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<名古屋大病院>がん3年放置 30代患者、肺に転移し死亡

毎日新聞 3月13日(水)13時33分配信

 名古屋大病院(名古屋市昭和区)は13日、口腔(こうくう)内のがんと診断して手術をすると決めていた愛知県の30代患者に、08年から3年間入院の連絡をしないまま放置し、患者が死亡したと発表した。病院が賠償金を支払うことで遺族と示談が成立しており、記者会見した松尾清一病院長は「ご遺族に心より謝罪する。病院全体のシステムを見直す」と話した。

 病院によると、患者は初期のがんで、予定通り手術をしていれば完治していたという。

 患者は08年3月にかかりつけ医からの紹介で名大病院を受診。担当医はがんの疑いと診断し、手術をすることを説明して「入院日が決まったら連絡する」と伝えたが、その後連絡していなかった。

 患者は連絡がないまま、かかりつけ医で治療を受けたが、病状が悪化したため、11年4月に名大病院を再び受診した。その際に入院手続きがとられていないことが発覚し、翌月に手術を受けた。だが、がんの肺転移による呼吸不全のため12年4月に死亡した。

 入院手続きは本来、担当医が入院申し込みの書類をファイルにとじて、書類を別の医師が見て入院手続きを始めるが、このケースは書類が残っていなかったという。担当医は当時の経緯について病院に「記憶にない」と話しているという。【岡村恵子】

最終更新:3月13日(水)18時3分

毎日新聞

 

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