ブドウを積んだ大型トラックがカーブを曲がりきれず横転するという事故が起きた。事故を聞きつけた付近の住民はすぐ現場に向かったそうだ。運転手を救助するかと思いきや、なんと積荷のブドウを強奪。中にはわざわざ車で乗りつけた者もいたという。

事故が起こったのは現地時間9月5日の10時頃。場所は内陸部の甘粛省蘭州市だ。かけつけた中国メディアによると、現場は大型トラックが倒れており、周りには空箱やブドウが散乱していたという。

車を運転していたのは王さん。王さんによると蘭州市の高速道路を走行中、カーブにさしかかった際、突然ハンドルがきかなくなり横転してしまったのだそうだ。スピードはそんなに出ていなかったそうだ。

王さんは命に別条はなかったものの、積荷の3300箱のブドウは道路に投げ出されてしまった。それだけでも不運である。しかし王さんの不運はそれだけに終わらなかった。

なんと事故を聞きつけた付近の住民が押し寄せてきたのである。目的は道路に散らばったブドウだ。思い思い袋につめたり、箱ごと自転車やバイクの荷台に載せて持ち帰ったり、ひどいものだと車で乗りつける者もいた。また、家族や友人にブドウを持ち帰るのを手伝いに来るよう電話をする者さえいたそうだ。

「人が多すぎてどうにもならなかったんだ……」王さんは必死に止めようとしても無駄だった。通報後、駆けつけた警察も強奪行為の制止にかかったが多勢に無勢。誰も話など聞かずブドウはほとんど持ち去られてしまった。被害額は30万元(約370万円)だ。

この手の事件は度々起きている。そのたびに国内で批判が巻き起こっている。人を不幸にしてまで得る利益とは何なのだろうか。なお、王さんは「これじゃうちは破産だ」と涙をこぼしながら話しているそうだ。

参照元: 網易新聞(中国語)