
西野嘉之
慶応義塾大学大学院博士課程理工学研究科修了。07年に企業価値検索サービス『Ullet(ユーレット)』を開発。現在は新聞・雑誌などの各媒体で執筆活動を行うなど、多方面で活躍中。

ユーレットとは?
上場企業約4000社の決算書(財務諸表)や関連ニュース、大株主などの情報を、ワンクリックで表示。各企業の財務データをビジュアル的に把握できる、無料のサービスだ。 |
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『脱・ディズニー』を模索するオリエンタルランド
ネットのニュースを見ていたら、「オリエンタルランド、『脱・ディズニー』へ一手。ブライトンホテル買収で西日本にも足場」と出ていた。オリエンタルランドが運営する東京ディズニーリゾートは、開業30周年を迎える。今回買収したホテルは、京都や大阪のホテルも含まれている。なぜ西にも拠点を持つ必要があるのか?
記事には、「『脱・ディズニー』『脱・舞浜』は、オリエンタルランドの大きな中期的課題の1つ。」とある。確かにそうかもしれないが、西に拠点を持つだけでは、同業他社のホテルグループとの大きな差別化は難しいのではないだろうか? 例えば、海外から来る外国人観光客の観光ルートとして、東京と京都を回ることを意識したプランを提案したとしても、やはりキラーコンテンツは「ミッキー」である「東京ディズニーリゾート」になってしまうのではないだろうか?
過去にオリエンタルランドは、首都圏以外の大阪や福岡で、屋内型ディズニー施設の構想を模索したり、シルク・ドゥ・ソレイユを舞浜に誘致したりしたが、『脱・ディズニー』には至っていない。ただ東日本大震災の経験から『脱・舞浜』を思っていた以上に急ぐ必要があると判断したのであれば、確かに今回のブライトンホテルの買収は、『脱・ディズニー』『脱・舞浜』へと、一歩踏み出したのかもしれない。場所とコンテンツの一局集中から抜け出すことができるのか?
最新号のメルマガでは、そんな震災によって改めて事業を見直した企業の分析を行っている。
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