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熊本女児殺害、責任能力認め二審も無期 福岡高裁判決

 熊本市のスーパーで2011年3月、清水心(ここ)ちゃん(当時3)を殺害したなどとして殺人や強制わいせつ致死の罪に問われた元大学生、山口芳寛被告(22)の控訴審判決が13日、福岡高裁であった。陶山博生裁判長は、争点だった責任能力は完全にあったと認め、裁判員裁判で無期懲役とした一審・熊本地裁判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。

 控訴審で弁護側は、精神鑑定で小児性愛と診断された被告の責任能力を認めた一審判決は誤りで、量刑も重すぎると主張。被告は事件当時、防犯カメラが自分とは別の方向を向いていたために抑制を失い、犯行に及んだ、と訴えていた。

 陶山裁判長は「小児性愛は基本的には人格の偏りで、責任能力の有無や程度にただちに影響しない」と指摘。「被告は、その場の状況に応じた行動を取っていて、抑制を失ったとは言えない」として退けた。

 判決によると、山口被告は11年3月3日、熊本市のスーパーで、心ちゃんをトイレに連れ込み、わいせつな行為をし、首を絞めて殺害。遺体をリュックで運び、水路に遺棄した。

 心ちゃんの父、誠一郎さん(41)は心ちゃんの遺影とぬいぐるみを抱えて判決を聴いた。判決後の記者会見で「娘に『終わったよ』とまだ言えない状態だったが、しっかり判断してもらって良かったねと(言いたい)」と語った。

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