ラノベに王道ありさんの質問 2013年03月01日
相談掲示板やまとめサイトを見ていてよく不思議に感じるのですが、主人公を大学生にしようとしたり、中世ヨーロッパの世界を緻密に再現した作品を書こうとしたりするのには、なにか絶対にそうしなければならないという必然的な理由でもあるのでしょうか?
例えば大学生主人公ですが、「大学生が主人公のライトノベルはなぜ少ないのか?」にもあるようにメリットよりもデメリットの方が多いです。
「大学生なら酒や車やタバコを登場させられるのに…」というのはリンク先のリンチェさん含めよく出てくる意見ですが、そもそもそういったものを嗜む主人公は少年向けの物語に求められていないと思います(少年誌の主人公がその最もたる例でしょう)。
ゴルゴ13のようなハードボイルドを目指しているのならともかく、「飲酒や喫煙をする若者」で思い浮かべるのは普通はヤンキーやチャラ男ですよ。
また、RPG的世界観への反発からか「中世ヨーロッパにおける水利用について 」のように(カクテルさんへのイヤミのつもりはありません。最初に目に入っただけです)当時の政治・経済・社会情勢や風俗や衛生環境などを正確に描写しようとする人が大勢いる(「小説家になろう」もそうですね)みたいですが、今人気の作品の中にそういったものがどれだけあるのでしょうか?
もちろん「狼と香辛料」や「まおゆう」のような作品もありますが、それらはむしろレアケースですし、幻想を壊す現実性までは流石に入れてません。売れる作品とはそういうものです。何より、ほとんどの作品は厳密性よりも娯楽性を追求してます。
上の二つから見えてくるのは、「多くの住人は市場調査を怠っているのではないか?」ということです。
最近のライトノベル(一般文芸ではなく!)を読んでいれば「主人公がおっさんの作品はどうでしょうか?」とか「舞台がスペインなのはどうでしょうか?」なんてナンセンスな質問は出ません。
本当に出てくるべき問いは「どうやったら萌えキャラが書けるんだろう?」や「今売れてる作品に共通する要素は何だろう?」の類です。
確かに、最近のラノベは以前にも増して露骨に萌えを狙ったり、RPGをそのまま文章化したようなのが増えましたが、逆に考えれば「萌えやRPG的描写はラノベの型」なのではないでしょうか?
「俺は美少女に飽きた!ヒロインは熟女にする!」と言ってみせたところでゲテモノしかできません。
「魔法の属性が火・水・氷・風・雷だけって少なすぎだろ!」という批判に応えた結果が「あの」ラストリベリオンです。
型を身に付けずにラノベを書いてみせたところで、それは単なる「型無し」ではないでしょうか。
だからこそ聞きたいんです。そうまでして厳密性にこだわる理由は何か、と。
挑発的なスレタイでしたが、みなさんの意見お待ちしてます。
●答え●
わかります。
でも無駄ですよ。
それを言うとここの方々は「ラノベが衰退する」だの「書きたいものを書くのが創作では?」とか言って逃げますから。
「売れ線ばかり狙っては~」もよく言いますね。作家志望の方々は。ここに限った話ではないですが。
中にはちゃんと解ってる人も居ますよきっと。
信じて待ちましょう。
こんにちは、底辺 従助です。
中々面白い意見ですね。何というか、胸に刺さります(笑)
2005年発行の「ライトノベル完全読本」vol.2(日経BPムック)の「対談 夢枕獏×秋山瑞人」の中から、一節を引用します。
『秋山 小説を書こうとしている人たちのサイトを見ていると、マーケティング論みたいな話をしているんですよ。この人たちは編集者になりたいのかな? と思ってしまいます。賞が取れなくても「俺はこれが書きたいんだ!」というものがあれば、ちゃんと編集者は見てくれますよ』
「ライトノベル完全読本」vol.2 秋山瑞人
対談なのでこの一節だけ抜き出してみても、真意を推測することは不可能かもしれませんが、こういう考えも一つだと思います。
自分なりの見解を一言で言うと、多様性の保持です。
確かに売れる作品に共通するポイントはあると思いますが、皆が一律に同じような作品を書いても面白くありません。個性やこだわりと、ライトノベルに盛り込むべき売れ線の要素の、融合点を探して皆苦しんでいる、ということだと解釈しています。
追記すると、人気作の焼き直しや劣化コピーで終わりたくない、というのもあるでしょう。
ソースは分かりませんが、新人賞の応募作の中には、流行している人気作品に強い影響を受けた小説が一定の割合で存在する、という噂を聞いたことがあります。
後は、プロ作家になったら嫌でも売れる物を書かなければなりません。好きな物を書けるのはアマチュアの間だけで、万が一プロの新人作家になったら、編集者のテコ入れが入ります。
自分なりに売れる要素を付加した上で、書きたい物を書いて編集者の目に止まる位の実力がないと、結局は付け焼刃で終わる可能性もあります。
また、創作自体は自由なものです。
プロとして人を楽しませる為には、自己満足ではいけませんが、自分の満足できない作品を作らなければいけない、という決まりはありません。
意見は面白いと思いますが、じゃあその通りに書けば作品が確実にレベルアップするかと言えば、断定はできません。
レベルアップしたとして、作家本人の心が満たされないとしたら、そこに幸せがあるかどうかは分からないです。
なるほどと思えるなら他者の意見も参考にすべきですが、創作とは作家本人の自由意思に基づいてなされるものだ、と僕は思っているので、それぞれが自分の意志と判断で、自由に書き続ければそれでいいと感じています。
自分が読みたい小説を書くというのも、モチベーションの維持を思えば、一つの方法論だと思います。主に文章を書きたいと思えなくなった時、物書きは筆を折りますからね。
個人的に意見は面白いと思ったので、胸に刻んでおきます。
まあ、こんな考えもあるということで、どうかご寛恕を願います。
どこまで歩みを進めているかも、これからどこまで歩むかも、人それぞれってことです。
純金と申します。
ここに投稿している人間が、皆が皆作家志望と思ったら大間違いということです。
中には、大真面目に奇をてらって一般文芸崩れを書いて、賞を取ってやろうと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、少なくとも大半の利用者は書きたいように書いてるだけだと僕は思います。
本気でラノベ作家になりたいわけでも何でもない人間に向かって、『何でお前そんな売れなさそうなのばっか書いてるの?』とか、『何でそんな細かいことにこだわってんの?』なんて、それこそ大きなお世話ではないでしょうか。
これはラノベに王道ありさんの求める回答ではないことは重々承知ですが、一利用者として意見させて頂きました。
> それを言うとここの方々は「ラノベが衰退する」だの「書きたいものを書くのが創作では?」とか言って逃げますから。
どうして質問に対して素直な回答を返すことが『逃げ』になるのでしょうか。
流行や娯楽性そっちのけで自分の好みや興味を優先させてしまうのは、ここの住人さんに顕著なのかワナビ全体に散見される傾向なのか、それはわかりませんけども、
『萌えとか女の子とかよくわからないんで』
『最近のラノベの媚びてる感じが嫌なんで』
『でもラノベが書きたい』
↑何を言ってるの???? と思ったことはあります……。
このサイトでも「ラノベはおもしろければ何でもあり」と繰り返し主張されてるわけですが、何をもって「おもしろい」とされるジャンルなのかは名作や人気作の分析など各々が調べないといけないですよね。
ただラノベの型であるRPG的世界観に反発が見られると言いますが、時代考証や現実のいろいろな事例を調べる関連の質問などは、その後の発想や創作に活きることも多いですし、本末転倒に陥ってるのでなければ僕はおかしいことではないと思いますが。
勇者だの魔王だの王道ファンタジーを見せかけて実は…みたいな作品ももう食傷気味ではありますが、あれらは史実やメタを元に世間一般の固定観念やデフォルメ像を逆手に取る形で描かれたものです。
デフォルメ像をあげつらって「実はここが違う(ドヤァ」と描くだけの作品になってはいけませんが、娯楽性との兼ね合いを考慮した上でピックアップする題材を選び、知識収集した上で加工を施せばまだまだ無限大の可能性がありますし、そちらについては殊更問題として提起することではないように思われます。
供給過多。飽和状態。
つまり業界全体でネタ切れを起こしてるんです。
こんにちは。
逆に質問と言う形になってしまって申し訳ないですが、王道だけでやっていけるほど底の浅い世界なのですか?
> 自分なりの見解を一言で言うと、多様性の保持です。
> 確かに売れる作品に共通するポイントはあると思いますが、皆が一律に同じような作品を書いても面白くありません。個性やこだわりと、ライトノベルに盛り込むべき売れ線の要素の、融合点を探して皆苦しんでいる、ということだと解釈しています。
それは分かるのですが、肝心の「個性やこだわり」がラノベのスタンダードから大幅にズレているのではないでしょうか。
一般文芸を目指しているのならまだしも、前述したようにラノベで大学生主人公を積極的に採用するメリットはありません。逆に、中高生に支持される「何か」がありますか?あるのでしたら構いません。
ですが、実際のところは「もう中高生主人公に飽きたから」がほとんどでしょう。そういう人はそもそも感性がラノベに向いていないと思います。
例えば、「キャラは処女の方が良いのでしょうか?」や「許せるHなシーン」の2人の質問者さんは文面を見るとラノベを意識しているようですが、そもそも意識しているなら「ラノベにHはいらない」ことぐらいすぐに気づきます。そんなの分かりきったことです。中高生向けの読み物に性的シーンを出すことを「多様性」の名で正当化されても困ります。エロ本ですかラノベは。
底辺 従助さんの個性はこれとは違ったものかもしれませんが、多くのラノベ作家志望者はやたら(変な方向に)ハードな展開を入れる傾向にある気がします。それをずっと疑問に思っていました。
言いたいことはわかります。
ですが、皆さんの意見にもある通り、別に全員が作家志望ではありません。
>主人公を大学生にしようとしたり、中世ヨーロッパの世界を緻密に再現した作品を書こうとしたりするのには、なにか絶対にそうしなければならないという必然的な理由でもあるのでしょうか?
とありますが、綿密な仕組みを知っていれば、それに関連するものを元にして作品を作ることができます。
それにナンセンスかどうかなど、書いてみなければわかりません。
著者の腕にも依存しますし。
需要に合わないからナンセンス、という考えはただの思考の放棄です。
利用者の一意見でした。
> こんにちは。
> 逆に質問と言う形になってしまって申し訳ないですが、王道だけでやっていけるほど底の浅い世界なのですか?
底が浅い面はあるでしょう。是非はともかくとして。
王道からの脱却それ自体は否定しません。同じものばかり食べていては飽きてしまいます。
問題なのは、底辺 従助さん宛に書いたように「変な方向に王道を逸脱する」ということです。
「テンプレな萌えに飽きた!」という読者はそれなりにいるでしょうが、だからといって「キャラを非処女にしろ!」とか「ヒロインを30歳以上にしろ!」ということは求めていないでしょう。
ですから、ラノベで非処女ヒロインや萌え不在をやろうとすることが不思議なのです。そんな形で王道からの脱却をされても、読者としては「誰得なんだよこれ…」としかなりません。
こんにちは、紙飛行機です。
興味深い内容ですね。確かに王道(売れ線)から下手に外そうとして四苦八苦した経験はあります。僕的には「ラノベにおける王道要素を含ませながらも、他とは違う何かが目立った形で含まれていること」が大切なんだと考えています。
流行や王道に準ずるのは、個人的には間違っていないと思うのです。ここで上げられている要素って、言ってしまえば誰でも思いつくようなことじゃないですか「主人公を大学生にする」や「中世ヨーロッパの世界を緻密に再現する」とか
僕の場合はそれがオリジナリティであると誤解していましたが、違うなぁと最近は感じ始めてきたところです。結局は斬新な設定や発想があって、それに一番合わさる要素が大学生なり緻密に再現された中世ヨーロッパなら問題ないと考えているのです。
萌えやRPG的描写はラノベの型は広義だから、萌え(というか魅力を感じるヒロイン像)だって様々だし、結局はツンデレとかヤンデレとかあまり考えず、「こういう女の子って面白いな、こういう女性はカッコイイ!(男の場合も同じ感じ)」と書けば、自ずと今のラノベっぽくなって、なおかつそこに誰でも思いつくようなものではない要素を含んでいく、それが今のラノベの型ではないでしょうか?
○○がありふれているから馬鹿らしいから、俺は○○を書く。という理由で書くと、僕の場合はあまり満足できるものが書けたりはしませんね。○○でなければいけない、と考えるのもどうかと思いますが、そういう流れに反抗してワザとそういう要素を入れるのもどうかなぁ、と思う今日この頃。
結局は小説を書いて何がしたいかによるのではないでしょうか。
今は確かに高校生が主人公の学園ものが多いですが、10年前や20年前はそういったものは売れ線ではなかった。
そういうものを書けば今は売れるかもしれませんが、一方で次の売れ線は発掘できません。
マーケティングと言えば聞こえはいいですが結局はあとから理屈をつけているだけですから、参考にすることはあっても従わなければいけないものではありません。
たとえば大学生や社会人が主人公のライトノベルでも「こういう大人になりたい」という主人公を作れれば十分通用すると思いますし、ライトノベルを卒業した人向けのライトノベルがあってもいいでしょう。
特に今は趣向が多様化している時代だから、小説ならばロングテールを狙う戦略も十分ありだと思います。
結局は自分に書けるものを書けばいいのではいいと思います。
その結果ラノベっぽくなればラノベ作家としてデビューすればいいし、ぽくなければほかのジャンルからスタートすればいい。
どうも、サイラスといいます。スレが荒れているのでメールを使って投稿します。
まず、あなたの論点は、『技量がないのに無理にセオリーを外そうとするのか』『マーケティングをきちんとしないで奇抜さを狙うか』ということでお話を進めさせていただきます。
簡単に言うと、デビューするにしても、売れるにしろ、作家にオリジナリティーが要求されているからです。
確かに、マーケティングをすれば、売れる要素は出てきますが、それをやると、ほとんど似たような作品になりますし、読者からもすぐ飽きられてしまいます。セオリーも一緒で、やっぱり読んでいくと、読者自身も感覚が肥えていき、下手すりゃ、次の展開が読めていき、だんだんつまらなくなっていきます。
それを防ぐために、オリジナリティーとして様々な型破りや厳密性が求められていきます。
ただ、このオリジナリティーというのも、すぐにセオリーになってしまうほど、今のラノベやエンターテイメントの現状で、オリジナリティーを求めていくとどうしても、突飛な所に行かないと行けなくなり、しかも、新人であればあるほど、そうしていかないと他の作品に埋没し、消えていく恐怖があります。
だから、技量もないのに、厳密性にこだわったりしないと、やっていけないと思うし、デビューすら間々ならないと思ってしまうのではないかと思います。
>挑発的なスレタイでしたが、みなさんの意見お待ちしてます。
僕は、こういう意見があるのは、いいと思います。セオリーで作品が組み上げられるほどの技量があるのか?という問い直しにはなったし、今後、作品作りのヒントに、マーケティング技術は身につける必要は出てくると思います。
ただ、あなたのいうラノベのセオリーも今は、変り始めていく時であり、美少女だけでうまくやっていけなくなり始めていなくなってきている現実もあります。マーケティングだけでデビューや売れ筋作れるほど、読者って単純ではないかと思います(願望もありますが)。
だから、厳密性に走ってしまう作家の性は理解してあげてください。では。
>~略
>なにか絶対にそうしなければならないという必然的な理由でもあるのでしょうか?
自分が作品を見る側(作家志望なら編集者でしょうか)の気持ちになってみた場合にはあると思います。
編集者が見るべきところは、プロ作家になる条件・それを認識できる実力の判断になると考えます。
人物が存在している、存在させていられられるだけの説得力がある文章力。
これは必須なになるでしょう。
ココまでが基準というか、最低ラインで王道を書けなければ話に成らないわけです。
王道を書いても個性を打ち出せる作家さんはいるでしょう。
ですが、手持ち武器として知識の表現や切り口の変わった主人公にこだわりを出すのは、ある意味では売れ線を意識している、戦略を考えているともいえます。
個性がある、変わった思考性を持っていると読み手に意識させることが重要で、実際のところWikiマル写しみたいな物がほとんどです。
ぶっちゃけちゃえば、ホントに才能ある人は人物が出会うだけで面白いです。
逆に設定を現実感を持たせることがこだわった部分で出来るのなら、人物描写があまり得意ではなくても読み物として成立させることが可能であると、言えなくもありません。
漫画の背景画が凄いなくらいなことなんですが、プロとアマの線引きにはなるでしょうね。