1階部分だけを回る人の流れ、もうひとつは階段を登り下りしながら立体的に回る人の流れで、多くの人は無意識のうちにこの2つの流れに乗りながら、途中で出たり入ったりして、乗り換えをしているということです。
また、迷っている人も、知らず知らずのうちに、この2つのリングを巡っているということです。
田村さんは「2つのリング状の動線が『隠れた秩序』になっていて、渋谷駅が多くの人をさばくことができる理由になっている」と話しています。
一方、渋谷駅が大きく変わることについては、「時代を経ながら増殖するように少しずつ積み重なってきたものがなくなるのは寂しい。しかし、渋谷駅が変わっていく過程や、新たな人の流れがどうなるのか興味深く楽しみだ」と話しています。
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