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東京の風疹患者 去年1年間を上回る
3月13日 23時51分

東京の風疹患者 去年1年間を上回る
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妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんに障害が出るおそれがある「風疹」の東京都内の患者数が、すでに去年1年間の数を上回り、専門家は、春休みなどで人の移動が多くなるのに伴って、流行が東京から全国に広がるおそれがあるとして、注意を呼びかけています。

東京都感染症情報センターによりますと、都内で今月10日までの1週間に風疹と診断された人は137人で、ことしに入ってからの患者数は合わせて762人となりました。これは、去年の同じ時期の50倍で、過去5年間で最も多かった去年1年間の患者数672人をすでに上回っています。
風疹は、妊娠中の女性が感染すると赤ちゃんの目や耳、心臓などに障害が出るおそれがあり、去年10月以降、6人の赤ちゃんに障害が出ています。
妊娠中の女性が風疹に感染したケースも相次いで報告されており、東京都は、夫など妊婦の周りの人が予防接種を受けるよう呼びかけています。
感染症に詳しい国立国際医療研究センター国際感染症センターの大曲貴夫医師は「都市部で流行するというのは、これだけ交通が発達しているなかで、どこでも伝わりうるということなので、全国できちんと対策を打つべきだ」と話しています。

4人に1人抗体不十分

風疹が流行するなか、妊娠中の女性の4人に1人は風疹ウイルスに対する抗体が不十分という調査結果がまとまり、産婦人科の医師は、妊娠を希望する女性はワクチンを接種するよう呼びかけています。
この調査は、東京・練馬区にある産婦人科クリニックの中尾佳月医師らが行ったもので、平成22年までの5年間に受診した妊婦について、風疹ウイルスに対する抗体がどの程度あるかを調べました。
その結果、妊婦875人のうち239人、27.3%が、抗体の程度を示す数値が低い状態で、およそ4人に1人が風疹に感染する可能性があることが分かりました。
また、35歳以上と34歳以下で比べると、数値が低い人は、▽35歳以上は32%、▽34歳以下は24%で、中尾医師は、35歳以上の人は、予防接種をしていても、時間の経過とともに抗体が減っている人が比較的多いのではないかとみています。
風疹は妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんに障害が出るおそれがあるため、このクリニックは、妊娠を希望する女性に検査をして抗体が不十分な人にはワクチンの接種を勧めています。
調査した「ウィメンズ・クリニック大泉学園」の中尾医師は「子どものころ予防接種を受けた人でも抗体が不十分な人が想像以上に多い。妊娠を希望する女性は妊娠前にワクチンを接種し、すでに妊娠している女性はマスクをして人混みを避け、家族に予防接種を打ってもらいたい」と話しています。

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