虚偽説明「故意ではない」=東電第三者委が報告―国会事故調の現場調査・福島第1
時事通信 3月13日(水)10時32分配信
東京電力福島第1原発事故を調査していた国会の事故調査委員会に対し、東電が1号機原子炉建屋内部の状況について虚偽の説明をした問題で、同社が設置した第三者検証委員会(委員長・田中康久元仙台高裁長官)は13日、「虚偽の説明だが故意ではなかった。上司の関与も認められない」とする調査結果を広瀬直己社長に報告した。
広瀬社長は「結果はしっかり受け止めたい」とした上で、「今回の問題は東電が何かを隠しているのではという疑念が出発点。まずは見ていただくことが必要だ」と述べ、原子力規制委員会が検討中の現場調査への協力方針を明らかにした。
検証委は、虚偽説明を行った玉井俊光企画部部長(当時)のほか、勝俣恒久会長(同)ら経営陣を含む同社関係者延べ26人から聴取。国会事故調側からの聴取は、守秘義務などを理由に断念した。
報告書は、玉井部長が昨年2月、緊急時の原子炉冷却装置のある1号機原子炉建屋4階への立ち入り調査を求めた国会事故調の田中三彦委員(当時)らに行った説明のうち、「真っ暗で危険」とした部分を「事実に反する」と認定。一方で、「すぐに露呈するうそをつく必要性がなく、虚偽説明は勘違いに基づくものだった」と故意性を否定した。
その上で、「上司も誤りを指摘する機会があったはずで、社員間の協力体制が機能していない」と問題点を指摘。「社員が早い段階から上層部に相談できる組織の確立を望みたい」と提言した。
最終更新:3月13日(水)15時55分
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