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【サッカー】

【目撃者】一見ピンチもザック監督には好機?

2013年3月15日 紙面から

 長友と本田、両主軸の不在。一見すればピンチなのだろうが、イタリア人指揮官の目には「好機」として映っているかもしれない。

 1996年、セリエA・ウディネーゼ監督時代。敵地のユベントス戦で開始早々、自軍のディフェンダーが退場処分を受けた。常とう手段は「4−4−2」の布陣からFWを1枚減らした「4−4−1」への変更なのだが、あえて3バックのまま攻撃姿勢を貫徹、3−0で大金星を挙げた。さらに、その次の試合で「3−4−3」を誕生させてセリエAを席巻した。危機から一転、「ザッケローニ」の名はイタリア全土にとどろいた。その逸話は、今も語り草となっている。

 2011年1月のアジア杯直後、ザック監督はシステム論に触れ、こう語っていた。

 「既に世の中にあるすべてのシステムを試した。新しいシステムやバリエーションは日々、探求している。サッカーは順位、結果ばかりに目がいって詳細は軽視しがちだが、自分の仕事は常にやっている」

 JFAハウスでのスタッフミーティングで、ザック監督は机上のペンや飲み物を規則正しく並べてチームのフォーメーションに見立てたり、ポジションチェンジや交代をさせたりして、すぐに「模擬ゲーム」を始めるという。

 選手としてのプロキャリアはない。ホテル業の専門学校で学び、民宿で生計を立てながら、少年クラブから指導者として道を切り開いてきた希少な人物だ。マイナスをプラスに転じさせる方法論、分析眼、そして決断力を持つ戦術家としては、いわば得意分野の域。こんな時こそ、ザック監督の手腕が見ものだ。

(松岡祐司)

 

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