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袁紹軍の後軍に回り込んだライル達。空から敵に食らい付く。
第52話:エアストライク
徐州攻防戦は既に佳境へと入っていた。練度で圧倒的に劣る袁紹軍は猛者達が揃う劉備軍に敵う筈がなく、各地点で確実に駆逐されていく。
袁紹の後軍は逃げ出す部隊が相次いでいたが、その部隊をライル達が見逃す筈が無かった。袁紹軍から見て左翼の上空からウルフパックの航空部隊が接近していた。

「グレイブ1から全機。敵部隊との接敵まで30秒だ。交戦に備えろ」
<了解しましたグレイブ1>
<グレイブ3了解>
<ファルシオン隊了解>

航空部隊の指揮官を任されている南郷のヴァイパーが低空で飛行する。残りの機体も同じ高度で彼に随伴する。

「久々の航空作戦だ・・・覚悟しておけ。動く敵がいたら吹き飛ばせ・・・袁紹軍を叩き潰すぞ」

無線で指示すると南郷のヴァイパーは編隊の先頭に就いた。

「我々の任務は降下地点の確保と、中佐達の援護だ。周辺には袁紹軍しかいない。劉備軍を喜ばせてやれ」
<ラジャー。攻撃を開始します>
<ガナー、制圧射撃始め‼>

編成の真ん中を飛行しているファルシオン隊のスーパーシースタリオンが搭載されているMk19 Mod3で地上で戸惑っている袁紹軍に攻撃を開始する。
降り注ぐ40mm高性能炸薬弾が地上に落着すると同時に爆発が相次ぎ、その爆発が発生する度に袁紹軍兵士が吹き飛ばされる。

「よし、まずは左の敵から片付けるぞ。ダンテ、低空から接近しろ」
「了解です大尉」
「グレイブ2、一緒に来い。グレイブ3は右翼を攻撃。4は側面を援護だ。了解か?」
<こちらグレイブ3、了解しました大尉>
<こちらグレイブ4、3に続きます>

グレイブ隊各機が役割を遂行する為に散開。南郷の機体も高度を落として攻撃態勢に入った。

「グレイブ1、攻撃開始‼」

南郷はトリガーを引き、機首に搭載されているM197 3銃身式20mm機関砲からM56A4 20mm焼夷榴弾を地上に撃ち込む。
焼夷榴弾が着弾したことで一部から出火し始め、その影響で直撃を免れた敵兵の体に火が付き、その場でのたうちまわる。

「旋回してもう一度だ‼」
「了解」

ダンテは指示に従い、機体を右に旋回させ、敵の上空を飛行しながらLAU-61D/AからM151 2.75in高爆発威力弾頭を広範囲に撃ち込む。
1発で半径50mの殺傷力を誇る上に、袁紹軍は固まっていたことで広範囲を攻撃したことによりかなりの数を一度に仕留めれた。
その攻撃した地点には跡形もなく吹き飛ばされた敵の残骸に身体の一部を失なって、苦し悶える敵兵の姿がある。

<グレイブ3からグレイブリーダー。着陸予定地点に敵兵が集結>
「確認した。全機、集結しろ。奴等を一網打尽にしてやれ」
≪了解≫

ライル達の着陸予定地点は小高い丘だが、今その付近に敵が逃げ込んで来ていた。流石に着陸予定地点に敵兵を残しておく訳にはいかないので、その周辺は完全に制圧する必要がある。
南郷は全ての機体を集結させて、機首を敵兵に向けさせる。

「全機、一斉攻撃‼」

全てのヴァイパーが一斉にハイドラ70で攻撃を仕掛け、敵を纏めて吹き飛ばすと、瞬く間に着陸予定地点を確保した。

「着陸予定地点確保‼ファルシオン隊は着陸して中佐達を降下させろ‼」
<こちらファルシオン1‼着陸します‼>
<ファルシオン1から2‼降下完了後に続けて着陸します‼>

着陸地点を確保したら、ファルシオン1が着陸して、後部ランプが解放されると同時にライル率いるハルバート隊が一気に飛び出して見えた敵兵を攻撃する。

<ウルヴァリンからグレイブリーダー>
「こちらグレイブリーダー‼」
<ハルバート隊は降下完了。これより行動を開始する。グレイブ隊は引き続き航空支援を実施せよ>
「了解です中佐‼」

ライル達を乗せていたファルシオン1は全員を降ろすと再び離陸して、上空からハルバート隊の援護に加わる。
ファルシオン2もエストック隊を降下させると彼等の直衛に就く。ここでのライル達の役割は2つ。退却を図ろうとする袁紹軍の後軍を国境まで追撃、中軍と前軍の逃亡阻止だ。

うまくいけば袁紹をこの戦で捕縛、もしくは抹殺できるかもしれない。袁紹が死ぬのは官渡の戦いから数年後だが、あのクソ野郎が今の時代に生きていても害あるだけ。
ならばさっさと退場して頂く。これがライル達が出した結論だ。
なんとか利用出来るとしたら、袁家の莫大な財産だろうが、袁家の財産の一部は七乃の計らいもあって確保出来ている。
つまりライル達や孫呉にとって袁紹は討伐対象でしかない。南郷も考えながらヴァイパーで敵を次々と仕留めていく。

<こちらウルヴァリン‼敵の数が多すぎる‼空から攻撃しろ‼>
「了解です中佐。目標の指示を」
<赤いスモークでマーキングした‼遠慮なく吹き飛ばしてやれ‼>
「ラジャー。攻撃します‼」

ライルからの支援要請を受けてすぐに急行する。ライルが指示した通り、赤いスモークの周辺に敵が仕掛けようてしていたが、煙の影響で思うように動けないようだ。
目標を捉えると、ヴァイパーのハイドラ70を斉射をすぐに行なう。放った弾頭は赤いスモークに吸い込まれるように落着していき、その地点にいた敵集団を纏めて細切れにする。

<いいぞグレイブリーダー‼支援に感謝する‼>
「了解‼支援を続行します‼」

その後もライル達は航空支援を受けながら袁紹軍の残存戦力を次々と仕留めていく。
袁紹軍はライル達の攻撃を前になす術なく次々と倒されていき、奴等の戦力は大半が駆逐されていた。
そして劉備軍と袁紹軍の最前戦でも決着が着こうとしていた・・・・・・・・・。
劉備軍の反撃で袁紹軍前軍は壊滅寸前だ。一刀も神龍双牙で次々と仕留めていく中、彼は袁紹軍で唯一の良心と出会う。
次回“真・恋姫無双 海兵隊の誇り,Re”
[決着]
北郷流の真髄、ここにあり。

ウェポンライブラリー
Mk153 SMAW
重量:7.69kg(16.92lbs)
全長:760mm(29.92in)
要員数:2名
口径:83mm
初速:220m/s
有効射程:500:m
照準 アイアンサイト、光学照準,暗視装置
アメリカ海兵隊や台湾海軍陸戦隊で使用されている肩撃ち式ロケットランチャー。名前のSMAWとはShoulder-launched Multipurpose Assault Weapon、肩撃ち式多目的強襲兵器の略。
照準と一体化した発射装置の後部に、弾薬ケースと発射管を兼ねたチューブを取り付ける構造になっている。多目的な用途に合わせてチューブも多様な種類が開発供給されており、随時組み合わせて使用できる。

米海兵隊は上陸・外征部隊という性格上、歩兵が十分な火力支援を得られない事が多い。そのため歩兵部隊自身が携帯できる火力支援兵器を要求した。それがSMAWである。

使用出来る弾頭は以下の3種類。
HEDP(The High Explosive, Dual Purpose):両用弾
HEAA(The High Explosive Anti-Armor):対戦車弾
SMAW-NE(Novel Explosive) :サーモバリック爆薬弾頭


ウルフパックでも軽量ということもあり、対攻城兵器や城壁・城門破壊などで使用されており、強襲作戦で真価を発揮している。


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