慰安婦問題についての朝日新聞の捏造がついに国会で取り上げられた、というような話。
朝日新聞だからって何でもかんでも叩いて否定したらあかんでしょ。
自分でよく読んだ方がええですよ。
3月8日の国会答弁を見ていて、正直に思ったこと。
まずは、維新の会、中山議員の動画。
日本が戦時中、女性をセックススレイブとした、
こんなことを言われていて、日本にとってこれ以上屈辱的なことはない、
という中山議員（維新の会）
そして、この動画に対し、賛辞を述べるコメントの数々。
「良く言った！偉い！」
「感動しました」
「ありがとう」
いやはや、参りました。
次々に中山議員が持ちあげられているぞ？
というより、何か日本ばっかり悪く言われるのが嫌だ、という人たちの支持を獲得しただけか？
これは、1992年の朝日新聞の記事だが、女性を連れ去ろうとした悪徳業者を警察が取り締まった資料なんだ、
と中山議員は言っている。
実際の資料はこちら↓
（）は現代訳
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「軍慰安所従業婦等募集に関する件」
陸支密
副官ヨリ北支方面軍及中支派遣軍参謀長宛通牒案
（副官より北支方面軍および中支派遣軍参謀長宛通牒案）
支那事変地ニ於ケル慰安所設置ノ為
（支那事変地における慰安所設置のため）
内地ニ於テ之カ従業婦等ヲ募集スルニ当リ
（内地においてこれが（これの）従業婦等を募集するに当り）
故ラニ軍部諒解等ノ名儀ヲ利用シ為ニ軍ノ威信ヲ傷ツケ
（ことさらに軍部諒解などの名儀を利用し ために軍の威信を傷つけ）
且ツ一般民ノ誤解ヲ招ク虞アルモノ
（かつ一般民の誤解を招くおそれあるもの）
或イハ従軍記者慰問者等ヲ介シテ不統制ニ募集シ社会問題ヲ惹起スル虞アルモノ
（あるいは従軍記者、慰問者などを介して不統制に募集し社会問題を惹起するおそれあるもの）
或イハ募集ニ任スル者ノ人選適切ヲ欠キ
（あるいは募集に任ずる者の人選適切を欠き）
為ニ募集ノ方法誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等
（ために募集の方法、誘拐に類し警察当局に検挙取調を受けるものあるなど）
注意ヲ要スルモノ少カラサルニ就テハ
（注意を要するものが少なからざるについては、）
将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於テ統制シ
（将来 これらの募集などに当っては 派遣軍において統制し）
之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ
（募集に任ずる人物の選定を周到適切にして）
其実施ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連繋ヲ密ニシ
（その実施に当たっては 関係地方の憲兵および警察当局との連繋を密にし）
以テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス
（軍の威信保持上ならびに社会問題上遺漏なきよう配慮相成たく依命通牒す）
陸支密七四五号 昭和十三年三月四日
（陸支密第745号 1938年（昭和13年）3月4日）
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これにはどこにも、悪徳業者を取り締まれ、と書いていないが…。
恐らく、
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誘拐ニ類シ警察当局ニ検挙取調ヲ受クルモノアル等
（誘拐に類し警察当局に検挙取調を受けるものあるなど）
注意ヲ要スルモノ少カラサルニ就テハ
（注意を要するものが少なからざるについては）
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この部分を都合よく解釈して、
軍の威信を傷つける悪い奴がいるから取り締まれ、
という指示だと、物語を勝手に作ってしまったのだとは思うが…。
実際はそうではない。
これについては、自分は京都大学永井和教授の論文を参考にしている。
http://nagaikazu.la.coocan.jp/works/guniansyo.html
この通牒が出される前の話。
参考になる資料として、
和歌山県知事発内務省警保局長宛「時局利用婦女誘拐被疑事件ニ関スル件」
（1938年2月7日付）
がある。
1937(昭和12)年末から翌38(昭和13)年のはじめにかけて、
日本各地で女性を誘拐まがいの方法で海外へ連れ出そうとしていた周旋業者（女衒）が
取り調べを受けるという事件が起こっている。
（山形、宮城、群馬、茨城、和歌山、高知県）
しかし、取り調べを受けた周旋業者たちは、
いずれも、軍から依頼されたことを警察に訴えている。
上記資料によると、不審に思った警察（和歌山県田辺警察署）は、
ことの真偽を確かめるために軍に訪ねた。
その結果、軍が（慰安婦を）集めているから、
便宜供与してくれという依頼が軍と政府から来ていることが判明し、
田辺警察署は、取り調べ中の容疑者を釈放しているのである。
さて、この通牒は、誰が何のために出したものなのか？
そもそも、
「軍慰安所従業婦等募集に関する件」
として、軍が出しているものでしょ？
後半部分に、何と書いてありますか？
良く読めばわかります。
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将来是等ノ募集等ニ当リテハ派遣軍ニ於テ統制シ
（将来 これらの募集などに当っては 派遣軍において統制し）
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これらの募集、とあるが、これは何を指しているか？
当然軍慰安婦の事である。
それを派遣軍において統制せよ、という指示である。
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之ニ任スル人物ノ選定ヲ周到適切ニシ
（募集に任ずる人物の選定を周到適切にして）
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（慰安婦の）募集に任ずる、とあるが、誰が任命しているの？
これもやはり軍が慰安婦募集業者を任命していた、ということでしょう。
人物の選定を周到適切に、とあるが、業者は良く選定して選べということでは？
さらに、
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其実施ニ当リテハ関係地方ノ憲兵及警察当局トノ連繋ヲ密ニシ
（その実施に当たっては 関係地方の憲兵および警察当局との連繋を密にし）
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
その実施、とあるが、これは何の実施？
軍慰安所の従業婦等募集の件について、の実施ということで間違いないでしょう。
さらに、その実施を憲兵と警察当局と連携して行えと指示しています。
では、なぜ軍はこのような通牒を出したのでしょうか？
それが、そのまま書いてありますね。
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以テ軍ノ威信保持上並ニ社会問題上遺漏ナキ様配慮相成度依命通牒ス
（軍の威信保持上ならびに社会問題上遺漏なきよう配慮相成たく依命通牒す）
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軍の威信保持と社会問題上、
募集においては派遣軍がしっかりと統制し、
憲兵、警察当局と連携を密にして、抜かりなく行え、ということなんですね…。
整理すると、つまり、
警察は軍の命令によって慰安婦を集めに来た業者に便宜を図り、釈放した。
（中山議員はこのことには全く触れない…。）
警察が女衒に協力した、このような事件があった後に、
1938年3月4日
『軍の慰安所従業婦等募集について』
という通牒が出されたわけですね。
だから、女衒の逮捕記事は1938年以降、どんどん減って、
1941年以降、1945年の敗戦まで、女衒を逮捕した記録はなくなっているというわけです。
ゆえにこの通牒は、軍の命令によって慰安婦が集められている事を告げ、
便宜をはかるように述べたものであると同時に、
それが世間に知れることを恐れたための措置であることがわかるのです。
かたや、同じ日に安倍首相に質問している辻本議員は、と言うと？
安倍総理は河野談話を変えたいと思ってるみたいだけど、
こんな風に国会内でも反対してくれる人がいるのはありがたい。
しかし、コメントを読んでみるとまたずいぶんと嫌われたもんだね～。
「マトモじゃない」
「この人、何？」
「半島に帰れ、朝鮮人」
などなど、聞くに耐えない罵詈雑言が浴びせかけられている。
別に変なこと言ってないけどな～、
むしろ、随分としっかりしたことを言ってるようにも見えますが。
そう言えば、自分も歴史認識のことを書くと
「本当に日本人？」
みたいなこと書かれたな～。
なるほど、歴史修正主義を唱える人間は、どうも、
都合の悪い人間をみんな
「日本人ではない」
という結論で片付け、自己矛盾を解決しているようですね。
統一教会内だと、辻本議員は左系議員だと言われて嫌われてたような気もするけど、
応援したい気持ちになったな。
頑張れ～、辻本議員！
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