婦日の寝不足日記

僕の身の回りでは毎日のようにテレビドラマさながらの出来事が起きます。
その全てを記す事はもちろん出来ませんが、どうしても漏れ出してしまう僕の心の声を聞いて下さい。
僕には語りたいことがあまりにもたくさんあるのです。

                                                           
2013年03月16日
島取県を作ればOK
 そんなに幸運な夜が続くわけも無く、昨夜は就寝時に2件の経過中の方が残ってしまった。丑の刻を跨いで2件の分娩が続き、就寝時間は大いに削られる。しかも分娩待ちの時間についついDVD鑑賞してしまっていたのが響き、今日はできたら避けたい土曜日寝不足外来だ。幸い土曜なので午後から手術は無い。午後の昼寝を楽しみにもう少し仕事をがんばろう。

 さてここの所のニュースで話題になるのに、衆議院の一票格差是正の問題がある。この前行なわれたばかりの総選挙が彼方此方の高等裁判所で次々と違憲判断されている。おそらく最高裁判所でも遅かれ早かれ違憲と判断されるのだろう。
 前回選挙に続き2回連続で総選挙が違憲判断されている訳だから、司法も国政に随分と舐められたものだと思う。日本では三権分立がきちんと為されていないと、海外から評価されても仕方が無い事例だ。

 という訳で今、国会では選挙制度改革論議が進められている。また次の選挙が近づくと定数是正なんて出来なくなるだろうから、とにかく早めに様々な選挙制度法案を通しておかないといけない。
 しかし実際には、比例区をいじり制度がますます分かりずらくなる案ばかり百出して、さっばり選挙制度改革は進まない様だ。自分の事は自分では決められない。それは選良と言われる国会議員でも同じなのだなと良く分かる。

 さてさてちょっと考えて見れば、違憲判決されているのは一票の格差である。そして国会議員数をこれ以上増やす事はありえない。比例区はただでさえ分かりずらい制度なのに、これ以上分かりずらくするのはダメだ。
 そうきちんと考えると、しっかりした改革には小選挙区で最も一票が重い場所の票を軽くするしか他に方法は無いとなる。

 つまり一番良いのは、一番票が重い鳥取県の国会議員を一人にし、後はそれに合わせて数合わせをする事だ。県跨ぎの区割りがダメならそれしかない。そうすると国会議員の人数は減るし、分かりやすくて公平だ。しかしそうなると今度は国会議員の人数が減りすぎる事が問題となるかもしれない。僕はそれで良いと思うが、政治家の失業者が大勢出るのも考えものだ(かな…)。

 それなら次に良いのは、島根県と鳥取県を一つの県にして、そこから3人の国会議員を出す事にするのが良いのではなかろうか。そうすると議員数も丁度良さそうな数字になる。島根や鳥取は人口も面積も他に比べて圧倒的に小さすぎる県だ。
 大阪都構想も良いが、ついでに島根鳥取合併案を僕は唱えたい。新しい名前は島取(しまとり)県が良いだろう。島根のあの島の問題にも通じる良い?名前だ。
 そんな事を寝不足頭で考えるが、案外すごいグットアイデアだと思うのは僕だけだろうか?
2013年03月15日
1年後と20年後と50年後
 昨夜も落ち着いた夜となり、夜中に起される事無しで済んだ。スケジュール表を見ると、3月後半はかなり忙しくなる予定だ。休日も少ない。最近は割と夜に寝れていて助かっているが、その分これからしわ寄せが来そうで何だか怖いと思う。

 さて話は変わり、昨日のお昼のワイドショーで樹木希林の全身ガン告白が話題になっていた。日本アカデミー賞授賞式において「次回プレゼンター役を頼まれても、全身ガンだから来年の仕事は約束できない」と話している。この時代に1年後の事は誰も分からない訳だが、ともあれ全身ガンであっても、痛みも無く、頭脳明晰である事は有る意味目出度い?んじゃないかなんて思う。

 さてさてそれでも樹木希林さんは思っていたより若くて、未だ70歳だと言う。70歳でガン死というのは今時レベルでは比較的早世に当る感じだ。しかし人間の本来の寿命はせいぜい50年くらいだと言われている。
 最高の権力を手に入れ、ありとあらゆる富を用いて永遠の生命を求めたという始皇帝ですら50歳に満たない年で死んでいる。そう思うと70歳で元気ならば、それだけでハッピーなのかもしれない。

 ともあれワイドショーでは、樹木さんの慌てず騒がずマイペースぶりが大いに話題になっていた。あれだけ落ち着いていられるのは僕も見習いたい。僕もあと20年もし生きられれば70歳になる。20年前の30歳で精巣ガンを経験した身でもあるし、僕も何時かガン死する可能性が高いから、今の内から諦観心を鍛えておきたい。

 そういえばガン治療の世界では5年生存率という言葉が治療効果指標として良く使われている。5年生存率80%と言えば大抵大丈夫と多くの人が考える様だ。
 しかしもしも世間に50年生存率という言葉があれば、今これを読んでいるほとんどの人で、その数値は限りなく0%に近くなる。そう思うと樹木さんのマイペースぶりが、僕には実は当然に思える。
 来年の仕事の事を考えられない身となっても、それはそれで遅かれ早かれだけの違いなのかもしれない。働き盛りの誰もが50年生存率は0%だろうから、それでもまた今日の仕事にただ励む。そういうのが多分正しい態度なのだろうと思う。
2013年03月14日
気になるのは北
 山スキー後の手術と分娩と外来、及びその他諸々で昨日も疲れきってしまった。幸いな事は夜中に分娩が残らなかった事で、朝まできちんと爆睡できる。しっかり寝れて幸せな気分だ。
 さて話によると何でも今日はホワイトデーでバレンタインのお返しの日らしい。不義理な人間らしく不義理しようと思っているが、周囲柵の中でそうも行かない事情?もあり、完全無視という訳にも行かないようだ。ともあれこんな悩み事?は平和な世の中の象徴と言えると思う。

 ちょっと離れたお隣の朝鮮半島では、どうも今大変緊張した状態になっているらしい。韓国の首都ソウルは驚くほど38度線に近い場所に有る。今や韓国は世界市場で嫌と言うほど存在感増している国だ。そんなお隣の国が核戦争に一瞬触発の状態に置かれているなんてやはり大変な事だ。

 半島の緊張が高まっている最大の理由は、北の核実験を契機にして行なわれた国連経済制裁にあるらしい。世界から孤立して、海外資産を凍結され、資源がジリ貧となり、追い詰めれらた末に奇襲戦争を起こすと言うのは、日本が70年前に辿った道である。今北朝鮮は核とミサイルを持っているという事を考えると、これは結構どころか相当に怖い。

 70年前の日本は乾坤一擲の空母船団と準備訓練されたゼロ戦戦闘機隊でパールハーバーを奇襲した訳だが、今の北朝鮮にそこまでの準備は必要ない。多分後ちょっと核実験するだけで、ソウルや東京に核を落せる様になるのだろう。これは困った事だ。
 70年前に無くて、今有る希望の星は、世界中隈なく見張っている軍事偵察衛星な訳だが、偵察衛星による監視でどの程度北朝鮮の奇襲を予測する事ができるのであろうか?所謂世間の軍事専門家予想というのは、とっても良く外れるのでやはり心配だ。

 そんな感じで北朝鮮の同行が心配で心配で、ホワイトデーどころではないぞ…なんて事を思っている僕なのであった。
2013年03月13日
ポンチャンの季節は終わってました
 昨日の手術をソツなく終えると、今日の昼までセカンドコールだ。近場の雪が消えてしまう前に少しでも豪快スキーを楽しみたい。天気予報は昼から雨だから、朝活山スキーにはちょうど良いだろう。しかしその一方昼からは手術諸々沢山の仕事が待っているので、あまり疲れ切らない様にも気をつけなければならない。

 何処に行くかが迷う所だが、近くて早くてかつ豪快に楽しめる場所となると、そう沢山の選択肢は無い。という訳で先週水曜日の豪快パウダーの感触が余りに素晴らしかった三方崩に再度向かう事にした。今回は弓が洞沢右俣を詰めて左俣の急斜面を滑降してこようと狙いを定める。
 この1週間の高温でパウダーはもうすっかり消えてしまった。しかし気持ちが未だ粉雪を求めている。多分外れるだろうと知りながら再度ポンツーン189cmの板を持ち出して未だ真っ暗な時間帯に歩き出した。

 案の定粉雪はすっかり消えていた。最初からガチガチ斜面ばかりが続く。お陰でその分く登れて、明け方には右股を詰めあがっていた。しかし今日もまた天気は悪化傾向だ。日曜日に続き再びほとんどホワイトアウト状態となる。
 これでは滑降も楽しめないし、あまり無理すると危険でも有る。どうせ粉雪は消えていると思うとモチベーション上がらず、天気の悪くなる前にサッサと右股を滑降してしまった。

 斜面はとても広くて快適だったが、残念なのはガチガチ斜面だった事で、テレマークの太板ではあまり滑降は楽しめなかった。それでもそれなりに爽快感を味わって国道まで一気に下る。まだ外来が始まる前の午前8時半には医院に戻っていた。要領良く標高差1000m以上の豪快滑降を楽しめたのは良かったが、既にポンチャンの季節は終わっていたのが寂しい。
 189cmポンのお陰で今年は様々な素晴らしいパウダー滑降を楽しめた。また来年まで粉雪はお預けとなりそうだが、また別のスキーの楽しみを別の板で探れれば良いと思う。

国道から一直線で標高差1200m近くというのは貴重だと思う


朝のガチガチ斜面を詰め上がる


右俣下部は一箇所滝が開いていたけど、今週末はまだ多分大丈夫だと思う。上部はかなり広い
2013年03月12日
日本人はロジが苦手
 昨夜は平和な夜となり、夜中に起される事も無く朝まで寝て過ごすことが出来た。今更日記に書く事でもないが、今日も外来手術と忙しく働いている。

 さて昨日でちょうど大震災2年目となった。地震と津波で亡くなられた2万人の方々にとって昨日はちょうど3回忌に当る。列島が震撼し、日本が滅亡の崖っぷちに立たされたあの日から、まだ2年しか経っていないなんて何だか不思議だ。
 日本人と言うのは過去に何度も壊滅的打撃を克服してきた。そのためだろうが、他民族と比べて復興力は強い。また同時に悲惨を忘れる能力にも長けていると思う。あの壮絶な瓦礫の山も、真偽はともかくその半分近くが既に片付けられたらしい。

 さてさてテレビでは幾つもの震災復興関連報道がなされていた。津波報道や映像は、子供に対するトラウマ対策だろうか、多分自主規制?でかなり少なめに放送されている。
 その一方でやはり気になるのが、今でも悲劇が続いている福島原発事故だろう。電源喪失後の現場と東電と政府の混乱は想像を絶していたらしい。

 驚いた事にもしも12ボルトのバッテリーが原発現場にすぐさまきちんと届いていたら、各炉のメルトダウンは防がれていた可能性が高いと言う。12ボルトバッテリーなんて日本国中のオードバックスで腐るほど売っている。震災直後の混乱はそれは相当だったのだろうが、それにしてもメルトダウンで放出された放射能の量、及び失われた国土国力の事を考えると、なんて勿体無い無様な話だと思う。

 思わず後方支援一切無いまま、前線にひたすら投入された太平洋戦争の兵隊の話を思い出した。兵站の船や潜水艦も無いのに、南方の各島やビルマ奥地にばら撒かれた日本軍人は、その多くが餓死した。
 日本人は事に対してストラテジーはあるが、タクティクスやロジスティックス(説明は省略)を持たないと聞いた事が有る。後方支援がダメなのに、前線にだけどんどん物流や人を投入するのは日本人の悪い癖だ。僕も過去の砂漠の海外遠征で、同様の痛い思いをした事が有る。大事なのは前線よりも後方の兵站なのだ。
 福島原発事故対応に、ただ徒と特攻やバンザイ突撃を繰り返した戦時中の話を重ねた人間は、僕だけではないに違いない。
2013年03月11日
311には確定申告
 大ベテランの代務先生は夜間色々大変だった様だが、有難い日曜夜を僕はぐっすり寝て過ごす事が出来た。お陰で山スキーの疲れも残らない。
 今日は午後から手術も無い。外来処置が終了すると、医院は落ち着いた状態になってくれた。これは今日こそ確定申告に行かないといけない(今日を逃すと水曜午前がラストチャンスだったけど、そうすると山スキーに行けない…なんて不遜な事も思う)。

 高山税務署は土日休みなの(今でも全国そうかな?)で、とにかくこういう落ち着いた時間はチャンスだ。急いで書類をまとめると文化会館の申告会場に急いだ。予想通りに会場は大混雑だ。大活躍の職員さん等の力を借り、何とかきちんと会場内でパソコン申告を済ます。

 多少税金上がっても気持ちよく税金納めるのには、ちょうど震災2年目の今日は有る意味良い日だと思う。今年から復興増税がかかるとかそんな話が色々あったので、税金はかなり上がるんじゃないかと思っていたのだ。
 とはいえ税金の金額は例年と変わらない印象だった。後から住民税その他諸々がドンと請求されるのだろうが、ともあれ気持ちよく納税?できて良かった。

 会場から出るとちょうど震災が発生した時刻で、彼方此方でサイレンが鳴り黙祷が行なわれていた。地震が起きてから津波が襲うまでの約45分程の行動で、それこそ何万人という多くの人の生死が分かれた訳だが、その事実を思い出すたびにお金で済む事ならそれはまだそれで随分とマシな事なのだと思う。
2013年03月10日
頂上の代償は
 土曜外来を終えるとセカンドコールに回れる。天気は何処までもってくれるか分からないが、この山スキーハイシーズンを見逃す訳にはいかない。近場限定山スキーに今日も出動だ。
 目指すは水曜日に素敵な滑降を楽しめた三方崩にした。今回は弓が洞側ではなく大ノマ谷滑降を目論んだ。標高が比較的低いこの山は旬の時期が短い。その代わりに時期を上手く当てれば最高に楽しめるに違いない。

 という訳で大白川のゲートにスニーカーだけデポすると、平瀬の道の駅向かいの尾根を登り出す。予想以上に広くて登り易い尾根にペースは上がった。しかし想定通り頂上付近の尾根は急峻でしかも雪面が彼方此方で崩れそうだ。
 しかし今日は天気が悪い分、気温が上がらなかった。雪面も比較的安定している。途中で板はデポしたが、つぼ足トレースにも助けられて首尾よく頂上まで至る事が出来た。

 とはいえ天気の悪化は予想以上に早かった。頂上付近では霰がポツポツと降り出し、ガスが湧いてきた。これはいけない視界が無くなってしまう。大急ぎで板のデポ地点まで戻ると、シールを剥がして大ノマ谷の急斜面に飛び込んだ。湿雪だがそれでも十分滑降を楽しめる。ただこの数日間の好天で下部はデブリランドと化していた。やはりこの山は旬の時期が短い。

 大白川の林道に降りた辺りから雨粒が大きくなってきた。ゲートから道の駅までの徒歩移動中に本降りになってくる。ギリギリ車に間に合ってズブ濡れにならずには済んだが、それでもそれなりに濡れる。
 yasuhiro先生に勧められて、今年買ったばかりののピカピカマムートヤッケが黄砂交じりの雨でビショビショだ。頂上往復を諦めてトットコ滑降していたらビショ濡れにはならずに済んだだろうが、これも頂上の代償だと思えばまあ仕方ないのだろう。

今日の行程。トレースに助けられて今回は頂上を往復できた。


朝のうちは良さげな天気だったのだけど…


新品?ヤッケがビショ濡れダー
2013年03月09日
これからのE診療
 雪解けが進んできたせいか、2月のしわ寄せが今になってきたのか、ジワリと毎日が忙しい。昨夜も分娩と外来が重なり、夕方外来最後の方が終了したらもう午後9時だった。何だか疲れて晩御飯もあまり喉を通らない。ビールとチーズとポテトチップを食べてとっとこ寝てしまった。食べるのも碌なものでないが、とにかく寝ないと疲れが取れない。代務先生のお陰で夜中に起される事は無しで済んだ。今日も忙しい土曜外来だが、週末山スキーをニンジンにして、もう少し頑張ろうと思う。

 さてさて今日も研修医先生ネタになってしまうが、今回研修医先生の指導をしていて僕にとって画期的発見があった。それはスマートフォンを使ったスマート診療である。電磁波が気になる場合はアイポットを使えば良いらしい。そこにイヤーブック等の医学系電子書籍をダウンロードしておけば、いつでもどこでも直ぐに最新医学情報を取り出せるとなる。
 アイポ;ッドは掌に収まるほど小さいし、かつ検索も驚くほど早い。つまりはすぐに引ける大型書籍をポケットの中に何時でも忍ばせておけるのと同様だ。これは便利だと思う。

 研修医先生も分からない事が有ると、あっと言う間に正しくて最新の知識をそれで得ていた。僕なんて教えてもらう事再三だ。こうなると今まで覚えてきた医学知識なんて、なんなんだろうと思う。

 人間の脳と言うのは素晴らしく早い検索機能を持っている訳だが、時々不確実だし、容量もそれほど多くは無い。何より時間が経てば次々と忘れていく。
 電子媒体を操れる能力が素晴らしく早ければ、それで知識を脳に詰め込んでおく必要がなくなるという訳だ。ウーンこれはきっと素晴らしいとコンプレックス抱きつつ思う。

 ともあれこれからの医者の能力は、パソコンスキルとスマホスキル次第で大きく変わる。勉強能力が著しく衰えている僕が、医者の仕事を続けていくには、学会誌百冊読むより、パソコンスキル磨くほうがずっと重要だ。そんな事を結構ヒシヒシと日々現実的に感じている。
2013年03月08日
とうてい容認できませんでした
 2月のしわ寄せが来ているのか、就寝直前まで分娩業務に励んでも、何時も経過中の方が残ってしまう。
 予想通りに昨夜も丑三つ時に起され、粛々と分娩対応業務に励む事となった。その後も無情の深夜電話が何回も入り、睡眠時間は細切れとなる。という訳で今日も出来たら避けたい寝不足外来だ。
 とはいえ昨夜は少量の眠剤も併用し、短時間でもぐっすり眠れる様に工夫した。そのためそれほど酷い寝不足感は無い。睡眠には波が有る。深い波で起されるとダメージは大きいが、浅い眠りの時に起されるとダメージは小さくて済む。昨日の場合たまたま比較的浅い眠りの時に起されていた事と、短い時間で熟睡感を得るのに成功していたから、割と楽に済んでいるのだろう。

 さてさてこの冬から春にかけてのアルプスベルでは久美愛厚生病院からの研修医を2名、産科研修先として受け入れた。今時の地方では総合病院でも研修医が来てくれないのに、一地方クリニックが研修医を受け入れるという事は異例に近い出来事だ。これも高山と言う地域の特殊性のお陰と言える。

 その金の卵の研修医先生方も4月になれば高山を離れると言う。その為の最後の評価判定というのを指導医としてしないといけない。評価表を読むと評価判定の項目はかなり多い。技術や知識のみならず、医者としての心構えとか患者さんへの対応とか、内容も詳細で深い。これだけ本当にできればスーパードクターだとマジで思う。

 僕は良い時代に医者になったのだと思う。今時の研修医先生は大変だ。最低のレベルの評価をされると「とうてい容認できません」となり、厚生省にも多分その評価が上がる事になるのだろう。
 僕なんて医者の仕事を開始したのはアフリカ帰り直後の事で、医者としても人間としても怪しすぎる状態だった。思い返すにあの時の僕だったら、指導医から「とうてい容認できません」と判定されていたに違いない。

 今時は誰でも評価し評価される時代だ。それが人間社会の本質かもしれないが、研修医先生評価表を見ながら、今時は何だかとっても生き辛い時代になったのだと思う。
2013年03月07日
今年はマル源
 山と仕事の両方に適度に疲れ、昨日はしっかり熟睡したい所だった。とはいえそんな贅沢は僕には許されない。やはり未明時刻に起されて分娩対応業務に励む事となる。残念なのはその後の2度目睡眠にやや失敗してしまった事だ。
 今日はできたら避けたい寝不足感外来と寝不足感手術となる。しかしきちんと準備は出来ているし、こんな事は産婦人科医にとって珍しくも何とも無い。問題なくクリアはできるだろう。

 さて昨日空いた時間に昼間のワイドショーをボンヤリ眺めていたら、銀座の不動産王(こういう人は大勢みえそうですが…)が巨額脱税で摘発されたというニュースが流れてきた。今までどれだけ脱税したかは知らないが、81歳という年齢を考えると、今まで貯め込んだ?お金の大部分が明らかにされ、きちんと追徴され皆のためにお金が使われれば良いと思う。

 ともあれこれは典型的な確定申告時期狙いニュースだと思う。かく言う僕もこのニュースを聞いて確定申告に行くのを忘れていた事を思い出した組だ。今週末には忘れずに申告会場に行かねばならない。何といっても今年は各種増税が加わるという。その上に申告忘れで追徴なんてなったら目も当てられない。
 教育費はじめ様々な出費にジワリ重税感を感じる辛い年代になった。とはいえ国民の義務である以上今年もニコニコしっかり税金払うしかない。税金を気持ちよく払える身分にいる事が有難いと思うしかないだろう。
2013年03月06日
頂上直下でも引き返します
 火曜の手術を終えると、今日の昼までセカンドコールだ。しかも天気予報は快晴を告げている。これはもう絶対に山スキー出動だ。という訳で今日も深夜未明に目が覚めると、名残パウダー狙いで出かける事が出来た。
 近場にしか行けないにしても、この時期選択できる山スキーコースは多い。何処に行くか迷った末に、今が旬の三方崩れに狙いを定める事にした。ただ念のため登高コースは尾根筋を取り、少しでも雪崩の危険を避ける事にする。

 とはいえ三方崩れは三方が崩れているというだけに、尾根筋コースはかなり急だ。弓ヶ洞谷経由で山頂東側の尾根から詰め上がるが、取り付き付近は急でクラストしていて緊張する。大きな尾根に出てから先は周囲に素敵な粉雪が貯まっていてウキウキ気分になってきた。頂上のモルゲンロートも美しい。しかし山頂付近で尾根が細く急になってきた。滑落の危険を感じ、弓ヶ洞谷左俣源頭で貯まらずスキー板をデポする。
 更にアイゼン歩行で頂上を目指したが、今度は崩れそうな斜面と雪庇に妨げられた。この斜面を突破したら頂上はもうすぐそこだ。しかし登りをクリアしても下りで崩れるかもしれない。

 そう思うと頂上直下であったにも関わらず潔く撤退を決めた。多分行けば登れたであろうが、この多分大丈夫だろうという行動に危険が伴っている。それは山でも仕事でも車の運転でもみな同じだ。
 滑降は尾根から弓ヶ洞谷左又の右谷とした。まだ朝の時間でそれは素晴らしい雪質を当てる。単独滑降では最高レベルの粉雪滑降だ。頂上が無いのは残念だが、この滑降で気持ちはすっきり切り替わった。
 空を飛ぶような滑降で、特に急いでいる訳でもないに、頂上直下から車の所まで15分で着いてしまう。午前の早い時刻には医院に戻って、その後は午前外来を手伝っていたりする。

 登頂には失敗したが、幾つもの困難を克服して頂上に肉薄する事が出来た。短時間でこれだけの景色と冒険と豪快スキーを楽しめるなら、もうこれ以上言う事は無い気分だ。

登高は尾根。滑降は谷


モルゲンロートが美しい。今日はデジカメのSDカードを忘れたため、写真はアイフォンです。


雪庇に注意


デブリもほとんど無く、最高の斜面だった
2013年03月05日
sensitivityな時代
 次々と様々な事は有るが、分娩も良い時刻に経緯してくれて、ともあれ昨夜も夜中に起されずには済んだ。お陰で今日も寝不足感無く外来、手術と概ねスムーズに事は進んでくれている。忙しいのは商売繁盛と言う事で有難い事だ。

 さてちょっと古めのニュースだが、先日安倍総理は日本のTPP交渉参加を正式に表明した。いかにも予定調和な出来事で、安倍総理の訪米もTPP交渉に向けての儀式の様なものだったのだと思う。
 そしてJAや日本医師会を始めとしたTPP反対派を納得させる政府慣用句は、「聖域無き関税撤廃を約束したと言う訳ではない」という言葉になる。つまり米や健康保険サービスへの輸入関税を残せるかもしれないという含みを残したという訳だ。

 しかしもちろん例によって英語の日米共同声明にはそんな文言は一切無い。あえて言えば日米両国の間には貿易上のsensitivitiesが存在するという言葉がそれに当るらしい。
 それにしてもsensitivitiesとはまた素晴らしく外交的に優れた言葉が使われたと思う。果たしてこの共同声明は誰が考えたのだろうか?この言葉を見つけ出した外務官僚(多分)は天才的とすら思えてきたりする。

 さてさて普段ガン検診業務に携わる医者としては。、sensitivityと言えば敏感さと訳し、specificityと言えば特異性と訳す。まあ割と馴染みが有る言葉だ。しかしこれを敏感さと訳してしまえば、日米共同声明の意味が通らない。
 要するにennsitivitiesとはもともと日本語には無い言葉なのだ。TPP交渉の場合あえて日本語に訳せば、敏感な問題という事になるのだろう。便利な言葉だ。
 
 ともあれTPP参加は非常にsensitiveな問題だ。そのsennsitiveな問題を前に進めるにはsennsitivitiesが必要なのだろう。僕の身の回りにも沢山のsensitiveな問題が存在するが、そんな時はこれからsensitivitiiesという言葉を拝借させて貰おう。そんな風に内心チャッカリ思っていたりする。
2013年03月04日
そこそこの週末
 土曜午後から月曜朝にかけて完全フリーが許される貴重な週末だった。せっかくだから何時もの平湯や白川ばかりでなく、何処か遠くの場所で新鮮?な山スキーを楽しみたいと思う。
 とは言いながら、まず土曜夜には職場の懇親ボーリング大会が行なわれる事になっていた。ここは院長として無様な姿を見せられない。女子供?には負けられないと豪華賞品?目指し真剣にストライク目指し張り切るが、気持ちは空回りし結果は4位と言う入賞でも飛び賞でもない、微妙な成績となった。

 続いて日曜日は午前3時に起床する。未だ眠たいがせっかくのフリーデイに遠出はしたい。目指すは福井県の山とした。福井の山は前回経ヶ岳で強風により敗退している。今回はさらに遠くの越前大野にある銀杏峰を目指す事にした。その北面の志木目谷ではパウダーをまだ十分に楽しめるだろう。
 
 しかし今度は頂上平坦地でホワイトアウトに見舞われてしまった。銀杏峰は頂上直下が広い無木立の台地となる。目が悪い僕としては、ホワイトアウト下の谷筋滑降は危険が高い。
 そう判断すると潔く頂上手前で引き返す事を決めた。帰りは別の谷でパウダーを楽しんだが、滝が出てきたりしてそれなりに緊張する。それに頂上の無い滑降は、スキ-山屋の僕にはどうも納得が行かなかったりする。やはり山スキーには頂上が欲しい。午前の未だ早い時間に車を停めた場所まで降りていた。

 その後大急ぎで自宅に引き返して、午後からは家族と富山に買い物に出かける事にする。普段不義理ばかりしているので、こういう貴重な時間に少しでも点数稼ぎ?をしておかないといけない。彼方此方で食べ歩きをして、自宅に帰ったのはもう大分夜遅くだった。
 そんな感じで今週末も忙しく彼方此方ウロウロして過ごしていた。どれもこれも何処か中途半端だった気はするが、まあソコソコ楽しい週末だったという事で良しとしようと思っている。

昨日の行程。これで福井県の山は2連敗になってしまった


頂上大地で真っ白になったので下山を決める。諦めが早いのは長所か欠点か…
2013年03月02日
サラサラとテレマーク
 代務先生の活躍のお陰で昨夜も朝まできちんと寝て過ごす事が出来た。今日は恒例の土曜外来。外にはサラサラと素敵な粉雪が風に散っている。色々都合をヤリクリして明日は何とか豪快山スキーに出動できたら良いと思う。

 さて最近すっかりテレビの常連となったスポーツ選手に若干16歳高梨沙羅選手がいる。来年開かれるソチ冬季オリンピックジャンプ競技の有力金メダル候補であり、国内では敵無しだ。ライバルはやはりアメリカの16歳サラ選手で、サラサラ対決として注目を集めている。
 例外を除いてこの手の女子競技でスポーツパフォーマンスが最も高い時期は高校生の頃だろう。その後の長い人生の事など気にせず、次回は無いと考え、ぜひともソチオリンピックで活躍して貰いたいと思う。

 さてさてニュースによるとこの沙羅選手とサラ選手の勝敗を分けるポイントは着地だと言う。沙羅選手は着地時のテレマークポジションが上手く出来ないが故にサラ選手に破れる事が多いと言う。ジャンプ競技でテレマークが金メダルの鍵を握る事になったと言う事に驚く。
 僕はテレマークスキー10年選手だから、テレマークにはそこそこ自信が有る。しかしテレマークスキーなんて言っても一般人には知る人はまずほとんどいない。一気にテレマークスキーの知名度を上げた沙羅選手には感謝の気持ちで一杯だ。

 確かにテレマークスキーは普通のスキーより難しい。ガチガチ凸凹の斜面では、アルペンスキーと比べてどうしてもかなりの差がつく。テレマークで情けなく前のめりに転ぶ度にアルペンスキーに転向しようと何度思ったことであろうか。しかしここで沙羅選手がテレマークの知名度を上げ、さらにテレマークの難しさも証明してくれた。
 昨日の朝の原山朝活でも、久しぶり?にテレマークで転んだ。しかしここは沙羅選手でもなかなか出来ないテレマークに挑戦しているのだと思い、今年の春もテレスキーで頑張ろうと思う。
2013年03月01日
朝活には山スキー
 昨夜は代務先生のお陰でセカンドコールの夜になっていた。夕食は久しぶりに朝日町界隈に出かけ美食を楽しむ。さてセカンドコールは朝の外来が始まるまでだ。今日の早朝の天気は良さそうなので、早朝外来開始前の数時間を朝活に利用しようと思う。
 都会のアクティブなサラリーマンの方々は、早朝出勤前に英語レッスン受けたり、皇居周辺を走ったりするらしいが、高山のこの時期の朝活はもちろん山スキーが最適だ(僕の場合ですが…)。

 そんな感じで今日は午前3時半に起き上がり、車で5分の旧原山スキー場から谷筋経由で松倉観音のある山(原山?)を登りスキーを楽しんできた。楽しんだと言っても、単なる裏山なのでもう粉雪は消えている。
 気持ちよくターンを決めたのは頂上直下数ターンのみで、後はザクザクの斜面を何とかテレマーク姿勢で降りてきたという感じだ。頂上からは高山市街地の夜景(朝景?)を展望できて、それが一番嬉しかった。

 6時過ぎには医院に戻り、朝風呂、朝飯を楽しんでから、また今は外来と分娩他各種業務に励んでいる。山に雪が多いこの時期だけは、何故か早起きできてしまう。そんな冬季限定朝活人間の僕であったりする。

医院から車で5分というのは有難い


朝活はサラリーマンのスキルアップに重要ですか
2013年02月28日
外国で死ぬと言う事
 昨夜は平和な夜となり、夜中に起されずに済んだ。用心して早く眠りに付いた事もあり、寝すぎで軽く頭痛がする位だ。今日は分娩に外来で、手術や処置は無い。寝不足感も無く業務スムーズで有難い事だ。

 さて昨夜のニュース9のトップニュースはエジプトの観光地で起きた気球炎上事故の映像からだった。空中で燃える気球映像はかなりリアルで、中にいた19人の犠牲者の方々の恐怖や苦しみは相当のものだったと思う。
 操縦士と一人のイギリス人観光客は、気球が飛びあがる前に素早く飛び降りて一命を取り留めたらしい。一瞬の判断が生死を分けた訳だが、それにしても助かった操縦士の無責任にはどうしても呆れかえる。

 そういえばちょっと前にはグァムで邦人無差別死傷事件があった。その前にはアフガニスタンのテロ事件も記憶に新しい。ネットの進歩で地球が狭くなったからだろうが、外国での日本人死傷事件がトップニュースとなり、すぐさま映像付きで報道される時代になったのだと思う。
 僕も国外で散々危ない橋を渡ってきた組だ。過去に辛い経験も有る。国外での邦人死傷のニュースは他人事ではない気がしたりする。

 当たり前だが、外国では多くの場合言葉も通じないし、医療レベルも様々だし、法律も違う。死者に対する扱いも違う。死体を日本に運ぶという事も大変な事だ。アフガニスタンのテロ事件では遺体を政府専用ジャンボジェット機で運んだ訳だが、通常はそんな事はありえない。多くの場合は現地で火葬して運ぶ事になるかもしれないが、火葬が一般的でない国も多い。民間の遺体搬送業者の話を聞いた事が有るが、想像するだけでそれは大変な事だろう。現地や日本での法的対応も生半可ではない。

 海外で様々な経験を積むという事は、人生を豊かにする上でとても素敵な事だ。しかし世の中の仕組みが分かるにつれて、若い頃にしていた世間知らずで危険な事は、今に至ってやはり若気の至りだったとどうしても思えてきたりする。
2013年02月27日
雪さえあれば
 今回は火曜午後から水曜の朝までがセカンドコールだ。水曜午前8時45分から始まる外来業務に間に合わせる必要が有るが、貴重な紐付きフリータイム?である事には変わらない。
 そして有難い事に今年は雪が多い。雪と斜面と山スキー道具さえあれば、僕にとって何処も彼処も遊び場になる。スキー場に行く必要も無い。時刻を気にする事も無い。雨と大雪の真っ最中を除けば、多少の悪天だって気にする必要は無い。

 そう思うといてもたってもいられなくて、今朝は深夜3時に早起きしてしまった。外来が始まるまでまだ5時間ある。雪の多い今だけの事だか、これで近場の藪山でも十分に遊べるだろう。
 さくっと車を走らせて、小鳥峠周辺から滝ヶ洞山北面を探る事にした。峠から頂上まで標高差は300mしかないから、まともに登ると1時間で頂上についてしまう。とはいえ暗闇登高がかえって冒険心をくすぐってくれたりする。

 そんな感じで外来業務が始まる前に、首尾よく滝ヶ洞山北面で遊んでこれた。終始湿雪が降っていたが、雨ではないから大丈夫だ。登りでは藪にそれなりに苦しめられたが、下降は明け方のサラサラ雪谷筋を一気に下り、かなりの爽快感を味わう事が出来る。7時前には医院に戻り、朝風呂入って、朝飯食べて、今は何食わぬ顔で外来業務に励んでいる。
 雪さえあれば、何処にでも行ける。山スキーはそんな万能感を味わえる、とても素敵な遊びだと思う。

正味2時間半くらいかな〜


暗闇で遊ぶ。とっても変な人
2013年02月26日
雪はあっても時間が無い
 ここの所夜中の仕事が少なく嬉しかったが、いよいよしわ寄せ業務が入って来たようだ。昨夜は丑三つ時と明け方に分娩が入り、眠たい所を何回も起されて深夜業務に励む事になる。眠りは細切れとなり、今日はできたら避けたい寝不足外来だ。
 しかも外来の真っ最中にやや難産系分娩が、同時に2件重なり一時はおおわらわとなる。続いて飛び込み系の処置も2件続いた。手術こそないものの、久しぶりに眠たくてしんどい業務だ。空いた時間にチョコレートを食べて血糖値を維持しながら、セッセセッセと仕事続けている。

 さてニュースでは八甲田の麓にある酸ヶ湯温泉で観測史上最高の積雪量を記録したらしい。感覚的には昭和の頃の方が積雪多い気がするのに、なんで今年に史上最高積雪が出るのか不思議だったりする。
 積雪量はちょっとした吹き溜まりや風向きでかなり変わる。今年はタマタマ酸ヶ湯のアメダスの場所が吹き溜まりになっているのだろうか? 

 青森では例年よりかなり多い積雪になっているのは確かだろうが、史上最高にまで至るとは何か陰にカラクリがあるんじゃないかなんて穿った見方をしたりする。ともあれアメダス運用が始まる以前には、もっと積雪の多い年があったのは、まず間違いないだろうと僕は思う。

 さてさてそうこう言いながら、今年は未だ高山周辺でも多量の積雪が残っている。ちょっと走れば山スキー楽しめる場所てんこ盛りだ。しかし僕の場合(多くの方が同様でしょうが)ともかく一番の問題は時間だ。寝る時間すらないのに、山に行く時間なんて中々できない。降り積もった雪を医院の窓から見つめながら、何だか勿体無いなあと涎だけ垂らしていたりする。
2013年02月25日
外交は地ならしが大事
 有難い代務先生のお陰で、昨夜はほとんど呼ばれる心配の無い幸せな夜だった。夜は早めに寝て、朝までグッスリ寝て過ごす。何だか寝過ぎでかえってうすら眠い感じがしたりする。どういう訳か最近は手術も少ないし、比較的楽しているが、研修医先生の教育もある事だし、もう少し変化があった方が良いのになんて贅沢な事を考えていたりもする。

 さて話は変わり、安倍政権は外交にもかなり本腰で力を入れている様だ。総理は日米首脳会談にそれなりに力を入れて臨んだ。とはいえ日本側は準備していても、米国側がそれ程準備していなかったらしく、微妙に期待する程の成果は上がらなかったらしい。
 ともあれ核の傘の現実を考えると、日本の平和はこれから先もアメリカ次第であるという現実に変わりはない。民主党政権が下手に米国と離れた事で、国境が困った事になった事を考えると、オバマとは出来るだけ仲良くしておくに越した事は無い。

 さてさて先日、中国には公明党の山口代表が訪問し、活発に民間レベル?外交を展開してきた。ロシアには森元総理が出かけて領土問題にも触れてきた。更にこの陰には人知れず数多くの外務官僚の努力もある。これらは今後の日本の平和のためにも、極めて重要な地ならしである事は間違いない。

 外交と言うのは難しい。世間を知った各レベルのエリートが各レベルで地ならしをしておく必要が有る。そして最後の最後にトップ会談で事を決める。トップ会談自体は予定調和で全く構わない。これは様々な過去の人類の歴史を見ても明らかな賢い外交手段だろう。そうじゃないといずれ戦争になる。
 僕の身の回りでも様々な外交?が行なわれている訳だが、水面下でも水面上でもともかく各レベルでの時間をかけた地ならしが大事だ。過去に行なわれた北朝鮮外交の様な、口約束2重外交ではダメだろう。大事なのは外交を担う人が、身の回りへの利益誘導だけに拘泥せず、世の中を知ったエリートであるという事なのだが、そこまで期待するのは元々に無理が有るという事だろうか。
2013年02月24日
春遠からじですから
 今週末はセカンドコール週末だった。素敵な雪も積もってくれたし、近場限定ならそれなりに豪快パウダースキーが楽しめそうだ。とはいえ様々やる事は有る。
 まず土曜の外来業務終了後は、医院が落ち着いている事を確認すると、大急ぎで各務原イオンまでスポーツ用品買出しに出かけた。続いて夜は馴染みの音楽酒場で遅くまで楽しく過ごす。

 そして今日日曜は、粉雪滑降楽しむ気満々で、早起きにはきちんと成功した。しかし夜中から寒波が入り、山ではかなりの降雪積雪が予想されている。明るくなる頃に除雪真っ最中の平湯温泉まで出かけたが、どうも吹雪の中単独ラッセルに出発する気が出てこない。
 こういう時は仕方が無い、今日は山は大荒れで、きっと山スキー不適日だろう。そう気持ち納得させるとイソイソと医院まで引き返す事にした。

 高山でもその後ずっと粉雪が降り続いていたから、山に入っていたらきっと苦労していた事だろう(それが目的でもありますが…)。代わり?に家族とランチに出かけたり、壊れた家電を修理したりと、何となくやや中途半端な時間を過ごしている。昼に出かけたランチでは、早くもホタルイカとか筍とか各種山菜類が出回っていた。苦い若芽の山菜に春遠からじである事を感じたりする。

 何だかんだ言いながらも、今年もきちんと積雪量は増えてくれた。豪雪とは言えないまでも、ここ数年の中では比較的大雪の年になっている。街中では多くの方々が雪マタジに精を出していた。僕の様な立場の人間が、雪で遊ぶ事ばかり考えていてもいけない。とは言いながらも、雪解け前に後どれだけ粉雪を楽しめるか、勤務スケジュール見ながら山に気持ちをめぐらしてもいたりする。
2013年02月22日
ついつい愚痴が出てきます
 そう何時までも平和な夜が続く訳は無い。昨夜はさすがに丑三つ時の分娩が入り、しっかり一番眠たい時刻に起されて深夜業務という事になった。という訳で今日は久しぶりの寝不足感外来だ。とはいえ手術も無いし、諸々業務は概ねスムーズだ。多少の寝不足感も仕事の内という事で、だからどうと言う事は無い。

 さてここの所、僕の業務中にはお隣に研修医先生がついてくれている。寝不足も有る事もあり、研修医先生はちょうど良い僕の愚痴の聞き役だ。特に電カルの扱いづらさに関する愚痴は、次々とのべつまもなく出てきたりする。
 研修医先生は研修医としてはやや年が行っているが、それでも僕より一回りは年齢が若い。この一回りの年の差はパソコンスキルに大きく影響していて、マウスを速く正確に操り、僕より大分早く電カルの癖を飲み込んでいく感じだ。

 その辺はやはり小児期の刷り込みの違いなのだろう。僕の子供の頃にはキーボードとかマウスとかモニターなんてものは、身の回りに存在しなかった。マウスというものの存在を知ったのは大学生になってからだ。唯一身の回りのメカニカルなものは、テレビの回転式チャンネルだったりする。
 そんな感じで研修医先生は、産科医療を教えてもらう代償?に、僕の電カルに対する愚痴を聞かなければならないと言う事になる。多分半ば迷惑と思っているに違いないが、その辺は立場上仕方ないとして、大目に見て貰う事にしてしまおう。
2013年02月21日
医者の仕事共通で大事な事とは
 昨日も夜中に起される事無く、朝まできちんと寝て過ごす事が出来た。もちろんたまたまだろうが、ここのところ寝不足と言うより寝過ぎと言った方が正しい位の状況になっている。
 こういう感じだと後からのしわ寄せがまたかえって怖い。睡眠と言うのもお金同様に貯めて置く事ができれば良いのにと思う。

 さて今月の僕の業務は、常に研修医先生と隣りあわせで行なわれている。どうせならこういう時に難しい症例や手術でも来てくれれば、研修医先生の勉強にもなるし良いのだが、そう都合良くいかない所が残念だ。
 なお研修医先生は精神科志望である。産婦人科でも心の病の方は少なくないが、基本的に産婦人科と精神科には共通点が多くない。精神科と産婦人科は、医療の中でも有る意味特殊技能の分野に入るからだろう。

 そんな中で彼に役立つ教えれる事と言えば、マジで゚電カルパソコンスキルと、クレーム対応分野くらいだろうなんて思ったりする。これらは共に僕が苦手とする分野なのだが、精神科と産婦人科共通の部分は、その程度のものしか中々見つからないのだ。

 電カルなんで時代や場所でコロコロ変わる。クレーム対応も面倒で厄介な患者さんから上手く逃げる事に事は尽きる様な気がする。産婦人科は元々クレーム多い科だし、万一の事が何百もある。それにどうしようもない事が余りに多いのだ。
 彼にそんな分野の出来事を教えながら、医者の仕事っていったい何なんだろうと、かなり自嘲気味に哀しい気分になっていたりする。
2013年02月20日
朝一番の藪コレでした
 今週も火曜午後から水曜昼までセカンドコールに回れる。火曜午後には空いた時間に歯医者に出かけ、空いた歯の隙間を埋める処置もする事が出来た。医院も落ち着いてくれているし、水曜朝の山スキーに備えて、火曜夜はしっかり早寝とした。

 さて今は僕にとって山スキーで最も楽しい時期だ。雪さえあれば道の無い山に様々なラインを引く事が出来る。幸い今冬は比較的多雪なので、普段は見向きもしない藪山でもコレクションしておく事が出来そうだ。
 という訳で今朝は秋神温泉から濁河山というコテコテマイナー藪山を狙って見る事にした。おそらく今の時期の北面なら、飛騨南部の山でもスキーを楽しむ事が出来るだろう。

 その読みは当たり、朝の硬い雪を使い、短い時間でサクット登り、首尾良く谷筋滑降を楽しんでこれた。藪もそれなりに深く、途中岩場が出てきたり、谷が割れていたりとか色々困難もあったが、それもまた楽しみの中の出来事だ。
 そんな感じで朝一番にまた一つ自分の飛騨藪山コレクションが増えてくれた。医院もその間安泰だし、全く持って有難い事だと思う。

今朝の行程。秋神温泉氷点下の森からスタートし、藪尾根を登り、谷筋を下った。


頂上では御岳からの日の出が見えた
2013年02月19日
夢を見ていて歯が折れる
 分娩も昼間ばかりで、手術も比較的少なく、ここの所業務は楽な感じだ。様々な症例を研修医先生に診させてあげたいと言う気も有り、あまり医院が落ち着いているとかえって申し訳なく感じたりする。多分ここの所の大雪で多少の受診抑制もかかっているのだろう。

 さてさてそんな空いた時間にこそ、僕には大事なやる事が有る。昨日は隙間時間に歯医者に行く事が出来た。例によって彼方此方危ない所がありますね〜と指摘され、削ったり詰めたり、また通院をという事になる。折角の親から貰った大事な歯は大事に使わないといけない。

 ところが今夜寝ている間に夢を見た。ほぼ毎日が当直という身分なので、どうしても眠りが浅いのだろう。何かに対して怒っている夢だった。夢判断の助けを借りずとも、普段の生活で何らかの鬱憤が貯まっているんだろう。そして怒りで歯軋りをして、その力で昨日の歯の詰め物部分が夜中に折れて外れてしまった。そんな感じで今日も要修復だ。隙間時間を何とか作って歯医者に行かないといけない。

 僕は夜中に起される生活をはや20年以上続けている人間だ。夢が昼間の正気を保つのに、非常に重要な役割を果たしているという事を知っている。そんな夢を見た挙句に歯を折っているなんて、僕もいよいよ心と身体に焼きが回ったかなんて、やや呆れ気味に思っている。
2013年02月18日
仕事の合間にしてはかなり上等
 幸運な事に昨夜も起こされずに済んだ。山と仕事とその他諸々の疲れで早めに眠りについた事もあり、長時間睡眠を気持ち良く楽しむ事も出来る。
 今朝起きたら降雪が更に進んで、高山周辺でも積雪が一段と増えている。今年はどうやら本当に例年より多雪の年になってくれた様だ。多くの雪国人はそれを喜ばない訳だが、スキー山屋から山スキーヤーに変貌しつつある僕としては、山を更に魅力的にする大歓迎の大雪だったりする。

 さて昨日の山スキーは日曜朝まで仕事、日曜昼前からまた仕事というハードスケジュールの中で僅かな時間をついての粉雪滑降だった。正味5時間の隙間時間の中であれだけ楽しめるのだから、僕は良い所に住んでいると思う。医師不足で悩む過疎地域と言えばその通りなのだが、山好きの僕にとっては高山はうってつけの居住地である事は間違いない。

 そんな感じで昨日の山スキー動画をM先生がユーチューブに投稿してくれた。この調子だと今年はこれからもまだ粉雪滑降を楽しめそうだ。昨日の動画を再生しながらムフムフと陰?でほくそ笑んでいたりする。
2013年02月17日
時間が無いので頂上より粉
 普段の心がけが良いお陰か今週末も医院は落ち着いた雰囲気になってくれた。土曜夜の空いた時間には高山日赤主催の病診連携意見交換会に出かけ、それなりの懇親を深める事も出来る。

 さて今週末は悲しい仕事の週末になっている。しかし長引く冬型のお陰で素敵な粉雪が降り積もり、更に日曜日と高気圧が重なった。つまり今日はパウダースキーのビックデイだ。粉雪で遊ぶには一年で最高の日とも言えるだろう。

 そんな時に仕事とは全くついていない。ここはもう我慢できずに、強引にお願いして、またもや午前限定で少し仕事を代わっていただいた。あまりこういう事をやっていると周囲から不興を買う可能性もあるが、ここは何とか許してもらおうと勝手に自分で決める。

 しかも今日は有難い事に、久しぶりのM先生が山スキー参戦してくれると言う。これで元気も勇気も百倍だ。時間が無いのが何と言っても痛いが、こういう時の秘蔵?ラインとして、交通至便パウダー確実の野谷荘司山東面斜面を狙う事にする。
 朝早くのスタートを画策するが、それは夜中に分娩が入ったため不可となった。それでも未だ十分暗い内にトヨタ自然学校をスタートする。そして朝の僅かな時間で素晴らしいラインから素晴らしいパウダースキーを楽しむ事が出来た。

 雪質にも恵まれ今年最高の粉雪となった印象だ。時間が無いから頂上は割愛だったが、それでもこれだけパウダーを楽しめれば言う事は無い。一時様々な出来事から再起不能のダメージを受けたという噂もあったM先生も、週3日のジム通いが効を奏し、今日は完全復活の滑りを見せてくれた。
 そんな感じで、今日はパウダー滑降とM先生復活という2つの嬉しい事が重なった。周囲には色々迷惑かけている訳だが、やはり短い時間でも山スキー出動して心底良かったと思う。

時間の関係で頂上には向かわず、その代わりに尾根の左右でパウダーラインを狙う


今日は雪崩の危険も比較的少なく、最高のコンディションだった
 
  これ以前の日記は削除しました。