
里帰りを前にラストランを披露する岡電の路面電車
2011年夏を最後に一線を退いていた岡山電気軌道(岡山市北区岡南町)の路面電車(1両)が17日から4月7日まで期間限定で復活し、40年余り走り続けた岡山市でラストランを披露する。生まれ故郷・栃木県日光市への“里帰り”を今秋に控え、市民らに別れを告げる。
1953年に栃木県で製造され、日光市の東武鉄道日光軌道線で活躍。廃線に伴い購入した岡電が69年から使用、2008年からはタータンチェック柄を施した「おしゃれ電車」としても親しまれたが、新型車両に道を譲り、昨年6月、日光市の観光施設への無償譲渡が決まった。
ラストランは、黄緑地にオレンジのラインが入った日光軌道線時代のカラーリングで登場し、4月6日までは東山線を1日5往復。同7日は午前10時から東山車庫(岡山市中区徳吉町)で「さよなら出発式」を開き、東山線と清輝橋線を各2往復、午後1時半から記念撮影会を行う。
岡電によると、新型車両の導入により次第に出番が減少。11年に事実上引退したが、セレモニーなどは行っていなかった。「通勤・通学や買い物客の足として長く活躍してくれた車両。最後の雄姿を見てやってほしい」としている。
同社は4月1日午前10時から、東山車庫で7日の乗車券と記念キーホルダーを販売。運行期間中に撮影した写真コンテストも計画している。
(2013/3/16 12:14)