復興庁のまとめ(2月7日現在)によると、東日本大震災で岡山県内への避難者は中四国最多の905人。1年前と比較した伸び率は40%で、中四国で突出して高い。東北地方の被災者の割合は下がり、安心や安全を求める関東地方からの自主避難者が増える中で、災害の少なさや暮らしやすさで岡山が選ばれているようだ。
復興庁の統計は、市町村の窓口で避難者登録した人が対象。県内への避難者は、昨年2月には646人で、その後も着実に増えてきた。
中四国の他県では、広島578人(前年比11%増)、鳥取203人(同7%増)など4県が微増か横ばい。徳島88人(同47%減)山口163人(同18%減)など4県では減少している。全国的にも減少する中で、岡山県の伸びが際立つ。
元の居住地が把握できる総務省・全国避難者情報システム(7日現在)によると、関東からの避難者は55%を占め、東北からの44%を上回る。12年6月に初めて人数が逆転し、関東と東北の人数差は拡大を続けている。
関東の内訳では、東京、千葉、神奈川、埼玉など南関東が上位を占める。地震や津波の住居被害は少ない地域であることから、大半が福島第1原発事故を受けた放射線被害などを懸念する自主避難者とみられる。
県が東京都内で開く移住相談会は開催ごとに人数が増え、今年1月には過去最多の家族100組が来場。自主避難希望者も多く訪れたとみられる。会場でのアンケートでは、岡山を希望する理由は「災害が少ない」「気候が温暖」が多かった。