地元企業が用意した公衆無線LANを使えるようにする機器=名古屋市中区大須で
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若者や外国人買い物客の姿が目立つ名古屋市中区の大須商店街が今月、地元企業や店舗の協力を得て、ほぼ全域で無線の構内情報通信網(LAN)を使える「フリースポット」になった。外出先でスマートフォンなどの携帯端末を使って店舗検索する人が増えており、検索などの速度が速くなる利点がある。大須商店街連盟では「街の情報発信にも効果的。訪れた旅行者にもっと大須を楽しんでほしい」と話している。
無線LANが使えるようになったのは、南北が赤門通から仁王門通、東仁王門通まで、東西が大津通から大須観音まで。場所や時間帯によってLAN回線に接続しにくい場所もあるが、連盟に加盟している商店街のほぼ全域を網羅した。フリースポットのウェブサイトで事前にメールアドレスを登録することで、誰でも無料で利用できる。
広域フリースポット化は昨秋、大須に本社のあるコンピューター機器会社「バッファロー」が地域貢献の一環で連盟側に提案した。店舗内でインターネットを使っている二十五店に、無線LANも使えるようにする機器を提供。店外の通行人でも回線に接続できるようにした。
機器の交信範囲は半径数十メートル。各店の範囲を数珠つなぎすることで、広域に対応した。若者が集まる「ふれあい広場」では、大須に本社のあるNTT西日本−東海も協賛し、ネット回線をひいた。
大須では以前から地元企業や個人商店、通信会社が局所的にフリースポット化を進めてきたが、商店街連盟を巻き込んだ広域化は今回が初めて。
連盟情報化委員長の山盛明博さん(51)は「スマホがさくさく使えると、お店の検索にも効果的。今まで以上に街の魅力を知ってもらえることにつながる」と話している。
(竹田佳彦)
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