【動画】3月末で閉鎖されるJR貨物の梅田駅=千葉雄高撮影 |
【千葉雄高】JR貨物「梅田駅」が15日、最後の列車を見送り、85年の役目を終える。17ヘクタールもの跡地は、旧国鉄の借金返済のため売却される予定だ。「大阪最後の一等地」だが、利用法はまだ決まっていない。
JR大阪駅の北、高層ビルに囲まれた土地に、レールが扇状に広がる。梅田北ヤード、愛称「うめきた」だ。1日に出入りする定期貨物列車28本、コンテナ約1千個。荷の積み下ろしをする荷役線に架線はなく、ディーゼル機関車「DE10」が荷を運ぶ。
駅は1928年、大阪駅から分離し、貨物専用の「梅田駅」として誕生した。当時、荷物は構内に掘削された掘割(ほりわり)(水路)で船に積み替え各地へ運ばれた。
掘割は62年、トラック輸送転換のため埋められる。高度経済成長で駅の取り扱い貨物量は激増し、ピークの70年代前半には年間約360万トンに達した。が、2011年度は114万トンにまで減っていた。
駅職員の松本敏夫さん(62)は、小学6年の時、文集に「国鉄に入って鉄道マンになる」と書いた。父親が若いころ駅で働いた経験があり、自宅に船や馬車が行き交う貨物駅の写真があった。
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朝日新聞社会部