浅田真央が高い技術で目指すもの・・キムと対決という構図の裏で
サーチナ 3月14日(木)11時40分配信
13日(日本時間14日)フィギュアスケート世界選手権がカナダロンドンで開幕した。3年ぶりの金を目指す浅田はギリギリまで日本で調整し2日前に現地入り。前日練習で決まらなかったトリプルアクセルを直前練習では決め、調整が順調であることをうかがわせた。常にクローズアップされる同い年キムヨナとの2年ぶりの比較対決については、キムヨナ関係の質問はNGという通達の中、「いいライバルがいることで成長できることもたくさんある」と口を開き、また「自分としては最高レベルの演技をショートもフリーも決めることが目標です」と語った。
四大陸選手権では205.45点という高スコアで優勝した浅田真央。しかしフリーでのトリプルアクセルは回転不足と両脚着氷でわずか3.57点。3回転―3回転の大技も減点された中での高得点こそ、浅田の好調さを示すと言っていい。3.57点といえば、難易度の低いダブルアクセルを確実に決めGOEで加点出来れば軽く上回ってしまう得点。SPでは10.07点を取れたトリプルアクセルだが、回転不足に対するジャッジは非常に厳格で挑戦にはリスクが大きい技だ。
今季のトリプルアクセル挑戦をしっかりと支えるのは浅田の演技の安定度。佐藤コーチと2年半かけて挑んできた基礎からスケーティングを見直すという構想はここに来て着実に実を結びはじめている。腰痛を抱えながら着実な演技を見せ、トリプルアクセルなしでも優勝したGPファイナルはその最たるものと言えるだろう。「スケートはジャンプだけではなく総合力」という確固たる考えを持つ佐藤コーチとの二人三脚は、浅田の高いポテンシャルと表現力を得点につなげることに成功している。
残念ながらフィギュアスケートの採点については、現状は改定も多く採点競技の難しさを露呈した状態であるのは事実だ。しかし制約の中リスクを冒して難易度の高い技に挑むアスリートの姿はまちがいなく美しい。浅田は3年ぶりの栄冠をつかめるか?女子SPは14日、日本時間深夜に始まる。(編集担当:田村和彦)
最終更新:3月14日(木)11時40分