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原発避難者対象、東電関連企業契約社員求人応募ゼロ いわき

 福島第1原発事故の避難者らを対象に、東京電力福島本社(福島県楢葉、広野町)が出した関連企業契約社員の求人に対し、応募者が現時点でいないことが分かった。原発事故を起こした同社への嫌悪感が一因とみられる。

 求人は「東京レコードマネジメント」(東京)の契約社員で、相双公共職業安定所富岡出張所(原発事故で福島県富岡町から福島県いわき市に移転)を通じて1月に募集を始めたが、今月12日現在、応募者はゼロだ。
 採用は10人程度で、原発事故で職を失った避難者らに働き口を提供する目的で枠を設けた。契約期間は4月から2年間で、東電社員の給与計算や労務関係の業務を担う。初めの1年半は東京の東電本店に出向し、その後、福島本社の周辺地に戻って働く。
 月給は手当を含めて14万〜20万円。東京勤務時は社員寮が用意される。
 職安の話では、給与などの待遇面は県内企業に比べてかなり厚遇だという。それでも応募者がいないことについて「東電に負の印象を持ち、敬遠した人もいるのではないか」と話す。契約期間の4分の3が東京勤務になることが響いた可能性もある。
 同県大熊町の男性(42)はいわき市に避難し、仕事を探している。「東電関連の従業員になれば批判の矢面に立たされる。いつ切られるか分からないし、気が進まない」と語る。
 東電福島本社は「応募ゼロの理由は分からない。問い合わせは数件あったが、応募に至らなかった」と述べ、募集方法を変えて仕切り直しする考えを示している。


2013年03月14日木曜日


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