「リーダーシップ」は
学ぶことができるのか?
かつて米国のビジネススクールに留学し、MBAを修めて帰国した友人に、「おもに何を勉強してきたのか」と聞いたことがあります。その時に「リーダーシップ」という答えが返ってきて、当時の私は鼻白む思いがしました。リーダーというものは、圧倒的な実力を持った人か、あるいはいちばん組織に貢献している者が、自然とその座に就くものだと思っていたからです。いくらリーダーシップについて勉強しようが、実際にリーダーになれるとは限らない。そう思っていました。
しかし時を経て、私自身が編集部を率いる立場になったとき、リーダーが果たすべき役割について自分がいかに無知だったかを思い知らされました。それまでの上司を見習ったり反面教師にしたりすることはあっても、「自分はどんなリーダーになりたいのか」ということを真剣に考えたことがなかったのです。
世の中には「生まれついてのリーダー」もいるでしょう。ふだんから「自分がリーダーならこうする」と考える習慣を持ち、いざリーダーに任命された時にはしっかりと準備ができているようなタイプです。しかし現実には、いきなり指名されて、慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。そう考えると、若いうちにリーダーシップについて勉強しておくということは、決して損なことではないのかもしれない。遅まきながらそんなことに気づかされ、あの時、無礼な態度を取って申し訳なかったと、心の中で友人に謝りました。今月の巻頭特集には、私のそんな苦い思いも詰まっています。
編集長 冨倉由樹央
ハーバード・ビジネス・スクールやペンシルベニア大学ウォートン・
スクールといったトップクラスの名門には、世界中から優秀な学生や
ビジネスマンたちが集まってくる。
彼らが高額な学費を払うのは、単に最新のビジネス理論を学べる、
あるいは就職や転職に役立つMBAを取得できるから、といった
理由によるものではない。
超一流の講師たちから「人生に対する姿勢」を学ぶことができる──
その経験が何物にも代えがたいのだ。
世界のエリートが集まる教室ではどのような「人生戦略」が
教えられているのか?
さあ、誌上講義を体験してみよう。
新しい製品やサービスが簡単に〝コモディティ化〞していく
現代社会では、個人にしても企業にしても、周りに差をつける
アイディアが常に求められている。
では、私たちは「発想力」を鍛えるために、いったい何をすべき
なのだろうか。社会に〝衝撃〞を与えている人たちの
創造のプロセスから、そのヒントを探ってみよう。
ニュースで報じられる世界を見ているだけでは、わからないことがある。
本当に重要なことは、選ばれた者たちだけが集う密室の中で決まることが
多いからだ。古い歴史を持つ闇組織から、富豪御用達の会員制クラブまで、
〝秘密の扉〞の向こう側へ──。
ムッシュ・クーリエは、
フランス生まれ日本育ち。
世界のニュースが大好きな、
ちょっと変わった猫です。
たまに出てきて
読者のみなさんに何か
言ったりしますが、
基本的に気まぐれです。
だって猫ですから。
Monsieur Courrier
ムッシュ・クーリエ