よど号グループ:東京都を相手取り提訴へ 名誉侵害と
毎日新聞 2013年03月14日 02時30分(最終更新 03月14日 05時22分)
北朝鮮による欧州における日本人拉致事件にかかわったとして、結婚目的誘拐容疑で国際手配されている北朝鮮在住の「よど号グループ」の魚本(うおもと)(旧姓・安部)公博(きみひろ)容疑者(64)ら3人が、来月にも東京都を相手取り、計1500万円の国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こす準備を進めていることが関係者への取材で分かった。
3人は支援者を通じ、警視庁がグループの関係者だった女性(57)のうその供述を根拠に逮捕状を取得したため、名誉が侵害されたと主張するという。
支援者によると、提訴するのは、有本恵子さん(行方不明時23歳)拉致事件に関与したとされる魚本容疑者のほか、松木薫さん(同26歳)や石岡亨さん(同22歳)の拉致にかかわったとされる森順子(よりこ)(59)と若林(旧姓・黒田)佐喜子(58)の2容疑者。警視庁は魚本容疑者については02年、森、若林両容疑者については07年に同容疑で逮捕状を取得し、更新を続けている。
有本さんと松木さん、石岡さんの3人について、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記(当時)は02年9月の日朝首脳会談で北朝鮮に拉致したことを認め、いずれも死亡したと日本政府に伝えている。
よど号グループは、拉致事件への関与を否定しているという。【岸達也】