陶山博生裁判長は「小児性愛は人格の偏りにすぎず、責任能力の有無・程度に直ちに影響は及ぼさない。その場に応じた行動を取っており、抑制を失った行動はうかがえない」と述べ、山口被告に責任能力があったと認定。「小児性愛の影響で行動制御能力を失っていた」とする弁護側の主張を退けた。
量刑理由では「幼く抵抗すらできない被害者の首を数分間も絞め続けて殺害し、多大な苦痛と恐怖を与えた。極めて残虐とした一審判決に誤りはない」と指摘。「反省の態度が見られないのは発達障害の影響」との弁護側主張は「証拠も知見もない」と一審に続き否定した。
判決後、弁護人は「抑制を失っていないという判断は理解できない。被告は理由に納得できなければ、上告するだろう」と話した。
判決によると、山口被告は2011年3月3日夜、熊本市北区高平のスーパーの多目的トイレに心ちゃんを連れ込み、わいせつな行為をした後、左手で首を絞めて殺害。遺体を約1・3キロ離れた排水路に遺棄した。
「くまにちコム」に掲載の記事、写真等の無断転載は禁じます。著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun