大規模災害や国連平和維持活動(PKO)などでの活用を目指して、防衛省が「無人機」の研究開発を急ピッチで進めている。
人間に代わって危険地帯での任務を黙々とこなすとあって、米国など主要各国が開発にしのぎを削るが、日本は予算不足から大きく立ち遅れている。
地面に置かれたソフトボール大の球体が真ん中から左右に割れ、中からカメラが現れた。車輪で動き回りながら周囲の様子を撮影し、画像を電波で送信する。
同省技術研究本部(技本)が2007年度から独自に研究を進める「手投げ式偵察ロボット」だ。テロ組織が立てこもる建物に投げ込み、内部の様子を撮影する用途などを想定。6年かけて重さを4分の1(670グラム)にしたほか、3メートルの高さから落下しても耐えられるよう改良を重ねている。
四輪駆動車を改造した「陸上無人機」の研究も進む。原発事故や紛争地帯での偵察や物資輸送を念頭に、周囲をセンサーで確認しながら時速約60キロで走行できる性能を目指す。