国際北京の大気汚染、日本の技術と資金で改善 市民には貢献知らせず2013.3.13 22:16

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北京の大気汚染、日本の技術と資金で改善 市民には貢献知らせず

2013.3.13 22:16

 【北京=川越一】深刻な大気汚染が社会問題となっている北京で13日、「大気汚染に関する講演会」が開かれ、日本の技術と資金で環境改善が行われている事実が明らかになった。

 講演会では、東京・虎の門病院の岸一馬呼吸器センター内科部長や大使館担当者が、呼吸器疾患を引き起こす直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質「PM2.5」への対処策などを説明。北京郊外で天然ガスを使った発電発熱施設が稼働していることが紹介された。

 大気汚染の元凶の一つは冬季に暖房に使用される石炭。駐北京日本大使館関係者によると、施設は2009年に完成した。日本企業が技術を提供し、総事業費115億円の8割近くを円借款で賄った。施設の稼働により、年間約30万トンの石炭使用量削減に成功した。

 同様の事業は内モンゴル自治区や遼寧省でも進んでいる。北京市もこの技術を使い市内の暖房の天然ガス化を計画しているという。中国側関係者は「事業を通じ交流も生まれた」と評価するが、一般市民には日本の貢献は知られていない。

 講演会に参加した日本人男性は「日本が協力している事実を中国政府も中国メディアも発信しないことが腹立たしい」と述べ、沖縄県・尖閣諸島をめぐって日本批判を続け、反日感情緩和の芽を摘む中国政府に不満を示した。

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