インタビュー:日本に必要なのは産業政策ではなく競争=楽天社長

2013年 03月 14日 18:52 JST
 
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[東京 14日 ロイター] 政府の産業競争力会議の民間議員である楽天(4755.OS: 株価, ニュース, レポート)の三木谷浩史社長は、政府の役割について、日本の産業における勝者と敗者を決めて政策を構築するのではなく、経済成長を促すための最善策として、自由に貿易と競争ができるよう日本を開放することに注力すべきだと語った。

13日に英語で行ったロイターとのインタビューで語った。

産業競争力会議については「(議員の間で)明白な対決があるわけではないし、お互いに怒鳴ったりはしない。しかし、特定の産業の戦略構築や再編について政府がいかに、どこまで関与すべきかという点では異なる意見があると思う」と語った。

安倍晋三首相は今週にも環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加を表明する見通し。また、6月にはアベノミクスの「3本の矢」のうち、金融緩和、財政出動に次ぐ3本目の矢となる成長戦略を公表する予定。

三木谷社長は、TPPを安倍内閣が世界第3位の経済を再生するための広範な取り組みの一環と位置付ける。「この市場を開放しなければいけない。国際基準をできるだけ採用する必要がある。それが日本企業にとって世界で戦う力をつけるための唯一の手段で、もしそれができないなら、その産業は日本に残るべきではない」と語った。「日本人は、強いところをさらに強め、弱い産業は断念して他国にまかせることが必要だと気づくべきだ」

同社長は、経済産業省のエリート官僚がどの産業を促進するかを選ぶ時代はとっくの昔に終わったと語る。「基本的に経産省は、1970年代や80年代に成功した政府主導の産業政策を再現したいと強く願っている。しかし、それは国家資本主義に戻るようなもの」。三木谷社長によると、多くの民間議員が「特定の産業や技術、または企業を選んで公的資金を投入することに反対している」。それでも「官僚は大きな圧力をかけようとしている」という。

過去にも、さまざまな審議会や委員会が日本の構造改革について提案をまとめたが、多くは実現に至っていない。しかし、三木谷社長は今回は違うと話す。安倍内閣は改革への強い決意を示しているためだ。同社長は「安倍首相は、日本の経済再生と産業競争力の強化のために最も重要なのは規制緩和だと信じていると思う」と話す。そして「規制緩和を推し進めれば支持率が高まることも知っている」とみている。

(ロイターニュース リンダ・シーグ;翻訳 大林優香;編集 吉瀬邦彦)

 
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