再生の原風景 渡良瀬
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【社会】渋谷の顔 地下化で一変 消える戦後モダニズム建築2013年3月15日 13時53分
東急東横線渋谷駅の地下化を契機に「渋谷の顔」も表情を変える。壁面広告がスクランブル交差点を見下ろす東急百貨店東横店の西館。さまざまな幅の窓がバーコードのように並ぶ南館。フランス建築界の巨匠ル・コルビュジエに学んだ建築家坂倉準三(1901〜69)の設計だ。東横店は高層ビルに生まれ変わり、戦後のモダニズム建築は姿を消す。 (小形佳奈) 壁面広告がスクランブル交差点を見おろし、西館の建物横から東京メトロ銀座線が飛びだしているかのような景色が広がる。巨大広告に掲載されることが、スターを夢見て上京する若者の目標にもなった。 東口バスターミナルに面した南館を含め、「多くの人が『渋谷駅』とイメージしているのは、東急東横店の外観」。JR、東急など複数路線が乗り入れる複雑な構造を近著「迷い迷って渋谷駅」で紹介する昭和女子大の田村圭介准教授(建築計画意匠)が話した。 東横店のうち、最初に解体される東館は、東京・銀座の和光を手掛けた渡辺仁の設計だが、西館、南館と、JR線をまたぐ跨線廊(こせんろう)は坂倉の設計。昨年四月にオープンした渋谷ヒカリエの敷地に二〇〇三年まであった東急文化会館と連絡通路も坂倉作品だ。田村准教授は「バスや都電のために地上を使い、人間は空中を歩く連絡通路は、コルビュジエの影響が大きかった」と指摘する。 現在では当たり前となった「駅ビルが駅舎」の黎明(れいめい)期を築いた坂倉。その代表作である東急東横店の跡地は、今後十四年かけ、地上四十六階建てを筆頭とした高層ビル群に生まれ変わる。再開発で坂倉の作品群が消えるにつれ、坂倉の存在感は大きくなるかもしれない。 (東京新聞) PR情報
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