2011.7.18

紫電改よ、永遠なれ

大量生産された名機、ゼロ戦もアメリカが対抗して開発したグラマンF6Fヘルキャットに打ち負かされるようになり、ゼロ戦の上を行く飛行機が紫電、紫電改だった。1万機以上も生産されたゼロ戦に比し、紫電改は500機程度。太平洋戦争も中盤以降はもう大量生産できる時代ではなかった。高性能の紫電改だが、操縦するパイロットも優秀な若者を集めた。この本は祖国防衛のために散った若いパイロットの話だが、若いといっても20数歳。勇敢で優秀なパイロットたちは家族を思い、国のためならと圧倒的な敵国の戦力に飛び込んで行った。管野直という実在のパイロットが主役だが、純粋な性格で自分の能力を出し切る場面には、極限の世界に生きた人間の生き様を感じさせられる。自分自身、飛行機そのものにあこがれるが、それが戦争の手段となっていることには抵抗があり、そのような時代に生きてなくてほっとするものだ。昔、紫電改のタカという漫画があったが、それも小学生の頃に夢中になっていた漫画の一つだ。ゼロ戦、紫電改、戦艦大和、武蔵。憧れの世界だ。