日曜日の夜6時から放送される「真相報道バンキシャ！」の総合演出を担当しています。一週間に起きるたくさんのニュースの中から皆さんの最も関心の高いニュースを選び、深く掘り下げ、しかも他のニュースには無い切り口で番組を仕上げるのが自分の仕事です。雑誌でいえば「編集長」といった所でしょうか？

9年目に突入したバンキシャですが、今では時折20％を超える高視聴率番組に成長しました。その秘密は簡単です。視聴者の皆さんに支持されているという事です。私たちは視聴者の「なぜ？」や「どうして？」の疑問に分かりやすく伝えるため異常なまでの熱意を持っています。政治や経済の難しいニュースは日々の報道番組では伝わらない事があります。それをいかにウマく興味を持ってもらえるように伝えるかが総合演出の「腕の見せ所」です。

例えば、カメラの撮影が難しい政治の裏の動きを伝えるために「ドラマ」を制作することさえあります。また量販店で起きた大規模火災の原因を究明すべく丸ごと店舗を再現し本当に燃やしてしまったり...（消防関係者も感心したほどの再現実験でした）。こうしたニュースを分かりやすくする工夫が視聴者の皆さんの支持に繋がっているのだと思っています。

この仕事をしていて、気持ちがピークに達するのは、月曜日の朝9時と決まっています。なぜなら、それが前日の視聴率が出る時間だから。そこで、「やった！これで苦労が報われる」と思うか「どこがダメなんだ」と、すぐ反省を求められるか。20％なんていう目が飛び出るような数字を見たりすると、その気持ちはとても言葉にできません。

この世界をめざす学生の皆さんは、優秀な成績よりキラッと光る１ポイントを、人には負けないエピソードを、作っておくべきだと思います。

私自身は、この先、「やっぱりニュースの演出はあの人だね」「この企画は中澤さんでしょう」と言われるような、ニュースの「マイスター（職人）」をめざしていきたいと思っています。