宮城のニュース

75年の食事が一番ヘルシー 東北大などの研究チーム

 日本の家庭の標準的な1週間の食事メニューを1960年から15年おきに再現して凍結乾燥し、マウスに与えたところ、75年当時の食事が最も内臓脂肪を蓄積しにくく、糖尿病のリスクが低いことが分かった。東北大と岡山県立大の研究チームが実験した成果で、仙台市で24日開幕する日本農芸化学会で発表する。

 実験をした東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(脂質生化学)によると、75年の食事は、2005年の食事に比べ、タンパク質や脂質を魚介類や植物から多く摂取していた。相対的に肉類や牛乳・乳製品が少ないほか、ワカメやヒジキなどの海草が多く、バランスが取れている。60年の食事は米が非常に多く、塩分が多かった。
 都築准教授は「健康に良いとされる食品の流行を追ったり、サプリメント(栄養補助食品)に依存したりするより、食事の中で多様な食材を少しずつ取ることが重要だ」と話している。
 実験は、厚生労働省の国民健康・栄養調査に基づき、60年、75年、90年、05年の朝昼夕計21食分を再現。凍結乾燥、粉砕した粉末を3割だけ混ぜた混合餌を作った。
 さらに寿命が1年程度のマウスを使い、それぞれの年の食事ごとに、雄8匹ずつ4グループに離乳後から高齢期まで8カ月間、混合餌を与えた。
 その結果、平均体重は05年のグループを100%とした場合、90年は99%、75年は89%、60年は100%だった。内臓脂肪量も05年に比べ90年は77%、75年は46%、60年は86%で、75年が大幅に少なかった。
 75年の血糖値は05年の82%で、インスリン濃度が低くても正常だった。肝臓で脂肪の分解や燃焼を担う遺伝子の働きも75年のグループが最も良かった。


2013年03月14日木曜日


Ads by Google
宮城
RSS

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS