上場企業のHPから情報漏えいか3月14日 4時43分
複数の上場企業のホームページから発表前の経営情報が漏えいし、情報を知った人が、株の取り引きをして利益を得ていたとみられることが関係者への取材で分かりました。証券取引等監視委員会は、企業に対して情報管理の徹底を呼びかけています。
関係者によりますと、東京証券取引所などに上場している複数の企業で、会社のホームページから決算などの経営情報が発表前に漏えいしていたとみられることが、証券取引等監視委員会の調査で分かったということです。
これらの会社では、情報を、発表後、速やかにホームページに掲載できるよう、あらかじめホームページ用のコンピューターに保管していました。
通常の方法でホームページを閲覧しても情報にはたどり着けないようになっていましたが、専用のコンピューターソフトを使えば簡単に見つけられる状態だったということです。
証券取引等監視委員会が調査したところ、兵庫県内の男性がこのソフトを使って情報を知り、株の取り引きをして、去年までに少なくとも数十万円の利益を得ていたことが分かったということです。
こうした株の取り引きは、会社の関係者から情報を得たわけではないため、インサイダー取引には当たらないということで、監視委員会は、証券取引所を通じて企業に対して情報管理を徹底するよう呼びかけています。
なぜ情報が漏えいしたのか
ホームページを閲覧する場合、通常は、パソコンの画面のボタンをマウスでクリックするなどしてリンクと呼ばれる情報のつながりをたどっていきます。
企業は情報をリンクから外していたため、外部から閲覧されることはないと考えていたとみられます。しかし、ホームページ用のコンピューターには外部から接続することができるため、情報のデータが保管されている場所を直接指定すれば、誰でも閲覧が可能だったということです。
インターネットのセキュリティー会社の担当者は「一度、ホームページに情報を置いてしまえば、誰にでも見られてしまう可能性がある。玄関の前に置いていたら、見られてしまったというような不注意なケースだ」と話し、企業側の認識不足が情報漏えいの原因だと指摘しています。
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