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NHK リアルタイムメディアとTVの融合

Vol.17 NHK(日本放送協会) 放送新時代に向けて動き出した 3スクリーンズ戦略とツイッター

公共放送としてカタいイメージを持たれがちだったNHK。今では、軟らかい語り口の「NHK_PR」のツイッターアカウントが人気を博すなど、その印象は変わりつつあるようだ。NHKがツイッターをはじめとするソーシャルメディアを活用する理由とは?

瞬時に5000人がアクセス。リアルタイムメディアのパワーを生かす

ツイッターには、情報を発信するだけでなく、ユーザーのリアクションを見ることができるというメリットもある。そして各番組に対する意見は、多くの制作者にとっての励みにもなるという。NHKでは、視聴者の意見をFAXやメールで募集することも数多くあったが、今後はツイッターの方が気軽に意見や気分を表現できるのではないかと考えているようだ。「誰もが『私はこう思う』と自分の意見をもって、テレビづくりに参加できる時代がすぐそこまで来ているわけです」と倉又氏。また同氏は、リアルタイムメディアとしてのパワーも感じているそうだ。ツイッターでは、140文字以内に文章をおさめるため、長いURLを短縮することがある。

ユーチューブでの映像とブログパーツ。皆既日食の映像は、その映像の質の高さが評価され世界に注目された。

▲ユーチューブでの映像とブログパーツ。皆既日食の映像は、その映像の質の高さが評価され世界に注目された。

この短縮URLを利用することで、どのくらいの数の人がそのリンクをクリックしたかが分かる仕組みになっている。そしてある時、そのツイート数を調べてみたところ、情報を発信してすぐに5000人くらいの人がリンク先に飛んでいたことが分かったそうだ。このように、ツイートからホームページに遷移したユーザーの動きをリアルタイムに把握することが出来るため、どんな情報をいつ発信するかの戦略を練ることにより、接触者率向上に向け大きく貢献する可能性が出てきた。さらに3スクリーンズ戦略ではツイッター以外のソーシャルメディアの利用も重視しているらしい。2009年の7月22日には、皆既日食の映像をユーチューブで配信し、世界中からアクセスを集めた。年末の「NHK紅白歌合戦」のプロモーションでは、人気声優・水樹奈々さんを起用したニコニコ動画の番組内での告知や、カウントダウンブログパーツを配布するなど、これまでNHKとの接触が少なかった人にもコンタクトを試みているそうだ。

人材採用のキーワードは「伝えるため」に「知りたがれ」

3スクリーンズ戦略において、ソーシャルメディアをどう使っていくのかはますます重要な課題になっていく。「今後、放送業界に入る方はツイッターに限らず、ソーシャルメディアと放送の組み合わせを強く意識せざるをえないでしょう」と倉又氏。人材にも新しいメディアに興味を持つ情報感度の高さや、ネット上の情報の質を見抜く力が求められるようになる。一方で、広報部副部長の石井氏はこう付け加えることを忘れない。「ただツイッターができればいいとか、デジタルに詳しければいいというわけではありません。

「今後は、ソーシャルメディアを絡めた戦略が必要不可欠であり、組織内教育にも力を入れていく」と語る倉又氏。

▲「今後は、ソーシャルメディアを絡めた戦略が必要不可欠であり、組織内教育にも力を入れていく」と語る倉又氏。

ネット上では得られない生の情報を仕入れることができなければ、オリジナルの情報を発信することはできないですから。また、職種に関係なく『伝えたい』という強い気持ちを持っていることが大切。そして、『伝える』ためにはどんな手段があるのかと考えられる人であってほしい。NHK人事部が採用活動のキャッチコピーを『知りたがれ』としているように、知的好奇心を持って行動することが重要なのです」。時代が変われば求める人材も変わる。新しい人材が、放送とソーシャルメディアを融合させ、NHKをより身近なものへと変えてくれるだろう。

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Data
日本放送協会
  • 設立 1950年
  • 代表者 会長 福地 茂雄
  • 事業収入 6644億円(2008年度決算)
  • URL http://www.nhk.or.jp/

NHKは、公共の福祉のために、全国にあまねく放送を普及させ、豊かで良い番組による放送サービスを行っている。全国47都道府県に設置した放送局が、地域の課題を掘り下げ発信する地域放送。世界に向け、日本とアジアの情報、文化を発信する国際放送。そして、メディアの社会的な影響など放送文化の研究や、ハイビジョンのような放送技術の開発など世界をリードする研究・開発もNHKの大きな特徴である。

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