資料館について | 資料館について |
〈資料館の概要〉 在日韓人歴史資料館は、在日コリアンに関する各種資料を収集・整理し、それらを展示・公開することを通じて、在日の歴史を後世に伝えていくことを目的としています。 「資料館」は個人の信条や所属団体、あるいは国籍の如何にとらわれずに、あくまでも客観的な視点から在日コリアンの歴史事実を集めること、すなわち史料中心の立場をとるという基本理念に基づいて出発しています。世界各地で使われている「韓人」という名称を館名に取り入れたのも、そうした当館設立の趣旨にあわせたものです。 「資料館」に集められた生活用具、写真、文献、図書、映像などは、在日コリアンが苦難の中にも誇りを持って歩んだ道のりを伝える貴重な資料といえます。また、日本社会において在日100年の歴史を見つめることは、多文化共生社会の実現に寄与するものと信じています。 〈館長あいさつ〉 みなさま、ようこそ在日韓人歴史資料館へ。 在日韓人歴史資料館 姜徳相館長 在日韓人歴史資料館は多くの方々のご協力を得て2005年11月24日に開設されました。それは植民地期に渡日した一世の世代がほぼ終わり、二世、三世への世代交替が進み、歴史の風化が問題となっていたときでした。 そのため当館は、在日の歴史を後世に伝えていくことを設立の目的としました。 どこの家にもあるアルバムのセピア色の写真、白や亜麻色の民族服、華やかな婚礼衣装、真鍮(しんちゅう)製の食器、洗濯棒に砧(きぬた)、どぶろく、キムチのかめ、一風変わった工具や飴売り用のハサミ、古鉄屋の秤(はかり)など、同胞の押入や物置にあった「ガラクタ」ばかりですが、それは在日韓人の苦難と誇りに満ちた立派な歴史資料なのです。 展示を見る同胞は多様な「在日」を実感することでしょうし、日本の方々は見えなかった別の社会が存在することを知ることでしょう。展示室を30分見学されれば1冊の書物を読むに等しい知的体得をされると思います。今後とも当館に関心と期待を寄せて下さいますよう、心からお願い申し上げます。 〈館長プロフィール〉 1932年慶尚南道に生まれ、二歳で家族と来日。早稲田大学文学部卒業、明治大学大学院博士課程満期修了。一橋大学教授を経て滋賀県立大学名誉教授。著書に『関東大震災』(中央公論社、1975)、『朝鮮独立運動の群像』(青木書店、1984)、 『朝鮮人学徒出陣-もう一つのわだつみのこえ』(岩波書店、1997)、『朝鮮三・一独立運動』(呂運亨評伝1、新幹社、2002)、『上海臨時政府』(呂運亨評伝2、新潮社2005)、『錦絵の中の朝鮮と中国』(岩波書店、2007)、編著に『現代史資料』(朝鮮1~6、みすず書房、1963~76)などがある。 〈在日韓人歴史資料館沿革〉 2005年11月24日 在日韓人歴史資料館、東京港区に開設。(常設展示室・図書室・セミナー室) |