2007年05月19日
【お仕事で書いた文章】企業投資のプロフェッショナルがフローレンス理事に!〜ビジネスのプロがNPOに参画する時代に〜
フローレンスも4月から病児保育事業開始3期目を迎え、経営体制を変える時期になってきました。
それまでのゼロから1を生み出すフェーズから、1を2や3にしていく
フェーズに移行していく時期だと思います。
これまではとにかく立ち上げていこう!というスタートアップベンチャー
さながらの雰囲気でしたが、今後は足場をしっかり固めつつ、動き始めた
病児保育事業を、丁寧に広げていきたいと思っております。
そういった状態の中で、フローレンスは新たに理事を迎えることに
なりました。
高槻大輔氏。彼は元々は国の国際協力団体で途上国を支援していて、
その後渡米しMBAを取得して、投資ファンド会社に就職。数々の
大型投資を行っている、凄腕ビジネスマンです。
この経歴だけだとちょっと近寄りがたいスゴイ人なんですが、彼は
クールヘッドだけでなく、ウォームハートを持っている方で、
渡米中はCertificate in Social Entrepreneurship という社会起業家の
学位を取得され、営利・非営利に関係なく、いかにして社会的な価値を
最大化させるか、ということに真摯に向き合っている方なのです。
ご両親がぼけ防止の福祉プログラムを全国に広げるという偉業をなし
遂げられていたこともあり、まさにビジネスの剣を持ってして、
社会的な課題に立ち向かう先輩として、駒崎は尊敬してやまないのです。
そんな彼とは、東京ソーシャルベンチャーズ(SVT)で出会いました。
高槻さんのようなビジネス界で活躍する方々が集い、フローレンスのような
事業型NPOを財務的に助成しつつ、実務的にも支援する非営利団体です。
SVTの支援を受けることになったフローレンスは、高槻さんや
ジャーナリストの秋山さん(現フローレンス理事)の支援を受け、
徐々に力をつけていきました。
特に高槻さんは財務のプロでした。駒崎は中学受験の際の算数の
偏差値が22で、国語の時間も算数を勉強させられたくらい
数字が苦手です。大学も文系で作家になりたかったのに、ひょんな
ことから経営者になってしまったは良いですが、財務や会計は
あんまり得意ではありません。
しかし財務は経営にはなくてはなりませんし、「経済的に成り立たない」
ことで主な原因で事業者の少ない病児保育事業では、「成り立つ仕組みの
考案」が決定的に重要なのです。
そんな時に高槻さんは力を貸してくれたのです。
入ってくるお金や出て行くお金、フローレンス特有の共済型のお金の
流れなどが一目して分かるような財務モデルを構築して下さり、
それを精度の高いものに、せっせと磨いて下さったのです。
それによってフローレンスは、何ヶ月も先の財務的危機
(「あぁ、お金がない!つぶれる!!」)や投資のタイミング
(「この時期には人をいれないとまずい!」)というものが
予見できるようになり、暗闇を匍匐前進する状態から、
懐中電灯をもってそろそろ歩けるくらいまで可能になったのでした。
そんな風にプロフェッショナルのスキルをもってフローレンスに
貢献して下さった高槻さんを改めて理事に迎え、フローレンスは
より地に足をついた経営をすべく、がんばって参りたいと思います。
経営品質は人材の質につながり、人材の質は保育の質に繋がって
いきます。皆様に安心安全の保育を届けるためにも、フローレンス
経営陣は不断の努力を重ねていきたいと思います。
______________________
高槻大輔
大卒後、海外経済協力基金にてベトナムやカンボジア向けODAを担当。
その後スタンフォード大学経営大学院にてMBAと同時にCertificate in Social Entrepreneurshipを取得。現在は世界的なプライベート・エクイティ投資会社であるカーライル・グループにて、ウィルコム、インテリジェンス(旧学生援護会)、コバレント・マテリアル(旧東芝セラミックス)等への投資を担当、
社外取締役・監査役として経営に関与。フローレンスでは財務および経営面での
アドバイスを中心に活動。
現在3児のパパで、娘が可愛すぎるのが悩み。
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