政治政府、皆保険制度を海外初売り込み 成長戦略に盛り込みへ2013.3.7 01:30

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政府、皆保険制度を海外初売り込み 成長戦略に盛り込みへ

2013.3.7 01:30 安倍内閣

 政府は6日、公的医療保険に国民全員が加入する「皆保険制度」を海外へ売り込む方針を固めた。政府が自国の保険制度を他国に“輸出”するのは初めて。政府が6月にまとめる新成長戦略に盛り込む。安倍晋三首相が近く参加を表明する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉では、医療保険分野の市場開放が焦点の一つになるとみられる。政府は皆保険の利点を各国に訴えることで、TPP交渉を有利に進める思惑もある。

 所得が低くても良質な医療が国民全体に行き渡る皆保険制度が諸外国に浸透すれば、医療技術や介護サービスなどを官民共同で提供することも可能となる。制度導入には社会保障費を賄えるだけの税収や保険料が確保できる一定の国民所得が必要なため、政府は経済発展が著しいインドネシアなど東南アジアをターゲットに事業展開する方針だ。

 政府は今後、厚労省に設置した「健康・医療戦略推進本部」(本部長・田村憲久厚労相)で皆保険売り込みの具体策を検討する。これを受け、菅義偉官房長官直轄の「健康・医療戦略室」が医療分野の成長戦略を策定する。

 一方、TPP交渉をめぐっては、首相が6日の参院本会議で「公的医療保険制度の在り方は議論の対象になっていない」と発言し、2月19日の参院予算委員会でも「皆保険は守っていく。主権の問題だ」と断言している。

 それでも与党内では、米国が交渉過程で自由診療の拡大を図り、外資の民間保険加入者が増加し、公的皆保険が崩壊する可能性があると懸念する声が膨らんでいる。こうした不安を払拭する上でも、政府は諸外国に国民皆保険の導入を促し、国際的にそのメリットを強調しておく必要があると判断した。

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