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長崎仏像盗難 韓国の寺の僧侶らが来日
長崎・対馬市の観音寺から盗まれ、韓国で見つかった「観世音菩薩坐像」をめぐって対立が続く中、14日、仏像は数百年前に自分たちの寺から日本が略奪したと主張する韓国・浮石寺の僧侶らが来日した。
僧侶らは、仏像は返せないが、感謝の気持ちをこめて贈り物を持ってきたという。贈り物とは、小さな仏像と浮石寺のマスコット。マスコットは、浮石寺で一体1万ウォン(約870円)で販売しているものだという。僧侶らまた、「仏像を失った喪失感や痛みがわかる」と、いたわりをつづった手紙なども持参した。
僧侶らは14日正午頃、観音寺に到着したが、観音寺はもともと無人の寺のため、誰とも面会できなかった。
観世音菩薩坐像は、1330年、高麗時代の朝鮮半島で作られたとみられ、長崎県の有形文化財にも指定されている。
浮石寺の僧侶らは14日午後に開いた会見で、「私たちは、仏像を『本来の場所』でまつりたいと思っている」と話し、改めて浮石寺に仏像を安置したいと主張した。
一方、対馬市側は、略奪ではなく、交易などの中でもたらされたのではないかと正当性を主張している。
対馬市教育委員会文化財課・村瀬達郎主事は「当時、朝鮮半島では儒教を国の宗教としていたので。仏教が弾圧された。対馬の信仰心のあつい人たちが、保護するためにもらったりとか買ったりした可能性はある」
また、菅官房長官が14日に「日本に返却するよう、外交ルート通じて韓国政府に対してすでに要請していますから、そこは全く変わることはない」と述べるなど、日本政府も、速やかに返還されるよう、引き続き働きかけていく考えを示している。
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