TPP参加:GDP3.2兆円底上げ 政府試算を正式発表
毎日新聞 2013年03月15日 20時19分(最終更新 03月15日 22時07分)
TPP(環太平洋パートナーシップ協定)担当相に就任した甘利明経済再生担当相は、15日夜の記者会見で、日本がTPPに参加した場合、10年後に実質国内総生産(GDP)を年3.2兆円(0.66%)底上げするとの政府統一試算を正式発表した。海外から安い輸入品が増えるため、農林水産物の生産額が現在の約4割に相当する3.0兆円減るが、輸出増加や消費拡大が補うとした。
経済効果の内訳でプラスに働くのは、消費による影響が3.0兆円(0.61%)、投資が0.5兆円(0.09%)、輸出が2.6兆円(0.55%)。一方、関税を撤廃すれば輸入が増えてGDPを2.9兆円(0.60%)下げると見込まれ、差し引き3.2兆円のプラスとなる。
試算はすべての関税を即時撤廃し、政府が追加対策を何もしない前提。実質GDPは毎年継続して増え、10年後に試算の数字に達する。甘利氏は「投資の自由化など、試算に表れない大きな潜在力がある」と強調した。【久田宏】