JR貨物梅田駅:商都支えた138年、15日営業終了 大阪最後の一等地、更地に

毎日新聞 2013年03月13日 大阪夕刊

JR貨物梅田駅(中央)。右はJR大阪駅=2013年3月13日、本社ヘリから小松雄介撮影
JR貨物梅田駅(中央)。右はJR大阪駅=2013年3月13日、本社ヘリから小松雄介撮影

 JR大阪駅北側にあるJR貨物梅田駅(大阪市北区)が15日、営業を終了し、138年の歴史を閉じる。駅機能は周辺2駅に分散され、跡地の17ヘクタールは旧国鉄債務処理の一環として売却される予定だが、売却先や具体的な使途は現在のところ未定だ。推定価格650億円。「大阪最後の一等地」と呼ばれ、再開発地区「うめきた」の2期区域として期待されてきたエリアだが、先行き不透明な船出となる。【安藤大介】

梅田駅で説明をする成宮禎治駅長。奥はグランフロント大阪=大阪市北区で2013年2月、望月亮一撮影
梅田駅で説明をする成宮禎治駅長。奥はグランフロント大阪=大阪市北区で2013年2月、望月亮一撮影

 38代目で最後の駅長となる成宮禎治さん(53)は、先行開発区域に建つ高層ビル群を眺めながら「縁の下の力持ちとして商都大阪を支えてきた駅だが、これも時代の流れ」と感慨深げに語った。

 梅田駅は1874(明治7)年、大阪駅貨物取扱所として開設。1928(昭和3)年に梅田駅と改称された。かつては石炭やセメント原料、現在は紙製品や飲料など、多種多様な物品を取り扱ってきた。16日以降、駅の機能は、新設の吹田貨物ターミナル駅(大阪府吹田市、摂津市)と、改装する百済駅(大阪市東住吉区)に半分ずつ移転される。

 梅田駅を中心とする旧梅田北ヤード24ヘクタールは87年に土地売却が決まった。このうち7ヘクタールはすでに「グランフロント大阪」として開発され、4月のまち開きを待つ。残る17ヘクタールは鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧国鉄清算事業団)が所有する。土地の価値は、過去に関西経済同友会が650億円と試算したこともある。

 跡地は約2年かけて更地にされるが、利用法は大阪府市や関西経済界による議論の真っただ中。ただ、高層ビル群を造るほどの需要はもはや存在しない、というのが一致した見方だ。緑地化が持論の橋下徹市長は府市の起債で土地を取得する意向を示しており、詳しい利用法はコンペで決める方針。同友会も緑地化に賛成し「大阪セントラルパーク(仮称)」構想を提言した。関西経済連合会は「暫定的に緑地にしたうえで、段階的に開発すべきだ」と主張する。

 緑地化案が相次ぐ背景について、日本政策投資銀行関西支店の福盛田真義・企画調査課副調査役は「大阪市内ではオフィスも商業施設も過剰供給で需要がない。緑地化しておけば後で手を加えて開発も可能となる」と分析している。

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