新店ではありませんが、ずっと納得行く味が出せず販売を休止していたというつけ麺がようやく形になり、再開する目途が立ったので試食会を行うとのこと。
正直なところあまり気は進みませんでした。なぜなら、そもそものつけ麺がよそのあるお店のアイデアをそのまま拝借したとしか思えないもので、あまり快く思っていない店だったためです。
しかしせっかく直々に声をかけてもらったので、何かお役に立てればと伺うことにしました。
当日はつけ麺とラーメンを試食させていただきました。
結論から言うと、どちらも僕の好みではありませんでした。スープや麺だけでなく、メニュー構成や使用している器までも疑問でした。またつけ麺に関しては、以前食べたときより悪い方向に進んでしまった印象でした。
お店のオーナーさんには正直に感想を伝えました。
褒めたくなる要素がありませんでしたし、こんなところで心にもないお世辞を言っても意味がないので、素人が生意気ですがダメ出しばかりです。もちろんダメ出しをするからには対案なりアイデアなりを出しました。あちらも真剣なはずですからこちらも真剣です。
素人考えですので浅はかだったりありきたりだったとは思いますが、そちらのお店では有効なアイデアもあったと思います。(手前味噌ですが)
そして後日。
そちらのオーナーさんがご自身のブログに試食会当日の様子を文章でアップされたのですが、それを読んで開いた口がふさがりませんでした。
そこには当日の参加者の反応と、読む人が読めば個人を特定できる程度の参加者の特徴やスペックがかいつまんで書かれていたのですが、その中で「美味しかった」という趣旨の発言をした参加者に対して、次回の来店時に味玉をサービスする旨が書かれていました。
…ついでに、ワタクシ路地裏男のことには一切触れられていません。いなかったことになっていますw 空気以下ですw
お店のブログですから不都合なことを書く必要はないと思います。僕の発言といえば否定的な意見ばかりでしたから書きようがなかったかも知れません。しかしあれだけ真剣に話したし、2時間余りの試食会の中でも一番暇な時間帯に伺ったらしいので、話の内容も他の参加者より濃かったのではないかと思います。
それなのに完全にスルーというのはなかなか露骨な反応だなと思うわけです。
僕のそういう扱いや前述の味玉サービスのエピソードから察するに、オーナーさんはつけ麺が概ね好意的に受け止められ、「美味しい」と言ってもらえる自信があったのでしょう。…そうならそうと言ってくれれば良かったのですが、僕もそこまで気が回りませんでしたw
…。
しかし真面目な話、お店の人の面前で「美味しい」と発言した人=良いお客さんという認識はどうなのでしょうか。タダで試食させてもらってお店の人に「どうですか?」って聞かれたら、場慣れしていない人は大抵「美味しいです」と答えると思うんです。
そういう意味では「美味しい」以外の反応の方がお店にとって価値があると思うのですが…。だってそこで満足したらそこで終わりじゃないですか。
それに、サービスというのも扱いが難しく、デリケートなものだと思います。例えば常連客なんかが手厚くされているのを見るとそれ以外の客はシラけるんですよね。同じものを注文したのに隣の人には味玉が入ってるとか、チャーシューが多いとか、そういうの。
そのお客さんが差し入れを持ってきたとかで明らかにサービスを受けてしかるべき状況なら別ですが。
常連客を繋ぎ止めたくてそういうことをするのか、日頃の感謝の気持ちなのか分かりませんが、美味しいと思っているお客さんはサービスなどしてもらわなくてもまた食べに来るはずだし、新規客を取り込んでいかなければお店は発展していかないわけで、そういう意味ではサービスする相手を間違っているとさえ言えるかも知れません。
ついでに言えば「味玉を入れればサービスになるだろう」「お客さんが喜ぶだろう」という発想も必ずしも正しいとは思いません。時と場合によってはサービスの押し売りだと思うし、ありがた迷惑になるケースも少なからずあると思うんです。
しかもそんなサービスをすることをブログで高らかに宣言することに、商売上どんなメリットがあるのでしょうか。
ちなみにそれと逆のパターンでブロガーなんかが「2回目の訪問でしたが自分のことを覚えてくれていて味玉サービスしてくれました!」とか書くのもダメですw そんなの恩を仇で返すようなものなのに、わりと見かけますが。
話が逸れました。
そんなわけでその試食会で僕が伝えた内容はすべて却下されたと思っていますし、そうであって欲しいです。これでちゃっかり採用されていたら面白くありませんが、どんなに感謝されても味玉サービスが関の山だと思うと、まぁどうでも良いですね。つくづく自分とは価値観が相容れないお店だと思わされました。
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