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韓牛の半分は釜山から
写真は牛市の光景
韓牛は世界的にも優秀な品種です。性質をあげると1.性質が温順で使いやすいこと
2.体が大きく粗食に耐え、羅病に強いこと
3.動作が活発で荷を運んだり曳く能力が高いこと
4.繁殖力が高く、成長が早いこと
5.皮の質が良好で加工に適していること牛は農業経営上なくてはならない財産ばかりではなく
市場での金融手段として重要なものでした。
毎月数回の市が全国各地で開かれて流通していました。
市は1日と6の日とか 2日と7の日とか地域によって定まって開かれていたのです。牛契といって牛の購入や繁殖を目的とする互助組織や、富豪や地主が耕牛を
貸す預託制度など活発に行われていました。
朝鮮総督府統計年報より
年号 年 頭数 明治 43 703,844 44 906,057 大正 1 1,040,720 2 1,211,011 3 1,338,401 4 1,353,351 5 1,353,108 6 1,384,609 7 1,480,037 8 1,461,660 9 1,489,979 10 1,524,134 11 1,607,707 12 1,610,097 13 1,605,072 14 1,590,808 昭和 1 1,594,894 2 1,586,418 3 1,569,722 4 1,585,526 5 1,611,585 6 1,637,019 7 1,664,435 8 1,663,135 9 1,671,185 10 1,679,470 11 1,702,979 12 1,713,249 13 1,717,751 明治43年の日韓合邦までは朝鮮全土で牛の飼育総数が
約70万頭になっていましたていました。牛の質が高いことに着目した朝鮮総督府は畜産奨励策を
推進し3倍の270万頭を目標にかかげ
大正9年には2倍の140万頭に達することができました。
昭和13年以後の総督府年報がないため それ以後の数字は
不明ですが 増加していると予想できます。
敗戦で朝鮮総督府の保護が消えると韓牛の数は減小します。
そして不幸な民族同士の争いである朝鮮戦争(1950)でさらに
半減するのです下記の統計は全国ではなく慶尚南道の韓牛の統計です。
年度 頭数 1948 133,601 1950 77,204
牛の輸入の最初は明治17年に約30頭を大分の商人が釜山から入れたのが始まりです。
その後10数回の牛疫の流行があり日本各地で数万頭が
失われました。その原因が朝鮮から持って来た牛にあるの
ではとの疑いが高く検疫の必要性が叫ばれました。釜山、仁川、鎮南浦、清津、元山に検疫所が設置され
自由な移動は禁止されました。明治44年釜山の南の岩南洞に獣疫血清製造所が作られそこで牛疫予防液が作られていました。
写真は釜山鎮にあった釜山検疫所の全景
年度 総移出頭数 釜山取扱数 割合 明治42 737 737 100 明治43 1,312 1,312 100 明治44 2,224 2,224 100 大正1 3,938 3,938 100 大正2 8,514 8,514 100 大正3 13,214 13,214 100 大正4 10,927 10,927 100 大正5 19,770 14,821 74.9 大正6 29,954 23,669 79.0 大正7 38,895 31,216 80.3 大正8 42,678 29475 62.0 大正9 55,326 35,813 64.7 大正10 43,414 34,915 80.4 大正11 40,161 31,391 78.1 大正12 48,669 34,770 72.4 大正13 61,225 39,663 64.8 大正14 48,813 31,291 64.1 昭和1 47,749 37,082 77.7 昭和2 43,128 34,179 79.3 昭和3 59,032 41,707 70.7 昭和4 55,068 31,444 57.1 昭和5 37,044 22,127 59.7 昭和6 43,218 24,932 57.7 昭和7 56,896 30,923 54.4 昭和8 68,510 38,869 56.7 昭和9 69,410 40,744 58.8
牛の買付けは5人の朝鮮人の仲買問屋が全国の市を回り
貨車で釜山の検疫所に運ばれてきました。検疫所で12日間 飼育され、消毒、採血検査を受けることに
なっていました。
検査を終了した牛の角に釜山検疫所の印「S」を付け出荷
されることになります。仲買人(金性學、李英俊、朴致五、黄世鶴、李龍根)
検疫所前に停泊した牛専用輸送船「日朝丸」です。
この船で韓牛が下関の福浦港に運ばれましたそこで規定の検疫期間の5日飼育され全国に出荷されました。
昭和9年 韓牛の出荷先
府県 総移出頭数 釜山取扱数 割合 兵庫 8,940 8,839 98.8 香川 11,330 8,504 75.0 広島 9,500 7,624 80.2 山口 13,420 6,895 51.3 大阪 5,036 4,006 79.5 奈良 2,211 2,211 100 高知 1,640 1,620 98.7 岡山 958 127 98.7 長野 310 270 87.0 東京 4,321 38 0.8 大分 361 37 10.2 埼玉 401 0 0 福井 10,023 0 0 その他 1,059 573 54.1 合計 69,410 40,744 58.7
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