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資料 中世ヨーロッパ風ファンタジー 麦について
作者:所長
 麦は10月頃から土を作り、11月上旬に種籾を撒き、翌年6月上旬に刈り入れる。
 手入れは主に草むしりと麦踏みと呼ばれる作業で、刈り入れまでに4、5回行う。
 参考資料が少ないためはっきりしないが、大人1人がトラクターなどを用いず手作業で管理できる畑の広さは20アール(0.1ヘクタール)程度であるらしい。おそらく牛や馬なども用いていないと思われる。
 これは、時代が進み、収穫後の脱穀作業が改善されると1農家で1ヘクタール程度まで広がった。脱穀は、古代には刑罰として用いられるほど過酷な作業であるため、足かせとなっていたのだ。

 小麦とライ麦の栽培目的の違いは、主に土地の痩せ具合。ライ麦は痩せた土地でも育つため、小麦の収穫量が増えるまで農家の味方だった。
 小麦と大麦の違いは、主に食べ方。大麦の方がやや収穫量が多く、食べ方の違いもあるが同じ重さでも最大1.5倍ほど多く食べる部分がある。こちらもやはり農家の味方。
 大麦はオートミール、ライ麦は黒パン、小麦は米でいう「ぬか」を取らない全粉パンで食べるのがここでのたしなみ。もちろん、湯水ザブザブでうどんをゆでるなどといった、はしたないうどん県など存在していようはずもない。
 麦の消費量は、小麦換算で大人1人あたり年間180㎏(小麦粉120㎏相当)の食料+90㎏の種籾。
 種籾の量は中世初期で90㎏だが、中世後期ならば30㎏程度。

 中世初期のヨーロッパにおいて、麦は1ヘクタールあたり100㎏の種籾を撒き、300㎏を収穫する作物であり、主に税金(年貢)用として育てられていた。食用とされたのは大麦のオートミールとライ麦パン。
 中世後期のヨーロッパでは、1ヘクタールあたり100㎏の種籾を撒き、700㎏を収穫するまでに改善されており、食卓に小麦で作ったパンが上がることもあった。
 ちなみに現代においては1ヘクタール、100㎏の種籾は変わらず、収穫量は3トン程度まで向上している。
 収穫量向上の主因は、初期には農具の発達によって土を深く(20~30㎝)細かく砕けるようになったため。その後、堆肥の登場による土壌の改善――ノーフォーク農法などがこれにあたる。さらにこれが最も劇的と言えるが、灌漑事業による適当な水やりでの改善。近代から現代においては品種改良。
 ちなみに現代日本においては、1ヘクタール年間4トン以上を安定的に収穫する地域も存在する。

 なお、小麦は収穫後に半年程度の熟成期間をおく。加えて粉にしてから1週間程度置くことで良質な小麦粉となる。そのため、小麦農家や加工場にはサイロと呼ばれる保存用の塔やタンクが設置されていることが多い。

 二次創作においてはノーフォーク農法の導入に「4年かかる」などと書かれていることも多いが、最大の利点であるクローバー(白詰草)による土壌の改善は、4月にクローバーを植えれば10月には時期を終えるため、その年の麦の栽培開始に間に合う可能性がある。
 時間がかかるのは家畜の育成とそれに伴う堆肥(クローバーを食べた家畜の糞は窒素を豊富に含む)の確保であるが、家畜を導入した年には効果が現れる上に人糞の利用などによって当面の需要をカバー出来ると思われるため、やはり何年も待つ必要はないだろう。
 ノーフォーク農法では高タンパクの牧草であるクローバーを摂取した家畜の品質の向上(乳含む)と、同じく窒素を豊富に含むクローバーを摂取した家畜の糞が良質な堆肥となったため、農業事情は大きく改善した。土壌の水分についてもクローバーによる貢献があるが、後述の灌漑にて触れる。

 灌漑事業による収穫量の増加は、中世(年代不明)の中東において灌漑を導入した麦畑で小麦の収穫量が、1ヘクタールあたり1トン以上であったとされるため、2~4倍と見積もることが出来る。
 ヨーロッパの気候では、自然降雨だけでは麦の育成に十分な水分が得られなかった。元来の休耕期に、地中に浅く根を張り、育成に必要な水分が少ないクローバーを植えるノーフォーク農法では、麦の根が伸びる深さに水分を残しつつ、土壌の改善が行える。クローバーの次に麦を植えて最大限の恩恵を受ける方法は、後に革命と呼ばれるほど流行した。
香川県のうどん消費量は年間で小麦30㎏相当。全国平均の7倍くらいである。

お米は調べればすぐわかると思うので書きませんでした。
日本は米国よりもお米の国なので、資料に事欠きません。
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