警察の新たな勘違い(遠隔操作ウィルス事件)
2013/03/14 01:25:00

[info]メカAG
昨日の弁護士の記者会見を見直してて気づいたのだが、警察はDropboxについても何かとんでもない勘違いをしてるのではなかろうか。

記者会見で弁護士が、容疑者個人がもっているDropboxのアカウントと、ウィルスが格納されていたDropboxのアカウントについて、警察が混乱しているのではないかと述べていた。

最初俺はピンとこなかった。いくら警察がIT音痴でも、そんなこと…いや、でもありえるかも。

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容疑者自身Dropboxのアカウントを持っているそうだ。まあ別に珍しくないだろう。Dropboxは便利だ。警察は容疑者のパソコンとか調べているはずだから、容疑者がDropboxに自分のアカウントを持っていることを知っているはず。

でもこれと真犯人がウィルスを置いていたDropboxのアカウントは違うアカウントだと思うのだよね。もし同じアカウントでやってたら真犯人は相当間抜け(笑)。

弁護士も容疑者との話で、警察は両者を区別できてないんじゃないか?みたいな話をしていたから、容疑者は自分のアカウントからウィルスが出てくるわけないと思っているのだろう。だから警察はちゃんと調べてくれ、と言っているように俺には聞こえる。

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ところが警察はそういうことが全然わかってないのではなかろうか。容疑者はDropboxにアカウントを持っている。FBIの調査によるとDropboxからウィルスが発見された。これはもう容疑者が犯人である証拠だ!とか、例によって早とちりしているのでは。

あるいは警察発表を聞いている記者の人たちもこの辺りよくわかってなくて、まるで容疑者のアカウントからウィルスが発見されたかのように思い込んで記事を書いているのではないか。

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こんなことはいまさら説明する必要もないはずのことだが、Dropboxはそれぞれのユーザーごとにアクセス権がわかれたサーバーだ。言ってみればメールサーバーと同じで、俺が他人のメールを読めないように、Dropboxのあるユーザーは別のユーザーのファイルを読み書きできない。

ただ他のユーザーにも読み書きできる設定をすることができる。真犯人は自分のDropboxのフォルダにウィルスを置き、それを被害者がアクセスできるように設定し、ダウンロードさせた。

しかしそれとDropboxの他のユーザーのアカウント(容疑者の個人的なアカウントも含む)は、全然別なのだから、それが容疑者が犯人である証拠にはならないということ。そんなことを言い出したらDropboxの利用者は全員犯人だということになりかねない(笑)。

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思うに警察の内部で伝言ゲームになってるのではなかろうか。「FBIからDropboxにウィルスがあるという連絡が来ました」という情報と「容疑者はDropboxのアカウントをもってます」という情報が、伝言ゲームのどこかで一緒になって、「FBIの調べで容疑者のDropboxのアカウントからウィルスが発見されました」という情報になってしまってるのではなかろうか。

そうとでも考えないと、なんで警察がこんなにDropboxにこだわるのか理解できない。だって何度も言うけど真犯人は被害者にDropboxカラウィルスをダウンロードさせたんだから、Dropboxにウィルスが格納されてるなんて当たり前じゃん。わざわざ捜査する必要もないほど自明な事実。

まあわかりきったことでも、確認のために捜査するのはいいことだけど、その結果をことさら何かすごい証拠が発見されたかのように騒ぎ立てる意図がわからない。

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繰り返しになるけど容疑者のDropboxのアカウントからウィルスが発見されたなら、すごい証拠になる。でも違うよね。真犯人のDropboxのアカウントからウィルスが発見されたというだけ。それは容疑者が真犯人である証拠にはぜんぜんならない。現場の人間はともかく、警察の上層部の人間はこの辺、勘違いしている可能性が高いように思える。「おお、どんどん動かぬ証拠が固まってきたな!」とか思ってるのではあるまいか

だいたいそんなに有力な証拠なら1個見つかれば十分なはずで、なんで警察は新たに見つかるたびに自慢してるのか、さっぱりわからん。自分でも有力だとは思ってないからではないのか。

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