'13/3/12
広島市のりんさいくる終了
広島市中心部で自転車を共有する2年間の期間限定サービス「のりんさいくる」が終わり、11日に駐輪場の撤去が始まった。放置自転車の減少と、温暖化対策で車からの転換を狙った官民連携の事業に、利用者から終了を残念がる声も聞かれた。市は今後公表される収支報告を基に、市単独で事業を続けるかどうか判断をする。
「もっと続けてほしかった」と話すのは、中区のウェブデザイン会社で働く小泉靖宜さん(35)。食事や商用の外出時に使っていた。
登録制ののりんさいくるは2011年3月にスタート。当初は利用が伸び悩み、5カ月後に料金を引き下げた。その効果もあり、ことし1月末時点の登録者は1年前に比べ約3倍の3008人。「移動時間が短縮できた」などアンケートで評価する声が目立った。
自転車150台を用意し11カ所に駐輪場を設けたのはシステム開発・運用の日本コンピュータ・ダイナミクス(東京)。名古屋市と東京都港区で同じサービスをし、国から技術開発費として7500万円の補助を受けた。広島市は設置場所の歩道使用を許可した。
「街の移動手段として浸透するには、ある程度の投資は必要」。小泉さんは市が事業に乗り出すことを期待する。一方、会社員生野慶一郎さん(36)=安佐南区=は「市の事業として続けるには収益が必要」としてPRや駐輪場の設置場所に工夫を求めた。
【写真説明】旧広島市民球場跡地の南側の駐輪場を撤去する作業員(広島市中区)